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アンシュルス直前のオーストリア独立維持の訴え
シュシュニク 『オーストリアはオーストリアであり続けねばならない』 1938年 [ヴィーン刊]
Schuschnigg, Kurt, Oesterreich muss Oesterreich bleiben. Die grosse Rede des Bundeskanzlers und Frontfuehrers Dr. Schuschnigg im Bundestag am 24. Februar 1938 <R22-271>
28x21cm, 16pp, original loose leaf without binding, bent on center part
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https://www.kyokuto-bk.co.jp/products/?id=1681282859-509312
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オーストリア・ファシズムの指導者クルト・シュシュニクが1938年2月24日に連邦議会で行ったオーストリアの独立維持を訴えた演説の抜き刷りです。 シュシュニクの演説は、2月12日のヒトラーによるベルヒテスガーデン会談での恫喝外交とそれへの対抗手段である3月9日の国民投票実施宣言の間に行われました
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ナチス・ドイツへのこれ以上の譲歩を否定し、オーストリアの独立国家としての自立性を強く訴えた本演説は、オーストリア国民全体より歓迎を受けました。
しかしその後、ドイツ軍の侵入により独立維持を問う国民投票は挫折することになるので、本演説は結果的に国内外に向けてのオーストリアの独立維持を訴えることのできた最後の機会となりました。
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本書は、緊急アピールで配布を急いだためか、表紙付けはおろかホッチキス止めすらもされない新聞の号外のような状態で発行されました。当時の切迫したヨーロッパの外交状況がその内容からだけでなく、装丁・外装からもうかがい知ることができます。
参考文献:
矢田俊隆『オーストリア現代史の教訓』刀水書房 1995年
高橋義彦『ウィーン1938年 最後の日々 オーストリア併合と芸術都市の抵抗』 慶応義塾大学出版会 2024年
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