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【2022年に映画館で観た映画】
2021年に映画館に行った回数がたったの12回、と嘆いていましたが、2022年に映画館に行った回数を振り返るとさらに減り、なんとたったの9回でした…。内、トップガンマーヴェリックは2回行ったので、新作を劇場に観に行った本数は8本です。遂にひとケタになってしまいました。それだけ観たい新作映画が減りつつあります。
そんな訳で、もはやランキングをつける必要もないかもしれませんが、あえて2022年のベスト3を挙げるとすれば、
第1位『ガンパウダー・ミルクシェイク』
第2位『トップガン・マーヴェリック』
第3位『ゴヤの名画と優しい泥棒』
です。
それでは、2022年1月から鑑賞順に、
①『クライ・マッチョ』★★★★
一本目はクリント・イーストウッド90歳の主演作でした。彼は『パーフェクト・ワールド』や『グラン・トリノ』でも描いているように、少年とオジさんの友情、というテーマが好きなのです。男らしさとはどういうことか、本当の優しさとは何か、次の世代に伝えたい、そんなことをしっとりと教えてくれる作品でした。
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この現場でも、この少年を優しく応援してたんでしょうね。そんな優しさが伝わる映画です。
②『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』★★★
ウェス・アンダーソン大好きです。かわいくて、お洒落で、音楽のセンスも良くて。『ファンタスティックMr.FOX』と『犬ヶ島』は今でも家で観返します。なのでかなり期待して行ったんですけど、実を言うとあんまり覚えてないです…。レア・セドゥのヌードが見られたのは眼福だったんですけど、あんまりいやらしくなく、あのシーン必要だったのかしら?とも思うし、全体的に観てる間は楽しいけど、心にはあんまり残りませんでした。彼にはやっぱりかわいい人形劇(ストップモーションアニメ)をまた撮って欲しいです。
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③『ウエスト・サイド・ストーリー』★★★
スピルバーグ印のウエストサイド物語、よかったです。今も世界中あらゆる所で戦争や紛争が絶えない世界で、この物語を伝えていく意義は十分にありますし、バーンスタインの祈りの音楽が若い人にも継がれていくのは大事なことでしょう。ただし、オリジナルの名作はやっぱり超えられません。家に帰ってすぐジョージ・チャキリス見直しました。名作って、リメイクしたり変に続編つくったりするより、リバイバル上映を定期的にしてくれたらな、と思います。
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彼が撮った一番の名シーンは、奥さん(ケイト・キャプショー)がエニシング・ゴーズを歌った『インディ・ジョーンズ / 魔宮の伝説』だと思います。
④『ゴヤの名画と優しい泥棒』★★★★
何気なく観に行った小作品ですが、とてもよかったです。イギリスのささやかな庶民の幸せのために奮闘するおじいちゃん。主演のジム・ブロードベントや妻役のヘレン・ミレンがふっとこぼすセリフもよく、後半の法廷劇はちょっぴり感動的で安心のハッピーエンド。上映時間が95分と短いのもいいです。こういうサラッと短めな佳作、昔はたくさんあったんですけどね…。
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⑤『ガンパウダー・ミルクシェイク』★★★★★★★★★★!
2022年のナンバーワン!最高でした。これを絶賛している映画ライター・評論家は全然いませんが、私はぶっちぎりでこの年の1位です。カッコイイ女たちが、悪い男どもをぶちのめす!それだけでいいのです。シンプル・イズ・ザ・ベスト。わかりやすい映画、大好きです。なにより主役の女の子が可愛くてカッコよくて魅力的、そして脇を固めるキャストもミシェル・ヨーやアンジェラ・バセット、マフィア役にポール・ジアマッティなど、なにげに豪華なのです。そしてまだ若いナヴォット・パプシャド監督は、黒澤、セルジオ・レオーネ、深作、タランティーノ、今敏が好きだそうで、アクションや色使いなどホントに娯楽映画が好きな監督なんだな、というのがよくわかります。ぜひ次回作も楽しいエンターテインメントを撮って欲しい、と思います。
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⑥『トップガン・マーヴェリック』★★★★★
トム・クルーズがいまだに全速力で走ってる姿を見せてくれる、オドロキですね。正直、近年の彼はミッションインポッシブルで信じられないスタントに挑戦し続けるアクションハイになってしまった男、という感じがしますし、実際この映画でも俳優陣に本物の飛行訓練をさせたり、リアルなアクションにこだわり続けています。しかしこの映画は、そんなアクションだけでなく、案外脚本も良いのです。ヴァル・キルマーのシーンなど感動的ですし、クライマックスはスターウォーズのデス・スター攻略戦そのもので、わかっててもドキドキする、娯楽映画の王道な展開がとてもよかったです。そんな訳で世間的には「トップガン・マーヴェリックの年だった」と言っていいでしょう。
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⑦『リコリス・ピザ』★★★
ポール・トーマス・アンダーソン監督も大好きで、これも期待して行ったのですが、正直あんまり印象に残ってません。玄人受けはとてもよかったようですが、私の中では『パンチドランク・ラブ』は超えてません。ちなみに彼が今作でこだわってるのは70年代への偏愛で、私が気付いたのはタイトルロゴのゴシック体と色が最初の「スターウォーズEP4(まだルーカスフィルムのロゴがゴージャスじゃなかった時)」と同じ黄緑色だったこと。それと、最初に出るMGMのロゴがキューブリックの「2001年宇宙の旅」の時のロゴと全く同じ(青無地にシンプルなライオンマーク)だったこと。こんな風に、彼はすごいオタク的に70年代への偏愛があって、それはどちらかというとアート寄りで、同じ年代へのオタク的偏愛で言えばタラちゃんの『ワンスアポンアタイム・イン・ハリウッド』の方がエンターテインメント寄りなので好きかな、と思った次第です。
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画作りがめちゃくちゃお洒落なんですよね。色使いとか。でもどちらもスカし過ぎてて
(アート志向が強くて)、ちょっと苦手です。大当たりの映画もあるんですけど。
⑧『トップガン・マーヴェリック』4DX Screen ★★★★
あまりに面白いので2回目。しかも4DX with ScreenX という、揺れるわ、光るわ、煙出るわ、横にも画面あるわ…というスクリーンを初体験。最高のドッグファイト体験ができる正にアトラクションでした。これ以上この形式にふさわしい映画はないでしょう。しかし、もし可能ならば、ぜひともスターウォーズ 旧6部作をここで上映してほしい、と思いました。
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人々を映画館に呼び戻したトム・クルーズの貢献度はめちゃくちゃ高いですね
⑨『アバター・ウェイ・オブ・ウォーター』★★
あまりに酷くて、ガッカリしました…。
『3』以降は、おそらく観に行かないでしょう…。
(理由は別記します)
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CGでバリバリ加工された映画本編よりも、
撮影の舞台裏の方がよっぽど面白いんじゃないかと思いました。
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そんな訳で、2022年はミシェル・ヨー姐さんが出ている『ガンパウダー・ミルクシェイク』が1位!だったわけですが、どうやら2023年もミシェル・ヨーの年?になりそうな気配なのです。(実際になりました。祝!アカデミー賞受賞!)
そんな2023年以降に観るべき期待作については、また次回。