09年3月1日 篠山ABCマラソンDNF
15回目のフルは初めての篠山ABC!45歳が不安を抱えながらスタートしたがやっぱりNG。わずか6.5kmでリタイアした。SUB4生涯勝敗は4勝11敗となる。
「ピキッ!」と左脚脹脛(フクラハギ)に電流が走った!
「キターッ!」・・・・・
って古いな。
正確な感覚は「ゲッ、脹脛かよ!こりゃだめだ。もう1回きたら脚が壊れる。リタイヤしよう!」というもので、瞬時に判断。後続ランナーに気をつけて路肩に出て、迷わずくるっと後ろを振り返り、ゆっくりとスタート地点へ戻りはじめた。
篠山フル、スタートからわずか6.5km地点でのことであった。
歩道の端を歩いて戻るのだが、参加者12,000人の大群はすごい。私は中位以上にはいたであろうから実に6,000人超とすれ違った。2車線の道路からランナーは溢れ、歩道を走る者も多い。そこを逆行するのだからランナーには迷惑な私であろう。そうは言っても止むを得ない。
今日の予報は最高気温が13℃。グレーのランシャツで臨んだのだが、まだ午前中で気温も上がりきってはいないし、歩き出すと寒い。「戻るのにどの位の時間がかかるのだろう・・・」と不安を感じながら進む。
突然背後から女性の声がかかる。「失礼ですが、リタイヤされてスタートまで戻られるんですか?」だと。「このオバサン、俺をおちょくってんのか?」と怪訝な顔をしたはずだが、口では「はい、そうですが・・」と応じる。オバサン曰く「申し訳ないのですが、私もリタイヤしますので、ご一緒していいですか?」だと。これってナンパじゃないか?ただし、ナンパなら「アナタは好みではない」と示すところであるが、このTPOでそれは許されないだろう。「そうですか~、ご一緒しましょう」と言ったのかどうだったのか・・・正確な回答は記憶に無いが、いずれにしても一緒に歩き出した。オバサンも左脚の大腿とのこと。曰く「いつ戻ろうかと思っていたのですが帰り道で迷うのも嫌だったので・・・・」と私をナンパしたらしい。オバサンの目標もSUB4とのことでレベルは似たようなもん。去年の東京、福知山では共に走っていることが判明。どこかですれちがっていたことだろう。後からゼッケン№で調べたら○○さん、42歳。「オバサン」と言っているが年下だったよ。後続のランナーからみたら我々はカップルのように見えたに違いない。
しかし、最後尾の方になるとランナーもひどいな。この大会の制限時間はキツめの5時間。5kmの段階で、明らかに関門に間に合わないペースで進む奴も多い。最近のマラソンブームの負の部分だな。
最後尾ランナーの後ろに回収バスが走っていた。バスの運ちゃんに「乗っていきますか?」と誘われたが、最後尾ランナーに付けていて、関門を2つ回るとのことだから大層時間がかかるはず。お礼を述べつつ「歩いて帰ります」お断りした。
2kmも歩いていないかな?会場の「篠山城址公園まで1.1km」の看板が見えた。「あ~、あと少し。思ったより近くて助かりましたね」とオバサンと会話。凍える前にたどり着いた。
男子更衣室にあてられた田園ホールの前で「また機会があれば会いましょう。どこかの大会のゴールでね!」といって爽やかに別れた。オバサンが綺麗な人なら「このあと暇でしょうから飲みに行きましょうか!」と誘っていたかもな!!
走ったのが38分、戻りの歩きも38分。同じ数字に意味はない。
10:50スタートで、着替え終わったのが12:30頃だったか。陸連登録者は10:40スタートだからトップは13:00頃ゴールのはず。「トップのゴールでも見てみるか!」とゴールに向かう。ゴールエリアでシシ汁(猪汁)が振舞われていた。食べられるのは選手だけらしいのでゼッケンを見せていただく。うまい!!今日一番の収穫かもしれない。で、ゴール脇を陣取る。13:00をちょっと回ってトップが飛び込んできた。圧倒的大差でテープを切った。「こんな風に風を切って走れたら気持ちいいだろうな~」と感心していたら水を差す出来事が・・・・・トップランナーのゴール後に、係員が慌てて小旗を観衆に配り始めた。あきらかに段取りミスだな。
10位くらいまでは見ていたが他人のゴールはたいして面白いものでもない。ズキズキと痛み始めた足を引きずって城跡を見に行った。今年は篠山城築城400周年とのこと。とは言っても天守閣なんて残っていないので大きな平らな土地に区画図が示されているだけ。記念館も一応あったが拝観料400円を払う価値がなさそうなのでスルー。もう会場ですることはない。ゆっくりマラソンバス(大阪行)乗り場に向かった。
やっぱり痛いな~。ビッコ引き引き進むとお笑いコンビのかつみ・さゆりがいた。今日の開会式でも愛嬌を振りまいていた。行き過ぎてから「そうだ!写メを撮ってもろおう」と思ったがソソクサと消えちまった。一瞬出遅れた!
土産物屋を冷やかすが、「土産を勤務先に持っていったら当然『どうでした?』って聞かれるよな~。やめた!」と失礼することに。
前方から、18.2kmの関門で引っかかったランナーが歩いてくる。明らかにファンラン・ランナーだが「考えたらアイツラより今日の俺は走ってないんだな~」と虚しくなる。ま、しょうがない。
バス乗り場に着いたのは13:40位だったかな。やっぱりまだバスが出る雰囲気ではない。係員に「何時に出ますか?」と聞くと「15:30ですね。それまでお土産でも見ていてください」だと。「土産は断念したんだよ!」と怒鳴りたいところであるが、ここもそんなTPOではない。
結局ちょっと戻って安そうな食堂へ。ビールに焼きそば!NHKでびわ湖マラソンの中継をやっていたのでいい時間つぶしになった。熱燗追加で1時間粘ったな!
15:00前に乗り場横の市民センターでトイレを借りると、もうバスに乗客が入っている。乗り込むと15:10に出てくれた。大阪までは1時間弱。
「帰りの特急は天王寺発20:20だよ。早特切符だから時間変えられないんだよな~」。一人でさらに4時間呑み続ける自信はない。「天王寺まで行ってサウナを探すか」と環状線に乗る。京橋に電車が滑り込む際、淀川フルの帰りにここのサウナに行ったことを思い出し「天王寺で近くにサウナが見つかるかわからんし、京橋なら駅前にサウナがあって飲み屋も安い!」と判断し、急遽飛び降りた。
で、サウナ(90分コース1,300円也)に入り、串カツ屋さんでビールに焼酎2杯で2,500円、まだ時間があるので歓楽街をふらふら冷やかし、ラーメンを食す。「亀王」というラーメン屋はなかなかうまかった。時間つぶしで止むを得ないとはいえ、朝から牛丼、走る前にオニギリ2個、昼に焼きそば、夕方に串カツ9本、締めにラーメン・・・5食も食っちまった!ヤケ食いだな。
今日の総括。2度目のリタイヤは賢明な判断だっただろう。大腿裏の、いわゆるハムストリングが痛かったのだが、脹脛が爆発するとは思わなかった。無意識にかばっていたのだろうか。至極残念であるが、悔いはない。
来週は京都ハーフだが、これも無理だろうな。京都の市街地を走る人気のレースで今年が最後の大会。一応出場はしたいのだが・・・・
では前回から今日までの振り返り。
2月8日(日)の市民駅伝でゼーッゼーッ言いながら2.65kmを走った翌々日、市内で一番大きな病院へ赴く。誰かの見舞いではない。自ら受診するために内科を訪れたもの。今年に入ってから気になっていた左胸の痛み。場所が場所だけにもっと早く受診したかったのだが・・・特に駅伝で2.65kmの短距離(?)を疾走(?)する前には!
レントゲン、血圧、平常時心電図、運動負荷時心電図、心エコー・・・・最後に院長先生の診断。それなりに緊張して先生と正対する。「う~ん、心臓には全く問題ないですわ。生活習慣病も健診数値がその程度なら問題ないでしょう。でも痛みますかぁ・・・お酒がお好きなようでっから、消化器系かもしれまへんなぁ。人間の体は不思議なもんで、患部と別のとこが痛むこともあるんですわ。現段階ではどこが悪いかわかりまへんので、申し訳ないけど様子を見ましょう。今日は病院だけ儲けさせてもらった感じですわ。」とのこと。柔らかな関西弁で言われたので、なんとなく朗らかな気分になってしまった。勿論、心臓に問題がないことがわかったからほっとしたので、そう感じたのだろうが・・・。ちなみにキッツイ関西弁は大嫌いだ。
安心して、翌11(水)の建国記念日には登山マラソン20kmを行う。6kmで600m登る。急坂では心臓も肺もうなる。心臓の不安が払拭されたので安心してフル回転させる。
さらに3日後のバカ陽気の土曜日には、ランシャツ・ランパンと2月とは思えない格好で同じく登山マラソン20km。なかなか快調である。今にして思えは登山マラソンを中2日でやったのが足に負担をかけすぎたのかもしれない。
翌15(日)、東京では青梅マラソンが開催される日、青梅の連続エントリーは16年で途絶え、今年は取引先との旅行。観光バスで28名の団体旅行は、加賀和倉温泉に宿泊。有名な加賀屋はなるほどこんなもんか。翌朝の能登半島・輪島の朝市は横殴りの雪だった。帰り道、サービスエリアに停まるごとに目の痛みが強まるのがわかった。北国では飛んでいない花粉が南に進むにつれ大量飛散ということ。今年の花粉症は目だけだな。ま、この旅行自体は可もなく不可もなく。これ以上ここに記載するほどの内容はない。
15(日)の旅行の代休を20(金)に取得。7:00起床。天気予報は雨だったし、午前中から予定もあったから走るつもりはなかった。でも雨は降ってない。「よし、8kmだけ走るか!」と飛び出した。今にもまた降出しそうだし、市の防災無線が「波浪警報が発令されました」とかがなっている。気がせいて普段より早めのペースで進む。快調に進み「今日走れてよかったな~」とか思っていたら6km過ぎたあたりで左脚が痛む。最初は大腿裏(ハムスト)。スピードを落として帰宅したが、最後は左脚全体が痛む。「体が温まる前に飛ばしちゃったからだろう」と思っていたのだが・・・・
「休養が一番」と走らずに過ごす。自宅で過ごした金・土・日、単身赴任先に戻った月・火と静養。それでも痛みは引かない。遅ればせながら火・水・木・金と湿布を貼付する。金曜になってやっと痛みは引いた。
レース前日土曜日は午前中に洗濯機を回し、床屋さんに行って、朝はカレー、昼はスパゲッティを大盛りでいただく。カーボローディングはこれでいいだろう。
午後から梅田のホテルに向かう。通常、フルの前夜は禁酒するのだが、今回は足が不安。「これじゃあベストは狙えないな」と気落ちして、酒を飲むことにする。一口餃子店で満腹セットに生ビール3杯、締めにとろろ飯に味噌汁。たいへんおいしくいただいた。アルコールが物足りないとはいえ、さすがに日本酒は我慢して缶焼酎を1本だけホテルで空けて21:00過ぎに就寝。
当日は4:00に目が覚めた。牛丼を食して6:00にバス乗り場に赴きマラソンバスは6:30出発。篠山ICでは渋滞していたが、自分の運転ではないので気は楽。8:00には着いた。会場の篠山城公園まで徒歩10分ほどかな。
更衣室で時間をつぶし、開会式の有森、市橋の応援メッセージを聞いて、スタートラインに並んだのが10:10位。10:40の登録の部スタートを見送り、10:50にスタート。大規模レースの割にはスタート位置はAブロックと恵まれ、号砲から1’08でスタートラインを通過。回りもそんなに遅くない。一応目標はSUB4!
最初の1kmは丁度6’00くらい。ただ走り出した直後から左脚大腿裏にず~んとした重い痛みを感じ出している。スタート前にプログラムを見て「18km過ぎにスタート近くを通過する。脚が痛むのならここで帰ってこよう」とは考えていた。
2km地点を11’51で通過。あとはマイペースの5’40程度で進む。今日はいい天気で微風。この時点で気温は10℃くらいかな。陽射しが強いのでグレーのランシャツとした。
徐々に脚の痛みが広がってくる。ペースは落ちていないものの、抜かれる一方。5kmを28’48で通過。「あれ?あの人、知り合いじゃないか?」。似たような人が抜いていったのでちょっと追いかける。追いついてゼッケンの名前を凝視したら全くの別人だった。これも余計な負荷だったかな。
走りながらも楽しくない。「この脚で完走は命取りだ。18kmでリタイヤだな」などと思っていたら「ピキッ!」!!!!
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最後の総括・・・。
6.5kmDNFでは総括のしようもない。年下の女性にナンパされたのが良い思い出になった。
21年4月、note掲載にあたって、改めて振返ってみれば、フルを走ってから4週間後のフルって無茶なのかもね。
以上
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