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どくあおむしの敵

 どくあおむしが苦手なもの。自分の思い通りに動かそうとしてくるやつ。何かにつけて文句ばっかり言うが具体的な行動はしない口だけのやつ。何でもかんでも否定してくるやつ。根掘り葉掘り探ろうとするやつ。人が嫌がってるのにやめないやつ。勝ち負けに拘り競ってくるやつ。全部人のせいにするやつ。自分の悪いところを認めず反省も改善もしないやつ。自分の都合のいいように記憶を改竄するやつ。異常に空気が読めないやつ。思いやりがないやつ。

 この全て、どくあおむしの父親のことだ。

 ここではクソジジイと言うことにする。

 クソジジイは自分の思い通りにならないといけない。どくあおむしがメンタルをやられて引きこもっても助けてはくれなかった。こっちのことはお構い無しで自分の理想しか押し付けない。「病気なのは根性がないからだ」「鬱なんて気持ち悪い」「全部お前が悪い」「死ね」平気でどくあおむしを追い詰める。クソジジイはいい学歴でいい企業でいい給料もらっている子供しかいらない、自分に都合の悪い子は消す。何か買って来ても母あおむしとクソジジイの二人分。人に話す時も妻と二人で住んでると嘘をつく。自分の見栄体裁世間体が優先だ。

 クソジジイは何かにつけて文句ばっかり言って否定するが具体的な行動はしない。家で人の文句や悪口を言うクレーマーだがチキンだから直接は言わない。嫌なことは家族や周りに丸投げする卑怯者だ。クソジジイが口出すことじゃない他所の家のことにまで自分の価値観を押し付けて批判する。「お前が言うな」ということも平気で言う。自分を棚に上げる技術だけはすごい(下げる技術がないのだけど)。

 クソジジイは「何してた?誰に会ってた?何て人だ?どこの人だ?何してる人だ?」等々詮索がストーカーばりにしつこい。お前に関係ないじゃんってことも根掘り葉掘り探ろうとする。勝手に部屋を探ったり、会話や電話を盗み聞きしたり。知りたいという欲求に火が着くと執着心がすごい。実はどくあおむしは今働いている場所もクソジジイに隠している。探りに来ると分かっているからだ。

 クソジジイは人が嫌だからやめろと言うことが分からない。職場を探ろうとするのもしかり、構わなくていいと言っていることでも手を出す。やらなくていい、勝手にやるな、一体何度言ってきたことか。しかしその日本語が通じない。

 クソジジイは勝ち負けに拘り競ってくる。人を上か下かでしか見ないからだ。周りが褒められると負けた気がするのか必死に競ってくる。どくあおむしが絵を描いて褒められれば絵を描き、料理を作っておいしいと褒められれば次の日同じものを作る。そして自分がやったこと、作ったことだけが素晴らしい、褒めろ褒めろとしつこい。そして周りを見下しマウントをとってくる。「あいつは勉強ができなかった」「あいつは仕事ができなかった」何度聞いたか。ありとあらゆることで周りを貶めてまでマウントを取らないと保てないしょうもないプライド。クソジジイはその見下してきた人達に人間性では惨敗している。

 クソジジイは全部人のせいにする。確実にクソジジイが悪いことでも謎の論理を振りかざし全部人が悪いに持っていく。クソジジイに趣味や楽しみがないのも、どくあおむしのせいになる。クソジジイが病院行きたくないだけなのに、病院行かないのもどくあおむしのせいになる。クソジジイが兄あおむしに嫌われてることも、何故かどくあおむしのせいになる。クソジジイが字を間違えてることを指摘したら、とんでも理論でどくあおむしのせいになる。間違いや問題の図星を突くと「自分は悪くない」という自己擁護に必死になる。間違えても悪くても絶対に謝らない。こうなると聞き耳持たない(まあ元々持ってないけど)。間違いや失敗を認めたら死ぬのかこいつは。

 クソジジイは自分の悪いところを認めないから反省も改善もしない。自分は正しいと思っている。何かで読んだ「自分が正しいと思ってる人は成長が止まる」。周辺の全てが自分を称賛する人ばかりではない。しかし自分のために問題や間違いを指摘してくれる人との関係を片っ端から切っていく。そして改善の余地無くどんどん独り善がり、自己中、わがままになっていく。まあある意味成長しているが(悪い方へ)。その結果友達もなく、付き合いも長続きせず、どんどん孤立していっている。「別に人付き合いせんでもいい。一人がいい」ただ単に協調性がないだけだし、周りに合わせる努力をしないだけだ。そして「一人がいい」と言いつつかまってちゃんだから本当にめんどくさい。

 クソジジイは自分の都合のいいように記憶を改竄する。自分は素晴らしい人間で、子供もかわいがったし、孫もかわいがってるし、友達もいるし、仕事も出来るし。いや、どくあおむしはかわいがってもらった記憶はない。兄あおむしもクソジジイを好きだった時期がないし、今も兄嫁あおむしの実家がある県外の方に住んでいて帰って来ない。どくあおむしや母あおむしはちょいちょい孫(甥っ子)にお菓子やおもちゃを送ったりしているが、クソジジイはたった数百円の送料が高いと何もしない。孫の七五三のお祝い出すのもごねるくらいケチだ。それで孫をかわいがっているとか妄想も大概にしろ。そりゃ孫が懐くわけもない。同級生や親戚に親しい体で近付くがそもそも親しくない。記憶改竄も大概にしろ。利益を出すという仕事は出来たのかもしれないが、長期休暇でも仕事出たり、先走って仕事したり、部下を育てることもしない。一緒に働いていた人はさぞ大変だっただろうと思う。そして定年退職して5年。いまだ仕事のプライドに執着して家庭内管理職。レシートをいちいちチェックして家計管理。エクセルで表ばっかり作っている。常に上から目線で経済を語っている。家は職場じゃない。仕事のプライドと執着心と記憶はエクセルのデータと共にさっさと捨ててくれ。

 クソジジイは異常に空気が読めない。母あおむしの友達が来ても自分の友達かのようにずっと居座って喋る。話が面白くないのに場の空気が読めないからずっと喋っている。自分の話をずっとしているし、ここでも上から目線や詮索のしつこさが出るので段々と人から避けられるようになり、クソジジイが家にいると人がほとんど来なくなった。

 クソジジイは思いやりがない。人を労る気持ちがない。協調性がない。深夜だろうが周りがしんどい時だろうがお構い無しだ。歩く音はうるさいし、ドアや戸も静かに閉めない。なぜか深夜に家の外を徘徊したり。生活音のでかさはかなりストレスになる。

 クソジジイは感謝しない。してもらっても「ありがとう」は言わない。それなのに人には強要するし、何かすれば「してやったのに」。感謝もしなければ謝罪もしない。どくあおむしは今まで「ありがとう」「ごめん」「すまんかった」等クソジジイから言われたことがない。


 ある時、同じような親を持つ人に出会った。その人の話から今までどくあおむしはクソジジイの軸で生きていたことを知った。その人のお陰で生きるのが苦しかった理由が分かって、自分の軸で生きる努力をしたらちょっとずつ楽になっていった。

 世の中にはどうしようもない親がいる。子を苦しめてくる親。どくあおむしは親に対して様々な負の感情を抱いても罪悪感を持つのをやめた。我が子にそう思わせるのは親の問題。背負わなくていいものを背負うと辛くなる。親だろうが捨ててもいいんだ。物理的に無理でも軸を捨てる。だからどくあおむしはクソジジイに対してよく思う。

「こいつ早く死ねばいいのに」

と。

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どくあおむし
ありがとうどくあおむし!