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「ちりめん本のすべて」にも記述が無い、ちりめん・平紙本

平紙・ちりめん両用本 長谷川武次郎 / カロザース 『日本の歳月』 初版 明治38年 東京刊
Carrothers, Mrs. Julia D., Japan's Year. Illustrated by Japanese Artists. Tokyo, T. Hasegawa, 1905 <R16-171>
First Edition. Tall 8vo (17.5x24.5cm), 76pp, original Yotsume-toji binding, sewn with silk ties

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表紙は平紙本、中にちりめん絵が3枚が綴じこまれている

長老派の宣教師クリスチャンとともに築地居留地にミッションスクールを開いたジュリア・カロザースの下で16歳の長谷川武次郎は英語を習い初めます。ここで英語を身に着けた武次郎はタムソンやヘボンといった宣教師を起用してちりめん本の発行を企画、大成功を収めます。

七月の七夕、花火大会

そのきっかけを作った恩人ともいえるカロザース夫人による本書は、3点のちりめん絵と平紙本から成る珍しい両用本で日本の12カ月の歳時記が当代一流の絵師による彩色画とともに描かれています。

十月の菊、紅葉と収穫祭

即ち、1月は松竹と通りの風景、2月は雪と梅、3月は春分と雛人形、4月は桜、5月は藤と端午の節句、6月は菖蒲園、7月は雨、8月は蓮、9月は月見、10月は菊、11月は楓、12月は婚礼と大晦日、が紹介されています。

婚礼、大晦日そしてちりめん本の既刊タイトルリスト

本書は、ちりめん本の基本的なビブリオとして知られる石澤小枝子「ちりめん本のすべて」2004年、三弥井書店 にも記述はありませんが、長谷川武次郎の英語学習の師匠が文章を手掛け、ちりめんと平紙の併用、昔話に続く弘文社の新機軸となったカレンダー風作品と、長谷川武次郎とその作品のすべてが表現されている一冊です。

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