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家での楽器の保管

 楽器を家のどこにどのように保管しているのか、他の家の様子を知りたいと私はよく思う。ほとんどの人はケースに入れたままだと思う。そのケースをどこに置いているかが気になる。私は自分の楽器ケースをどこに置けばいいのかいつも困っている。今までに4か所の家に住んだが、どの家でもこれといった場所が定まらず、結局は空いている床に置いてしまっている。

 弦楽器の場合、ケースに入れたままというのはあまりいいことではない。直射日光が当たらず、温度、湿度が安定しており、埃の少ない場所で風通しを良くしておくのがベストである。そして防犯のことも考えなければならない。色々と考えてしまうといい場所がなくなってしまうのである。玄関は外気の影響で温度が変わりやすいし、台所につながっている部屋は湿度が上がりやすいし、夏の2階は日光で暑くなるし、といった感じである。音を出して練習できる部屋に置いとくのがいいと思うが、音を気兼ねなく出せる部屋は残念ながら我が家にはない。

 楽器ケースを置く台というのもなかなかいいものがない。本棚に入れるには楽器ケースは大きすぎる。ケースを立てておけば省スペースになるが、倒れる心配があるので何かで固定しておかなければならなくなる。押し入れに押し込むにもサイズが微妙だし、我が家の押し入れは埃だらけである。そうなると、結局は空いている床に置いてしまうことになる。

 私の先生の家では、バイオリンとビオラは天井からぶら下げて保管してあった。天井にカーテンレールを2本並行に設置し、そこに紐を渡し、楽器をぶら下げるのである。楽器屋でもよくそのような保管がされている。紐で楽器をぶらさげるとなると地震がきた時に心配になるかもしれないが、東日本大震災を経験しても落ちたことはない。ただ、地震で楽器が揺れぶつかってしまうことがあり、東日本大震災の後しばらくは楽器ケースの中に入れていたようである。弓は何本も入る弓専用のケースに入れていた。カーテンレールはレッスン室のアップライトのピアノの上にあり、弓のケースはアップライトのピアノの上に置かれていた。

バイオリンとカーテンレール。後は吸音板。カーテンレール横のラインは照明用ダクトレール。



 チェロは大工さんに作ってもらったという木の箱に入れられていた。ネックの高さの所に楽器をひっかける窪みのついた板があり、底は楽器のカーブに合わせた台があった。楽器に接触する部分はフエルトで保護されていた。内側に弓をひっかける場所があった。

チェロの箱


 そして、グランドピアノの下が楽器の入ってないケースの置場であった。どこの家でもグランドピアノの上と下の空間の利用は工夫されていると思うが、先生の家ではケース置き場となっていた。あと、普段は使わない分数楽器のチェロもピアノの下に置かれていた。

 現在住んでいる家に、楽器用のカーテンレールを取り付けようか悩んでいる。取り付けたいとは思っても、どこの部屋のどの位置に取り付けるかいい案がない。長いこと悩んでいるが、結局はケースに入れっぱなしで適当な所に置いてしまっている。

 コントラバス奏者のお宅にお邪魔したことがないので、コントラバスを家でどのように保管しているか全くわからない。ケースに入れっぱなしだとしても、立てて置いてあるのか寝かせて置いてあるのか興味がある。簡易的には駒を部屋の角に向けて立てて置くという事をするが、長く置く場合でもそうなのだろうか。学生時代、学校楽器のコントラバスを持ち帰るとベットにコントラバスが寝て持ち主はソファーで寝ると、コントラバスパートの人が言っていたが、本当なのか冗談なのかわからない。私はコントラバスを借りて家に持ち帰ると、廊下が楽器置き場となってしまい、人は楽器と壁の隙間を通っていた。

 家では練習できないので、コロナで長い期間オケの練習がなかった時、ついに弓の毛が虫にやられてしまった。毛を虫にかじられるなんて恥ずかしい話である。1年ぶりくらいにケースを開けたら、半分くらいの毛が切られてしまっていた。毛の切れ方を見れば、何となく虫の仕業であることは推測がつく。一度ケースの中に虫が棲みついてしまうと、なかなかその虫を追い出すことはできない。楽器と弓を別々の場所で陰干しして、ケースを窓際で日光浴させて、の応急処置をした。弓の毛替えに楽器屋に行ったのだが、やはりコロナで長期休憩していた多くのお客さんが虫にやられてしまったらしい。人形用の防虫剤は売られているが、楽器用の防虫剤も誰か作ってくれないだろうか。それ以前に、練習すればいいだけかもしれない。


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