【U-Prophet】簡単に和牛繁殖・酪農場の経済性を評価したい(ユープロフェット)
皆さんは、肉用繁殖や酪農家で成績改善した際(例えば受胎率があと5%高くなれば…)、「いったいどれくらい儲かるんだろうか?」などと思うことはありませんか?私はあります。
「100万円を投資すると500万ほど儲かる」ってのが分かれば、誰でも投資したくなりますよね。逆に「100万円を投資しても105万円しか儲からない」ってのが分かれば、「うーん!どうしようかな?」ってなります(よね?)。
農場経営はこのような経営判断の連続ですが、この手の計算は複雑で簡単にいかないことが結構あります。
特に繁殖成績は、生産される子牛の頭数や販売金額のみならず、飼料費、酪農では泌乳曲線など、考慮しなければならない項目が多すぎて計算が複雑で難解。。。というか表計算ソフト(MS Excel®など)でパパっと計算するのはたぶん無理です。この辺りの難解な計算を出来るだけ正確に、そして簡単に算出できないかな?って思いますよね。私は思っていました。そして作ってしまいました。簡単に農場の経済性を評価できるツールを!
名付けてU-Prophet (U-プロフェット)。
U-Prophet(U-プロフェット)とは?
何が出来るのか?
スマホやパソコンからサイトにアクセスし、パラメータを設定することで、農場の成績がどれくらいの経済的メリットを生み出すかをパパっと計算することが出来ます。
名前の由来
Prophet (プロフェット)とは「未来を予測できる人」すなわち預言者を意味する英語です。 頭についている「U-」は弊社商品「U-motion®」のUです!
どうやって使うの?
お手元のパソコンやスマホから、このサイトにアクセスしてください。こんな画面が表示されます。
初めて使用される方は「アカウントを作成して始める」または「ログインせずに始める」を押してください。
ログインして始める
すでにアカウントをお持ちの方はこちらからお入りください。アカウントを作成しログインすることで、将来的には前回使用したパラメータの値が保存され、入力が簡単になるメリットがあります(近日中に機能を実装する予定です)。
アカウントを作成して始める
まだアカウントをお持ちでない方は、「アカウントを作成して始める」でアカウントの作成が可能です。メールアドレスと任意のパスワードを設定してください。Googleアカウントから直接アカウントの作成も出来ます。
簡単なアンケートがありますのでご回答をお願いします。頂戴した情報は今後のサービス改善に役立てさせていただきます。
ログインせず始める
「ん?アカウントの作成?なんかメンドイな」という方は、もちろんアカウントを作成せずに使用することも可能です。この場合も簡単なアンケートにお答えください。
免責事項
この手のサイトにありがちな免責事項のご了承をお願いします。
U-プロフェットは、農場経営を簡略化したモデルを作成したうえで、設定されたパラメータからシミュレーションによって計算された結果を表示しているに過ぎません。モデルに実際の農場経営を忠実に反映させるには、現場で起こっている事象は複雑すぎて困難です。あくまで経営判断の目安としてお使いください。
実際にやってみる
それでは実際に手を動かして試してみましょう。
営農タイプ(畜種)の選択
U-プロフェットでは酪農か肉用繁殖が選択できます。お好きな「営農タイプ」を選択して「次へ」を押してください。
ここでは酪農および肉牛繁殖経営で共通の項目である「受胎率」を、何らかの方法で50%から55%に改善するというシナリオを試してみます。授精率を5%改善することが、どれくらい経営にインパクトを与えるか確認してみましょう。
なお子牛の販売価格は2022年2月の全国平均値を使用しています。また現場経験から農場で一般的な相場をデフォルトとして設定していますが、地域や環境によって相場は異なりますので農場の実態にあわせて適宜修正してください。
肉用繁殖編
「次に」を押すと「必須入力」画面に移ります。この画面では現状と比較という2つの数字が並んでおり、農場にあわせて数字を入力します。
農場の現在の受胎率が50%であれば、「現状」の受胎率の欄に50を入力します。この受胎率を何らかの方法で55%に改善するというシナリオを設定するのであれば、次の図のように「比較」の欄で受胎率を55%に変更します。
「結果表示」を押すと、シミュレーションに20秒ほどかかりますが結果が表示されます。
正味価値が89万円/年増加することと予想されました。
当たり前のことですが受胎率が5%改善すると、授精費用や子牛の育成費が増加し、子牛の生産頭数が増えてトータルで収益が改善することが解ります。
酪農編
酪農でも同じように受胎率を35%から40%に変更してみましょう。
肉用繁殖と同様に、「結果表示」ボタンを押すとシミュレーション結果が表示されます。
酪農の場合はトータルで205万円のメリットがありそうです。酪農の場合も同様に授精費用や子牛の育成費が増加し、子牛の生産頭数が増えてトータルで収益が改善することが解ります。また空胎日数が短縮することで乳量が増加することもキチンと考慮されていることが解ります。
まとめ
いかがでしょうか?このようにU-プロフェットを使用することで、簡単に農場の経済性を評価することが出来ることがお分かりになったと思います。実際に受胎率を5%改善するのは技術的に難しい部分もありますが、今回はあくまで簡単なシナリオとして受胎率を改善させてシミュレーションを行いました。U-プロフェットではさらに細かく設定を変更することも可能です。今後の記事で具体的な使用方法などをご紹介する予定ですのでご期待ください。
2022/04/01 追記
【U-Prophet】細かい設定を変更したい(ユープロフェット)
詳細な設定方法について操作方法を書きました。
【U-Prophet】性判別精液の経済性を考える[酪農編](ユープロフェット)
U-Prophetを使って性判別精液の経済性について評価した記事を書きました。