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♯1 不登校は問題なのか
昨年10月末に、文科省から「令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」が報告された。
調査結果によると、全国の小中学校における不登校児童生徒数は34万人を超え、過去最多となっている。(11年連続増加)
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全国には、理由は様々であるが、苦しい思いをしている児童生徒がたくさんいることが分かる。
この数値は不登校児童生徒の数なので、不登校傾向の児童生徒も含めると何倍にもなると考えられる。
では、「不登校」は問題なのだろうか?
不登校等児童生徒を受け持つ担任の先生たちから聞く言葉の中には、次のようなものもある。
・学校にさえ来てくれれば、何とかなるのに。
・好きなことがあるときだけ登校して。
・甘えなのでは?
・嫌なことも頑張らないと。
担任の先生の気持ちもよく分かる。クラス全員に力を付けてやりたい。クラス全員そろって進級(卒業)させたい。
そして、家庭訪問に行くのは大変。配布物をまとめないと。修学旅行のグループ分けはどうしよう。
いろいろ悩んでいる。
しかし、先生たち大人から見て「困った児童生徒」ではなく、「困っている児童生徒」なのである。
先生たち大人から見て「問題のある児童生徒」ではなく、「問題を抱えている児童生徒」なのである。
「不登校」や「不登校児童生徒」が問題なのではない。
児童生徒が困っていること、抱えている問題に目を向けて、寄り添いながら支援をしていきたい。