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ファンベースなコミュニティの可能性

こんにちは!コミュニティ事業部ディレクターのふともも(坂本)です。
今回は僕たちが伴走させていただくことが多い「ファンコミュニティ」について書いてみたいと思います。

ファンとの取組といえば「コミュニティ」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
ファンとつながっていく施策として、ファンコミュニティはとても重要なものと考えています。
長文になってしまいますが、お付き合いください。


コミュニティと聞いて何を思いかべる?

まずはじめに、「コミュニティ」とは?について、考えてみたいと思います。
皆さんは「コミュニティ」と聞いてどんなものや状態のことを思い浮かべますか?
自分が暮らす地域のコミュニティ、部活動や趣味のコミュニティ、会社の中にも社員同士でのコミュニティがあるかもしれませんし、会社以外の場所で共通のテーマを持って集まるサロンのようなコミュニティを思い浮かべる方もいるかもしれません。

そう、コミュニティって実は定義が広いのです。
コミュニティに関する過去の事例研究では「定義が曖昧である」と結論付けているものがあるほどで、色んな人が色んなコミュニティをイメージします。
この定義の広さが、社内で共通認識を持つ時の一つ目の壁だったりもします。

「ファンコミュニティ」と、対象にする相手をファンに絞った場合でも、定期的に情報提供をするための場所なのか、ファンが他の人を連れてきてくれる場所なのか、ファンが日常でブランドとどんな関わり方をしているのか教えてもらう場所なのか、イメージや定義が人それぞれに違うことが多いです。

そのため、コミュニティを始める際にはまず「何を目的としてコミュニティをはじめるのか」「最終的にどういう状態になっていたいのか」という、目的やビジョンを明確にすることが大事です。


目的やビジョンが決まったら、その次は?

コミュニティの目的やビジョンが明確にイメージでき、社内でもすり合わせできている状態であれば、すぐにコミュニティを始められるのでしょうか。
実はその前に、もう一つ必要なステップがあります。
それは「ファンと実際に会って、傾聴すること」
ファンと会って話すことで、ファンがどんなことを好み、どんな暮らしをしていて、どんな言動をしやすい人なのかという、ファンタイプや感じている価値を知ることができます。
(詳しくは、「ファンを愛するためのファン分析」をご覧ください)

このタイプや価値を知っておくと、事前に定めておいた「目的」や「ビジョン」に向かっていくためには、どういうコミュニティにすればファンが喜んでくれるか、ファンにとって日常の習慣になりやすいか、という活動指針をつくることができます。
このコミュニティの活動指針のことを、ファンベースカンパニーでは「コミュニティコンセプト」と呼んでいます。


コミュニティコンセプトに沿ったファンコミュニティを作れるとどんな良いことがある?


「ファンはどういうタイプで、どんなことを価値に感じているのか」というファン側の視点、そして「企業が目指したいビジョンや目的」という企業側の視点。
これらを総合的に考えてコミュニティでどんな活動をすべきかを言語化した「コミュニティコンセプト」。
このコミュニティコンセプトに沿ったファンコミュニティが作れると、どんな良いことがあるのでしょうか。

①濃いファン同士が同じ熱量で語り合うことで、ファンの熱量が高まり合うということ


濃いファンは話しやすい環境があることで、共通の「好き」を惜しみなく話し合ってくれます。日常では、なかなか同じ熱量で話せる相手が少ないけど、コミュニティ内ではファン同士で話し合って熱量が高まっていく。そうして熱量が高まっていくと、「やっぱりこのブランドを好きでいて、間違いなかった」と、長く愛し続けてくれ、結果としてLTVも向上していきやすくなります。

②このコミュニティの中で高まった熱量が、コミュニティ外の友人・知人に伝播していくこと


コミュニティ企画では「ファンがついつい友人に言いたくなるにはどうすれば良いか」という視点も大切。
コミュニティの中で他のファンの方に教えてもらえたことが、「ねえ知ってる?」と友人知人に話すキッカケとなり、「え、何それ。そんなに言うなら買ってみようかな」と、新しい顧客を連れてきてくれることにつながりやすいのです。

③企業の中の人(社員)とファンがつながることで、相乗効果が生まれやすくなるということ

ファン同士がコミュニティで語ってくれることの多くは「いかにこのブランドが好きか」や「こういうこだわりポイントを発見した」という、社員の日々の活動への称賛になることが多いのですが、これを見聞きした時の社員のモチベーション向上効果が計り知れません。
ファンベースカンパニーでは、コミュニティ内のイベントとして「ファンミーティング」を開催することがよくありますが、そこでファンの声に直接触れた社員は、感動のあまり泣き出してしまうこともしばしば。
そして、ファンが知らなかったような話、例えばものづくりの細部やこだわりなどについて知識を深められた時のファンの熱量の向上も、計り知れないものがあります。
ファンと社員が直接触れ合うことで、ファンの熱量が社員のモチベーションを高め、ファンの熱量もさらに高まっていく
そうした好循環を生んでいきやすいのも、ファンコミュニティの効果の一つです。


当初の目的を超えていく、ファンベースコミュニティの可能性

ファンとのコミュニティをはじめたい。その動機や目的は様々だと思います。
おそらく「顧客のLTV向上」や「推奨の広がり」などが目的になることが多いのではないでしょうか。
ただ、ファンベースなコミュニティの面白いところは、コミュニティ活動が思わぬ結果につながり、当初の目的をさらに超えていく場に育っていく可能性を秘めているところです。

コミュニティコンセプトを定める時に明確化したブランドのビジョン。
「数十年後こんな未来になっていたらいいな」「ここをファンと一緒に目指していくのだ」ということを活動に盛り込んでいくと、企業だけで目指していくよりも、もっと遠くへ到達できるようになっていきます。
ブランドの未来を気がついたら一緒に作っている。
そんな状況に身を置けるようになると、ファンはどう思うでしょう。
「コミュニティが自分の人生にとって、なくてはならない場所」になり、ブランドやそのコミュニティの存在がファンにとっての幸せにまでつながっていく。
そんな感情になっていることが想像できます。

ファンベースなコミュニティは、ファンの人生の幸福度にも貢献していき、社会のウェルビーイングにも貢献できるとも言える。
大げさかもしれませんが、ファンベースなコミュニティにはそんな未来の可能性が秘められていると私達は考えています。

さいごに


「ファンコミュニティ」という施策は、最近の注目ワードの一つかもしれません。ただ、コミュニティはやはり奥が深く、ただ単に「ファンなんですよね!集まりましょう!」と場を作るだけでは、長続きしません。
ファンを知り、ファンと共にブランドの好きを育てていく。
その道のりは、ファンと一緒に楽しんでいけるものでもあります。
ファンベースカンパニーでも、そんなファンベースなコミュニティの設計や運営の在り方について、日々探究と実践を繰り返しています。
ご興味を持っていただいた方は、ぜひ探究の旅をご一緒しましょう!


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