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中小企業診断士 中小企業大学校診断士養成課程のあれこれ③

あれこれその③です。前回までである程度はお伝えしたい内容はまとまっているのですが、どうせなので思いついた点や自分が過ごした半年間で気を付けた点など記憶が薄れないうちに残しておこうと思い、不定期に継続してみます。

さて、今回は養成課程中に読んでいた本について取り上げてみます。養成課程に行く前から読んだ本についてはIpadとnotionを利用して読書メモとしてまとめていた中で個人的に役立った本をご紹介したいと思います。
とは言え本については各個人で趣味趣向があると思いますし、自分が読んだ本が必ずしもほかの方にも参考になるかはわからないのでその辺りはご了承ください。


養成課程中の読書について

これは同期に統計を取ったわけではないので完全に自分の主観ですが、やっぱり養成課程参加者は本を読んでいる人が多い印象にありました。
養成課程に参加したから本を読むのではなく、それ以前からもしっかりと本を読んでいるんだなと演習中もわかりますし、実際に議論になった際に自分にはない引き出しや幅を見ると自分もまだまだ足りないなと反省したものです。
スケジュール的には3月の開講からガイダンスを経て4月いっぱいは演習で日々を過ごします。おおむね講義は17時前に終了するので、次の演習の事前課題などを行うとはいえ時間的にはかなり余裕のある生活になるかと思われます。
この1か月にどれだけ本を読めるかが実は今後の実習のカギになると言っても過言ではないと思っています。自分は4月の時間の使い方が下手くそでそこまで読めなかったことをだいぶ後悔しました。これから参加される方は是非時間をうまく使って本を読む習慣を作ってくださいね。

本を読む環境について

今は電子書籍もあるので環境云々は昔ほど大きな影響はないのかなと思いますが、大学校には図書館があり、夜9時まで開放されています。
自分の部屋もあるのでそこで読むのもいいですが、やっぱり集中できないという人は図書館を利用するとびっくりするほど集中できるので行ってみてください。実習が始まると遅かれ早かれ一度は立ち寄る場所になるので、時間のあるうちに図書館のどの棚にどういった本があるのかを覚えておくと、目的の書籍にたどりやすくなると思います。
余談ですが個人的には持ち運びや読書メモ記録の都合により最近は電子で読むことが多くなりましたが、本はやっぱり現物で読みたい派の人間です。静かな場所でゆっくりと本を読むのも気分転換になるのでそういう意味でも図書館と仲良くなると養成課程中の自分のペースを保ちやすくなるかと思います。
1点だけ注意があるとすれば、大学校の図書館にある本は最新のものが少ないという事でしょうか。

具体的な本の紹介

相変わらず前置きが長くなりました。ここからは自分が読んだ本の紹介をさせていただきます。

1.一生使える 見やすい資料のデザイン入門 森重湧太著

前回もご紹介しましたが、パワポでスライド作成する機会がなかったのでまずはデザインの基本を知りたいと思って読んでいた本です。
ちょうど1年前くらいはkindleunlimitedで無料で読むことが出来たのですが今思うとお得すぎる。
報告会で使用した自分のパワポを見直すとこの本の影響を強く受けているなと感じます。

2.仮説思考―BCG流 問題発見・解決の発想法 内田和成著

続いてはこの本です。自分は図書館で2回か3回くらい借りて読んでいた記憶があります。今ならなんとkindleunlimitedで読めます。自分もダウンロードしました。
実習もそうですが、中小企業診断士として企業に接する上で仮設の設定の精度をどこまで上げられるかはその後の動き方を決定する上で非常に重要だと思っています。とは言え、その仮設をどのように組み上げるかは簡単なようでなかなか難しい。そんな風に自分が悩んでいた際にこの本を読むことでわからないながらも自分の中での仮設設定と検証のプロセスを作ることが出来ました。
今でも本はもちろん読書メモを見返してプロセスに磨きをかけているところです。なお、同じ方の著書「アウトプット思考」もオススメです。

3.ドラッカーから学ぶ多角化戦略 藤屋伸二著

今見たらこの本もkindleunlimitedで無料で読めるんですね。久しぶりに読んでみようかな。
忘れもしない7月の戦略策定実習が始まる前に、そもそも「戦略」って何だ!?と混乱していた自分の頭を整理してくれた1冊です。特に多角化戦略をもっと具体的に自分の中に落としこみたくて6月の製造業実習が終わってから毎日読んでいた記憶があります。懐かしい。
演習の中では学ぶものの、いざ実習で企業相手に「戦略」の提案をするとなるとそれこそ答えは無限大です。その無限大の中から診断実習で調査した内容と、班で議論した様々な分析を踏まえて企業の戦略を作る。
本当に知恵熱が出るくらい考えましたが、それもこの本で少しでも自分の中で戦略に対する解像度を上げられたからという事があります。
他の班員はどうやって戦略を考えたのか、結果だけでなくそこに至るプロセスももっと話したかったと今思います。

4.ファシリテーションの教科書―組織を活性化させるコミュニケーションとリーダーシップ 吉田素文著

製造業の戦略策定実習では班長を務めさせてもらったものの、正直なところ自分のファシリテーション力はまだまだだと思っています。製造業実習の時は副班長に本当に助けてもらいました。
先ほど4月は演習を行うと書きましたが、その演習も基本的には6人1グループの形で行われ、そのグループ内で班長や書記、発表者を決めて議論し、その内容を報告する形がほとんどです。
毎回班長どうする?の問いから始まり誰か一人が 生贄になる 班長として選出されるのですが、班長の仕事がこのファシリテーションです。(個人的には班長は最終的な議論をまとめる役で、他にファシリテーターがいてもいいとは思いますがほとんどは班長がファシリテーター兼任でした)
議論の時間は〇〇分、その後発表というケースなので時間配分、議論の進め方や方向性など考えることは様々です。
自分は演習で班長をほとんどやっていなかったという事もあり、実習の際にかなり苦労したので、これから参加される方は是非積極的に班長経験をしておくと実習の際に少しは進めやすいのかなと思います。(演習と実習だと性質も班長の役割も結構違うのですが、実習の大部分は班員での議論なのでそういった意味でも演習のグループで議論の進め方を身に着けておくのは大事です)
この本は読んだものの、演習の残りが少ない時期に読んでしまい演習で実践する機会がないまま実習に突入したという苦い記憶を呼び起こしてくれる本ですが、卒業後に仕事で会議の進行を行うことが多いので役立っております。

5.ロジカル・シンキング  照屋 華子 , 岡田 恵子 共著

これは上のファシリテーションと合わせて読みました。演習の冒頭(ガイダンスだったかも)でロジカルシンキングについては学びますが、これも自分の中で腹落ちしていないとなかなか実践が難しいなと感じています。
個人的に養成課程での最大の収穫は思考プロセスを自分の中に叩き込めたことだと思っているので、定期的に読み返しています。
ロジカルだけでなくラテラルやクリティカルも踏まえた思考法を自由に使いこなしたいところです。


まとめ

読書メモを見るとまだまだ読んでいた本はありますが、部分的に読んでいたりそもそもメモが不完全でそこから何を学んだかが自分でもわからない本があるので、再度整理出来たら第2弾を書くかもしれません。

入学して言われると思いますが、養成課程中は失敗しても良い期間なので、どんどんチャレンジして失敗したことから学ぶことで実際の現場で活かす力にすることが出来ます。自分が学んだことを演習や実習でもっと積極的に試すことが出来ていたらとこの文章を書きながら後悔しています。
せっかくの機会を是非有効活用して有意義な養成課程生活をお送りください!

最後に

最後に記事のご紹介です。第41期中小企業診断士の養成課程同期が養成課程について記事を執筆していましたので是非ご覧ください。
執筆者は最後の実習で班長をつとめた人で自分も大変お世話になりました。

サムネイル写真は終講式の自分たちのクラスの集合写真です。がっつり自分も写っています(笑)
今見返してもみんないい笑顔だなという気持ちと、この終講式を迎えた日の充実感はしっかりと残っています。
費用面や時間、地理上の都合もあるかと思いますが、養成課程へ参加することにより得られた経験は自分の人生において本当に特別なものだったので、是非中小企業診断士を目指している方の選択肢の1つに入れていただきたいと思います。(他機関で実施している登録養成課程も含む)


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