曲レビュー/倉沢淳美『プロフィール』
84年デビュー組では、菊池桃子と岡田有希子に続いて先陣を切っていた倉沢淳美のソロデビュー曲。【わらべの次女・かなえちゃん】のイメージから脱するために、まずは曲を通して倉沢淳美本人を知ってもらう!という大胆な作戦に出た本曲。
出だしで自らを『平凡な女の子』と紹介しているところで聴く者をグッと引き寄せます。
女優として一歩リードしてたのぞみ(高部知子)と、天然でオチ担当のたまみ(高橋真美)に挟まれたかなえは、確かに平凡という印象でした。
そこを、「実はこういう娘なんですよ〜」とぶち壊して歌っていく構成が上手いのなんの。
『呼び捨てで呼んで!私はあつみ!』と、かなえのイメージどころか、平凡イメージから脱するかの如く本当の自分をアピールする淳美ちゃん。
そこで彼女はこんな子だったのか…と気付かされます。
2番ではバストやら聴く歌詞で『エッチ!』と言ったりと、翌年のおニャン子クラブ登場の匂いを感じさせるところも。
こんな歌詞は当時新鮮だったのでは?
歌詞は、中森明菜の「少女A」を書いた売野雅勇さん。アイドルにイメージをつける歌詞はお手の物。
わらべからのソロデビューだけあって、どこか素人っぽさが残るアイドルで、おニャン子登場の前夜といえるアイドルだったかもしれません。
インパクトが功を奏してベストテン7位に輝いた佳曲です。
そこから見ても、時代は【素人っぽいアイドル】を欲してたのかもしれませんね。