【ss】嘘つきの独り言
「大丈夫だって。いつでも頼ってよ。
俺とお前の仲じゃん、気にしないで何でも相談してくれていいから。なっ?」
ついさっきの俺の言葉。
また心にもない嘘を並べてしまった。
本当は友達なんて思った事ない。
好きなんだよ、ずっと。
お前を悩ませてばっかりのムカつく野郎と付き合い始めるずっとずっと前から。
……気付くはずないよな。
嘘ばっかりついて、うまく誤魔化して、
お前との関係が壊れないように、でもどの異性より親しい友人のポジション守ってきたんだから。
今だって相談に乗ってる振りして、うまく別れる方向に誘導できないかな…って、そんなことばっかり考えてるんだよ。
本音を知られてしまったら嫌われるかもしれないし、軽蔑すらされるかもしれない。
それでも…
きっとお前に会ったら、また俺は優しい友人の仮面を被って微笑むんだ。
「あんまり我慢しすぎるのも良くないんじゃない?無理する恋愛ってなんか嫌じゃん。
ありのままのお前を受け止めてくれる奴と付き合うべきだと思うけどね」
「だから一度思ってること彼氏に全部話してみれば?案外サクッと解決するかもよ?」
誰よりも解決なんて望んでないのは他でもない俺なんだけど。
………早く別れちまえ。
そんで気付けよ。
誰がお前を一番想ってるのか。
絶対幸せにしてやるからさ、
早く俺の彼女になれよ、バカ。
*end*
(優しい友人としての嘘なら躊躇なく出てくるのに、本音になると声にならないもんだな…)
お読み頂きありがとうございました。
ここから先は
0字
¥ 100
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?