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「ボロボロの奥歯」の謎

わたしのウィークポイントは、歯である。

子どもの頃から、「定期検診に通うたびに新しい問題(虫歯など)が見つかり治療する」を繰り返す人生だった。歯医者にきちんと通ってきたのに、特に奥歯がボロボロで、被せ物だらけだ。
他にも、噛み締めがひどくてマウスピースを作ったり、親知らずを4本抜いたりした。

歯磨きをサボっていたわけではない。むしろかなり力を入れていた。
フロスやタフトブラシを併用し、高濃度のフッ素が配合されている歯磨き粉を使ってきた。
それなのに、奥歯がボロボロである。このことは、我ながら長年の疑問であった。いろいろな歯医者を渡り歩いてみたが、被せ物が増えるだけだった。

数年前のある日、自治体の無料歯科検診のお知らせを受け取った。
これを機に、かかりつけでない歯医者で診てもらうことにした。当時のかかりつけ医を信じきれていないところがあったし、別の歯医者で診てもらったら、歯の健康について新しいアドバイス等がもらえるのではないかと期待したからだ。
そこで、口コミで評判が高い近所の歯医者を見つけ、検診を受けてみた。その結果言われたのが、

「早めに歯列矯正したほうがいいですね」だった。

検診の結果、わたしの歯並びは「開咬かいこう」といって、前歯が噛み合っていないことがわかった。前歯で噛めないのを奥歯がカバーしているので、奥歯への負担がかなりかかっているそうだ。
矯正をしなければ、「8020」(80歳になっても20本以上自分の歯を保つ)は100%見込めないとのことだった。

今まで一度も歯列矯正を勧められたことがなかったので、驚くと同時に、わたしの長年の謎が、ついに解けた。

そりゃ奥歯がボロボロになるわけだ。噛み締めだって健康な歯並びの人よりも強い力で噛み締めているわけだから、そりゃ痛いよな。
親知らずのことはよくわからないけど、親知らずも奥歯だから、何かしら関係しているだろうな。
前歯が噛み合っていないことは確かに自覚していた。肉や麺類を食べるとき、前歯で噛みきれないことを不便に思っていた。でもそれは、そういうもので、治療が必要だとは思っていなかった。今までかかった歯医者で誰も言ってくれなかったから。
それどころか、自分の歯並びは良いとさえ思っていた。ガチャガチャに並んでいるわけではないし、歯並びについて、歯科医にも周囲の人にも一度も何か言われたことがなかったから。

あのとき、歯医者を変えてみて、本当によかったと思う。ちなみに、そのときの歯科医が、今ではかかりつけ医になった。

その後、別の虫歯治療や根幹治療などを経て、ようやく昨年から歯列矯正を開始した。紹介状を書いてもらい、とある大学病院に通院している(歯列矯正以外の歯に関することは、かかりつけ医に診てもらっている)。
矯正装置は邪魔だし、通院もかなり念入りな歯磨きも面倒だけど、健康のための投資だと思ってがんばっている。労力もお金もかかるし、歯列矯正の必要がない人を羨ましいとは思うが、人生経験としてポジティヴに考えるようにしている。他人は関係ない、すべては自分の健康のため。

「ボロボロの奥歯」がこれから元に戻ることはないが、これ以上ボロボロにしないために守っていくことはできる。今はとにかく治療をがんばりたい。

おわり

注:ヘッダーの写真は、旅先で見つけて「かわいい!」と思って撮ったものです。本文の内容とこちらの歯医者は関係ありません。

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