「権力を正当化する学問としての歴史学」1
エーリッヒ・ブランデンブルク 『ビスマルクから世界大戦へ』 新改訂版 ライプツィッヒ刊 1939年
Brandenburg, Erich, Von Bismarck zum Weltkrieg. Neue, umgearbeitete Ausgabe, Leipzig, Insel Verlag, 1939 <R23-189>
<New revised edition, 649pp, original black cloth binding, title lettered in gilt to spine and front cover, top edge yellow, fore edge foxing>
販売済/Sold
ライプツィヒ大学で宗教改革史、近代史(ドイツ第二帝政史)を担当した教授の代表作で、ビスマルクの退陣直前から第一次世界大戦に至る時代、ヴィルヘルム期のドイツ外交史を論じた作品です。
初版は1923年、第二版が1925年に刊行されました。英語版はオックスフォード大学出版より1927年に刊行。ドイツ外交や世界史的な影響を与えた日清戦争と日本外交も独立した一章を使って論じられていたためか、1934年に芦田均により日本語に翻訳されており、日本でも専門的な研究書としては広く読まれていました。
ブランデンブルク自身はヴァイマル時代には共和派の立場でしたが、第二次世界大戦の直前の1939年8月にヒトラーがポーランドに恫喝外交を行っていることについて、ヴェルサイユ条約の不正をただすためと正当化しており、ヴェルサイユ体制に対する修正主義外交の支持者でもありました。本書新改訂版はその1939年に発行されました。
初版が453頁、第二版が472頁、本書が649頁と大幅に増えており、前版との比較を通してブランデンブルクのヴァイマル期から国民社会主義時代の外交史専門家としての見解の変遷を知ることができます。
参考文献:P. シェットラー 編 木谷 勤・小野清美・芝 健介訳『ナチズムと歴史家たち』2001年、名古屋大学出版会
〒101-0061
東京都千代田区神田三崎町2-7-10 帝都三崎町ビル
株式会社極東書店
*店舗・ショールームは併設しておりません。
まずはお問い合わせくださいませ。