空虚


いつか終わりがくることは
始まった時から予感してた
最初からどこか歪な僕らは
お世辞にもお似合いとは呼べなくて
お互いが抱えていた寂しさを
無造作に寄せ合ったみたく不安定

それでも少しずつ
君を知って 理解して
たくさんの時間を共有したから

少しずつ君が
離れていこうとしていることも
分かっていたんだよ

だけどこの声は震えるばかりで
言葉になんて何一つ出来ずに
離れていく君の手を
掴むことすらしなかった

おかしいね
こんなにも大切に思ってるのに
愛情の一方通行は
ただの迷惑にしかならないなんて

向き合うことを怖がって
手を伸ばすことを躊躇って
そうしているうちに
僕ら こんなにも遠く離れて
もう 戻れない

失ってから気付いても
取り戻せないものがある
思い出だけで生きていけるほど
僕らは強くないのに…


*end*



(もう一度だけでも会いたい。)
お読み頂きありがとうございました。

ここから先は

0字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?