見出し画像

British Online Archives:新しいドイツの建設- 非ナチ化と政治的再教育 1944–1948年

ご購入希望、商品内容の詳しいお問い合わせは販売総代理店の極東書店まで
<KBOA-47>

Building a New Germany: Denazification and Political Re-education, 1944–1948 (British Online Archives)



コレクション概説

…このコレクション(Building a New Germany: Denazification and Political Re-education, 1944–1948)の強みは、再教育の目的と方法について明らかにされている点だけにあるわけではない。むしろ、このコレクションに収められているファイルから、英国人、少なくとも再教育を担当した人々が、英国という国家と戦後世界における英国の役割をどのように見ていたかを知ることができる…

Alan Malpass, Contextual Essays: Re-educating German POWs: British Policy and Public Initiatives
より抄訳

第二次世界大戦が最終年を迎え、連合国の勝利が確実視されるようになると、英国政府関係者の多くが将来-戦後-について考えるようになり、連合国側とともに、戦後ドイツが安定した平和で民主的な国家として復興するための方法を模索し始めます。

その具体的な方策として考案されたのが、捕虜と民間人の両方のドイツ国民を対象とする、実験的かつ前例のない政治的再教育プログラムでした。英国とその帝国内の特別な施設で、大勢のドイツ人が、講義、映画上映、朗読、文化活動、遠足など、入念に計画されたコースの対象となりました。その目的は、安全で豊かな新しいドイツの復興につながると英国が信じた一連の価値観や考え方を、ナチス的価値観に染まっていた当時のドイツ人たちに再教育することにあったのです。

Building a New Germany: Denazification and Political Re-education, 1944–1948は、英国国立公文書館(The National Archives)のFO 939シリーズの46ファイルから集められた3,700点以上のイメージから構成されています。

このコレクションは再教育政策を様々な角度から検証しており、この革新的な計画の枠組みを作り推進した政府高官の決定を調査し、収容所当局に送られた公式指導や指示の例も紹介されています。また、使用された教材についての説明、関わった講師や教育者の考察、ドイツ兵捕虜自身の見解も掲載されています。

極端なイデオロギーに対するイギリスの視点や、政治的統制と洗脳、そしてそれらを覆させるための戦略も含めて、興味深い知見を提供している当コレクションは、英国がドイツを不倶戴天の敵から民主主義の友好国に作り変えようとした重要な過渡期について探求しています。

戦後ヨーロッパ、イデオロギー、紛争と独裁の社会史、また、集団心理、市民権の構築、平和構築と国家建設のプロセスについての研究者におすすめいたします。


ドイツ兵捕虜の「再教育」

連合国(イギリス、フランス、ソビエト連邦、アメリカ)は、第二次世界大戦末期にドイツを占領した際、ドイツ人の生活からナチズムと軍国主義の痕跡をすべて消し去り、その再発を防ごうとしました。非ナチ化のプロセスは、通りや建物の名前を変える(アドルフ・ヒトラーの名がついた道・公園・広場はすべて名前を変更など)といった表面的なものから、ドイツ市民の再教育といったもっと本質的なもの(当コレクションで扱う)まで多岐にわたります。

非ナチ化プログラムの最初の対象となったのは、イギリス国内および大英帝国領内の収容所に収容されていた戦争捕虜(POW)たちでした。

再教育活動への参加は任意ではありましたが、1つだけ強制的な要素がありました。すべて再教育活動への参加を希望するドイツ兵捕虜は、ベルゲン・ベルゼンとブッヘンヴァルト強制収容所解放の記録映画の上映会に出席しなければならなかったのです。(Alan Malpass, Contextual Essays: Re-educating German POWs: British Policy and Public Initiativesより)

終戦後、英国国内には1,500近い捕虜収容所と類似施設がありましたが、Prisoner of War Division (POWD, 捕虜の再教育と取り扱いを管轄した部門)が直轄とした特筆すべき2施設があります。

1946年7月に開設、「ユースキャンプ」と呼ばれたCamp#180 (Wimbish, Essex)では、17~26歳のナチス時代しか経験したことがない若いドイツ人捕虜を、新しい思想傾向と将来に導くための再教育が専門的に行われました。脱走予防のための鉄条網や兵卒の見張りがない施設で、彼らは世界史や市民教育、地理、言語などの授業を受けながら農業労働に従事しました。

1946年1月、約300名ほどの特別に選ばれた「ホワイト」なドイツ人捕虜(事前の面談で反ナチス的と判定)が、Camp#300 (Wilton Park, Buckinghamshire) に収容されます。ドイツ系ユダヤ人亡命者Heinz Koepplerにより監修されたこの施設は「トレーニングセンター」ともして知られ、戦後ドイツの民主的再建にはドイツ人自身が関わる必要があるというKoepplerの信念もあり、刑務所というよりは大学寮のような雰囲気のもと運営されました。

再教育プログラムの内容には、バートランド・ラッセル、ウィリアム・ベヴァリッジ、ナンシー・アスターといった高名な講演者の講義やナチス政権の恐怖、特にホロコーストについての映画上映が含まれており、また、市民権、自由、民主主義、英国流の生活様式について、ディスカッションやオックスブリッジで行われるような少人数のチュートリアルも実施されていました。


ご購入希望、商品内容の詳しいお問い合わせは販売総代理店の極東書店まで
お気軽にお問い合わせください。

〒101-0061
東京都千代田区神田三崎町2-7-10 帝都三崎町ビル
株式会社極東書店 

https://www.kyokuto-bk.co.jp/

#BritishOnlineArchives