見出し画像

「貯蓄から投資へ」は政治的スローガンであるということ

 皆の衆ご安心召されよ。日経平均株価が過去最大の-4451円(▼12.4%)となった5日から明けた本日は大幅反発間違いなしのようだ。とはいえ、終値まで勢いを持続する保証もない。「狼狽売りは禁物」とはいえ、今後の先行きは不透明である。個人投資家の皆様は非常にタフな自分との戦いを強いられるが、通にとってはそれが投資の醍醐味ともいえよう。年初来ノーポジションの私が申すのも甚だ失礼ながら、ご健闘を祈念する。

 さて、今年1月からスタートした新NISAは、「貯蓄から投資へ」を掲げる政府が切った最強のカードであったとも言える。このタイミングで強力に個人の投資を呼び込み、遮二無二株価の下支えを図るにはそれなりの意図があったのであろう。株価の上昇局面がこの7カ月間で終わりなのかどうかまだ見通せないが、それでも十分過ぎる期間だったように思う。

 もっとも、与党が中心となって投資を煽るのは、自己努力で資産形成を促すのが目的ではもちろんない。noteでHatenaブログの記事を貼るのは甚だ問題であるのは承知の上で、ここに紹介させていただく。note運営当局様のご海容をただただ願うばかりである。

 与党であれ野党であれ、政党は党利党略を追求する組織である。様々な価値観を掲げるのは、それによって有権者の支持を獲得し党勢を拡大せんがためなのだ。記事の主語が「自民党経済成長戦略本部」であるように、彼らは党勢の維持拡大と与党である地位の保全を目的に、「1億総株主」というスローガンを掲げたのである。新たに市場への参入を決意した個人投資家の幸福のためではない。この点は十分理解しておくべきだと思う。


いいなと思ったら応援しよう!