過ぎ去りし夏
線香花火がぽとりと落ちるように
きらめいていた灯りが消えた
昨日までは毎日のように
一緒にいたのに
何がそうさせるのか
思春期の迷宮は入り組んで
その笑顔がとても遠くに感じる
本当は隣に居ても
何も違和感のない二人なのに
ひやかされたりするのが嫌で
なんとなく距離をとってしまった
夏の終わりは寂しいね
ガヤガヤと響いてた声が
夜が更ける度に消えていく
祭りのあとみたい
僕たちは夏の真ん中を
キラキラと眩しい笑顔で
はしゃぎ回り 駆け抜けた日々を
確かに過ごしてたのに…
浮かれていた季節は過ぎ
日暮れが少し早くなって
聞こえてくる虫の声も変わるのに
僕の気持ちだけは変わらない
君と過ごした
あの夏のまま…
*end*
(もう少しだけ。
……夏よ、行かないで)
お読み頂きありがとうございました。
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