食卓に幸せを届ける
季節は小満🌕
「小さく満ちる」の名の通り、春に蒔いたタネが実り収穫を迎える時です。
文字通り刻々と大きくなっていく野菜たちに驚きつつ、日々嬉しい悲鳴をあげながら収穫しています。
二十四節気を知るということ
約1年前に書いたnoteでは、農家として暮らす中で、季節を4つに分けるのはあまりにも雑だと感じたこと
そして、世の中には「二十四節気七十二候」というものがあり、
「農家は昔から季節を72に細かく分けて
咲く花や鳴く鳥などを目印に日々暮らしてきたこと」
を発見し先人の知恵に深く感動したことなどを書き綴りました。
5月の初め、立夏を迎え暦の上では夏となり
次に小満（今ですね）
6月の初めには芒種を迎えます。
春先に芽を出した草木たちが一気に満ち満ちて成長して、そしてタネをつける…
今年から独立して、
自分の畑で毎日、野菜たちの成長を間近で見ていると
二十四節気の流れが心にすとん、と入ってきます。
去年は正直、「芒種？なんやそれ」くらいに思っていましたが、
農業という、自然に近い職業に真剣に向き合う中で
この季節のことばを生み出してくれた先人の思慮深さに深く感銘を受けてしまいます。
この季節、この時だけ見ることのできる花や、景色、空気感、この時だけ味わうことのできる野菜や山の味覚…
すぐに移ろってしまうからこそ
この一瞬一瞬を大事にしよう
とそう思えます。
食卓に幸せを届ける
小満の今、野菜の「いちばん美味しいとき」は
とても短いように感じます。
そんな中で「はつもの」の美味しさは格別。採れ始めの柔らかい葉物やみずみずしい大根、パリッパリのレタス…
1番いい時を、いちばんに楽しめるのが農家の特権。
そして、この短い旬の中でとびっきり、いちばんに美味しいものをみなさんにおすそ分けしたい…
その気持ちで
「季節野菜の定期便」をはじめました。
今、最高に美味しいものをモリモリに、愛情込めてお届けしています。
そのほかにも、
5月は荻窪・新宿のレストランでマルシェをさせていただきました。
お客さんの顔が見れて、美味しい食べ方も、わたしの思いも伝えられる。
準備は大変だけど大好きな時間です。
野菜販売を楽しみに、わざわざきてくださる方がいて本当にありがたい。
新宿のkibokoさんでは今後月一（第4日曜日）で野菜を販売させていただくことになりました。
愛を込めて、食材にこだわって丁寧に仕事されているkibokoオーナーのなおこさん。
ここで野菜販売をできることを本当に嬉しく思います。
野菜の収穫が始まって、
出荷作業がどんどん増える中で、
わたしがとても大切にしていることがわかってきました。
それは
「食卓に美味しさという幸せを届ける」
ということ。
野菜を毎日見ていると
「いま、私一番おいしいときだよ！！」
と野菜たちが教えてくれます。
葉っぱのツヤやいきいき加減が違う。
そこを見極めて、みなさんへ届ける。
美味しい！と喜んでもらう。
それが私のいちばんの幸せだなと思っています。
野菜から献立を考える
出荷作業が増えている今、
お客様にお出しできない「ハブキの野菜」というものも増えてきました。
なので虫食いや形の悪いものは、自家用で消費されます。
今日は山東菜のハブキが多いから、スープにしようかな、とか
レタスのあまりがあるから焼肉にして、お肉を巻いて食べようとか
我が家の食卓は今採れる野菜から献立が決まっていきます。
朝採れた野菜を当たり前のようにその夜たべる幸せ。
ある日、レタスとベーコンがあったので、
朝ごはんにBLTを作ろうと思い立ちました。まだトマトは採れないので、どうしようかな…
と思っていたのですが、
きのうの残り物のラディッシュのマリネを代わりに使うと瑞々しくて美味しい！！と大発見しました。
制限があるからこそ創造的になれて、それもまたたのしいです。
楽しさと嬉しさの裏に
日々、充実感を持って生きてはいますが
毎朝4時に起き、収穫出荷をして、午後は日が暮れるまで畑作業…
を毎日繰り返していると
流石に疲れが出てきます。
作業は山積み
事務作業やら営業やら販促もひとりでこなさなければならない。
けれど、先月のnoteに書いたように、
休まないで苗を枯らした痛い教訓があるので
「水曜日はお休みの日」と決めて必ず休むようにしています。
（ちなみに、苗を枯らして蒔き直した苗たちはすくすく育ち、6月上旬には定植予定です🌱）
どうしようもなく疲労が溜まっていく毎日ですが
「丁寧な仕事は余裕のある心から生まれる」をモットーに息を抜きつつ、繁忙期を駆け抜けていきたいです。🕊️
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