♯3 不登校の子は学校に行くことが目標か
学校とは先生の力量は置いておき、とても素晴らしいところである。
子どもたちはできれば学校に行って、教室で学んだほうがよい。
家庭で一人でも学ぶことはできるが、やはり教室で他者と学ぶほうが得られるものは大きい。
しかし、多くの児童生徒にとって学びの多い場所も、子どもによっては不安な場所となっていることもある。
にぎやかな音が苦痛。大きな集団が苦手。制服が嫌だ。じっとしておかないといけないと言われても無理。指名される恐怖。など、人によって不安要素は様々だ。
子どもたちは個々違っており、特性も様々で、多様になっている。
一斉指導で学級をつくりつつ、特に支援の必要な子どもたちには、それぞれのニーズにあった支援を行うことが理想である。
とは言っても、正直なところ結構レベルは高い。
ただ、そのようなマインドをもって教育にあたる教師とそうでない教師とでは、やはり教育の質の差は大きいと感じる。
さて、不登校になり、学校に行けない(行かない)子どもたちにとっての目標は何なのだろうか。
他の多くの子と同じように学校に行くことだろうか。
また、学校には行っているけど、SSR(スペシャルサポートルーム)等の校内教育支援センターや保健室等の別室で過ごしている子どもにとっての目標は、自分の所属する教室に行くことだろうか。
先生たちの話を聞いていると、学校に来させるためにどうするか、教室に来させるためにどうするかといった話し合いをしていることがある。
残念なことに全くそういった話し合いをしない学校もあり、それに比べるとマシかもしれないが…。
令和元年10月25日付けの文科省の通知「不登校児童生徒への支援の在り方について」では、次のように書かれている。
学校へ行くことを目標にしたい子はそうすればよいが、一律に全員に対してそれのみを目標にするべきではない。
むしろ、後半のほうが大切である。
社会的自立に向けて支援していく中で、本人が学校で試してみたい、教室で試してみたいということであれば、全力でサポートしたい。
不登校の子に対して学校内で、どうすれば学校に来れるかという議論ではなく、社会的自立に向けてこの子にはどんな力が必要か、そのためにはどんな支援ができるかを考えていきたいものである。