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ある風俗嬢たちのアバン

「ほんとにそう?うちらの消費期限なんて短いじゃん。何本しゃぶってもいうて月100万くらいじゃん。高級キャバとかじゃないしさ。」

「いや、でもさ。今が楽しいならそれでよくない?期限とか考えてたら気が滅入るじゃん。100万?それでもまあ生きてけるっしょ!てか、うちらならまだまだ全然いけるって!」

「別に無理して生きていたいわけじゃなくない?」

「それな~。生きてたいかどうかって別に大事じゃなくない?どうせいつか終わるんだし。だったらさ、楽しいことだけやって、好きなように生きてけばよくない?」

「だから、生きなくてもいいよねって話してんの。」

「まぁ、そういう考えもアリっちゃアリだよね。でもさ、生きてるうちにしか楽しめないこともあるじゃん?せっかくなら、その楽しみ尽くしてからでもよくない?」

「楽しいことなんて、もうわかんないよ。」

「そっか…。じゃあさ、無理して楽しいこと探さなくてよくない?なんかさ、ぼーっとしててもいいし、ちょっと美味しいもの食べてみるとか、寝たいだけ寝るとか。そういう小さいことでいいんじゃない?」

あんたはほんとポジティブだね。

「でしょ?だってさ、ネガっててもどうにもなんないじゃん!だったら、ちょっとでも軽い気分でいたほうが得じゃない?てか、ポジティブって言われるの、ちょっと嬉しいかも!」

「でも堕ちてるときはキツイわ。やっぱ無理。」

「わかるよ、それ。堕ちてるときってマジで全てがしんどいよね。なんかもう、呼吸してるだけでも疲れるって感じ。そういうときはさ、無理しなくていいんじゃない?何もしないで、そのままの自分でいればいいと思うよ。」

「じゃあ一緒に死んでくれる?」

「そんなこと言わないでよ…。死ぬのって簡単そうで、実はめっちゃ大変なんだよね。それよりさ、一緒に何か適当にやってみない?くだらないことでもいいから、なんかしようよ。」

「あんたに何がわかんのよ?死んだことあんの?試したの?そんで失敗してるならいえることだろうがよ。」

「うん、確かに。私には死んだことなんてないし、そんなのわかんないよ。だから、偉そうに言えるわけじゃない。けどさ、生きてる今、こうして話してるのが無駄だとも思えないんだよね。それが何なのか、私も知りたいだけかも。」

「全部無駄でしょ。この話だって、別に。」

「そうかもね。無駄かもしれないし、意味なんてないのかもしれない。でもさ、こうやって話してる間だけでも、ほんの少し気持ちが動くなら、それで十分じゃない?」

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「気持ちが動く?誰の?あんたはうごいてんのかもしれないけど、私は1ミリも動いてねぇから。」

「そっか…。動いてないって感じるのも本当なんだよね。それでも、こうやって返事してくれてることが、何か小さいけど意味があるような気がしちゃうんだよ。私が勝手にそう思ってるだけかもしれないけどさ。」

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葉桐
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