1989年、何事もなく終わったドイツ連邦共和国建国40周年記念行事
連邦文書館 / 連邦政府 『ドイツ連邦共和国 40周年』 1989年 コブレンツ刊
Bundesarchiv / Bundesregierung, Vierzig Jahre Bundesrepublik Deutschland. Eine Ausstellung des Bundesarchivs im Auftrag der Bundesregierung, 1989, Koblenz <R23-180>
<30x21cm, 83pp, original stapled bound>
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1989年2月から始まったドイツ連邦共和国(BRD/西ドイツ)の建国40周年を記念した循環展覧会のパンフレットです。1989年と言えば今ではソ連・中東欧圏の変革に始まり、ベルリンの壁崩壊へ到る転換の年と記憶されています。
しかし、このパンフレットが発行された時点ではまだハンガリー国境開放にともなうドイツ民主共和国(DDR/東ドイツ)からの大量出国も大規模なデモ活動も行われていなかったこともあり、この展覧会も現状の確認程度の内容で、特筆すべきイベントではなかったものと思われます。
(対してDDRが10月7日に行った建国40周年記念行事は、中東欧変革の現状を無視して行われたため、市民運動によるデモ活動を拡大させ、ホーネッカー退陣の流れへとつながっていった)。
ドイツ統一問題についても、当時建前となっていた「自由な決定の元でドイツの統一と自由を完成させる」という基本法の前文を掲げるにとどまっており、当時のヘルムート・コール政権がこれから起こることになる世界的な転換を感知していなかったことがうかがえます。
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