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『やってはいけない資産運用』:金融機関に振り回されないための資産防衛術

高齢化社会を迎える日本において、定年後の資産運用や防衛がますます重要になっています。そんな中で登場したのが、『やってはいけない資産運用 金融機関のカモにならない60歳からの資産防衛術』という一冊。この本は、金融機関の営業トークや広告に惑わされず、資産を守るための具体的な方法を教えてくれる指南書です。


金融機関の「カモ」にならないために

著者が最初に強調しているのは、「金融機関が提案する商品は、必ずしも顧客にとって最適とは限らない」という点。金融機関は利益を追求する組織であり、その提案の多くが自社の利益を最優先に設計されています。本書では、そうした背景を理解したうえで、賢く資産を守るための心構えや具体的な行動が提案されています。


本書から学んだ重要なポイント

1. 複雑な金融商品には注意を払う

金融商品が複雑であればあるほど、リスクや手数料が隠されている可能性が高いと指摘されています。例えば、仕組債や高リスク型の投資信託など、一見して魅力的なリターンが提示されていても、その裏には「金融機関が儲かる仕組み」が潜んでいる場合があるのです。

2. 定期預金感覚で投資信託を買ってはいけない

「元本保証がない投資信託を定期預金感覚で購入する」のはNG。年配の方に多いこの誤解について、著者は具体的なリスクを挙げながら警鐘を鳴らしています。

3. 過去の実績に惑わされない

「過去の利回りが高いから安全」という考え方は危険です。金融市場は常に変動しており、過去の成功が未来の保証になるわけではありません。著者は、将来の予測ではなく、商品の構造やリスクを冷静に分析することの重要性を説いています。

4. 金融リテラシーを高める

金融知識がないと、営業トークや広告に惑わされてしまいがち。本書では、必要最低限の金融リテラシーを身につけるための参考情報や勉強法が紹介されています。


「やってはいけない」資産運用の具体例

本書では、「やってはいけない資産運用」の具体例が多く挙げられています。以下はその一部です:

  • 手数料が高すぎる商品を選ぶ
    特に年率2%を超える手数料は長期的に見て資産を大幅に削るリスクがあります。

  • 保険型の投資商品を購入する
    投資と保険を組み合わせた商品は複雑で、本当に必要な保障やリターンが得られるか疑問視されています。

  • 「とりあえず」で購入する
    「何かしなきゃ」という焦りから、よく調べずに購入した商品が後で損失を招くケースも多いとのことです。


高齢者にとっての「安全な資産運用」とは?

本書で推奨されているのは、リスクを最小限に抑えたシンプルな資産運用です。以下はその具体的な例:

  • インデックスファンド
    手数料が低く、分散投資が可能。短期の売買ではなく、長期保有を前提にすることで、リスクを抑えつつ資産を育てる。

  • 現金比率を高める
    高齢者の場合、資産の一部を現金で保持し、生活費や緊急時に備えることが重要。

  • 賢く節約する
    「運用で増やす」だけでなく、「無駄な支出を減らす」ことも大切だと強調されています。


誰におすすめか?

この本は、60歳以上の方だけでなく、これから定年を迎える人や家族の資産運用をサポートする立場の人にも非常に有益です。また、金融商品を購入する際に少しでも不安を感じたことがあるすべての人に読んでほしい内容です。


感想:知識こそ最強の防衛手段

本書を読んで強く感じたのは、金融知識を持つことの重要性です。金融機関や市場の仕組みを理解することで、リスクを避け、自分に合った選択ができるようになります。また、著者の具体例や実践的なアドバイスは非常に参考になり、「自分も騙されていないか?」と考え直すきっかけを与えてくれました。


まとめ

『やってはいけない資産運用』は、資産運用初心者や金融商品に不安を感じる方にとって必読の一冊です。特に高齢者に向けた内容が中心ですが、若い世代にも通じる重要な教訓が詰まっています。資産を守り、増やすために必要な「知識」と「行動」をこの本から学び、自分自身の資産をしっかりと守り抜きましょう。


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