【最も革新的なスポーツ企業1位に選ばれたファナティクスって?】代表川名の逆オファーで日本戦略が変わった話
はじめまして、ファナティクス・ジャパンの広報です。
今年、とても嬉しいことにFastcompany社が発表する「最も革新的なスポーツ企業ランキング」で、FanaticsがNo.1に選出されました・・!(詳しくはこちら)
全業種でも第14位で、ここ数年毎年評価頂いていますがスポーツ領域でNo.1は初めてです。
そう、ランキングより想像いただける通り、
母体のFanatics Inc.はアメリカでも認知度が高い企業の一つです。
一方でファナティクス・ジャパンは2018年に設立、
組織はベンチャー感がまだ残りつつも、独自のビジネスモデルに日本の特色を加え、着実に成長しています。
【代表紹介】はじめに・・
これからnoteを通じてファナティクス・ジャパンの活動をメインに、グローバルでの取り組みについても紹介予定です。(フォローお願いします♪)
初回は、どのように日本支社を展開し、欧米の事業モデルを日本で展開をしているのか、代表川名にインタビューを実施しました!
<川名 正憲 プロフィール>
高校・大学時代は野球部に所属するもプレイヤーではなく、マネージャーとして部をサポートしつつ全体運営を行うのが好きだったと言う代表川名。
頭脳派な一面はありつつも、実はエンターテイメント全般が大好き。
スポーツはもちろん、多くのファンを魅了し続けるミュージカルも好きでロンドンやニューヨーク、日本を含めてこれまで100本以上見るお墨付きです。(留学時代には大学院のミュージカル部にも所属していたとか・・!)
それでは本題にいきましょう!
【ファナティクス・ジャパンとは】最高のファン体験を創出する企業
ーー今日はよろしくお願いします!
川名:よろしくお願いします。ファナティクスの魅力をざっくばらんにお伝えできればと思っています。
ーーまずは、ファナティクス・ジャパンを知らない方のために簡単な説明をお願いします。
ひとことで言うならば「スポーツマーチャンダイジング(MD)」のプロ集団でしょうか。2018年の設立以来、スポーツチームのグッズ開発・生産とその販売に携わってます。
従来のMD事業では、モノ作りと販売が別の事業者で運営されているバラバラになっているケースが多くありました。当社は、アイデアから商品化、そしてファンの元にグッズを届けるまでを一気通貫で統括しており、それが事業の特徴であり強みです。これらは、母体であるファナティクスの代名詞でもある「Vコマース※」というビジネスモデル。
ファンに望まれているグッズやそれに紐づく体験を通じて、最高のファン体験を創出していく。それが究極的な目標です。
ーー実際にどのようなチームのグッズを。
国内では、福岡ソフトバンクホークス、北海道日本ハムファイターズといったプロ野球チーム。清水エスパルス、セレッソ大阪といったプロサッカークラブと10年の契約を結び、MD領域の戦略的パートナーとして主体的に取り組みを進めています。それ以外にも日本での唯一のPGAツアーであるZOZO ChampionshipやATPツアー楽天ジャパンオープンといった大型イベントのマーチャンダイジングも手掛けています。
【設立の背景】逆オファーで日本支社が設立
――創業者でもある川名さんには、ファナティクス・ジャパン誕生の経緯もぜひ聞きたいです。
直接のきっかけは、僕がファナティクスの創業者であるマイケル・ルービンに日本法人設立にあたってのプレゼンをしたことです。
ーー創業者にプレゼン?
2017年ごろ、マイケルと日本を含むアジア市場進出について意見を交わす機会がありました。彼としては、まずは既に本社で持っている欧米でのライセンス権をどうやって日本で発売していくかしかという発想だったので、どうやったら上手くいくかの意見交換だったのですが、いや、そうではなくて日本のプロ野球やJリーグのMDを大きく伸ばせると提案したんです。
ーーまさかの逆オファーですね。
もしかしたらマイケルには突飛な提案に映ったかもしれません。でもそこにはビジネスとしての勝算と、いちスポーツファンとしての思惑がありました。
――日本のスポーツビジネスのどこに確信を持って提案を?
日本のスポーツシーンはそのレベルや経済規模、何よりファンが持つ熱量に対してMDの分野で未成熟な面が多くあります。「欲しいグッズがない」「スタジアムに行く日に商品の配送が間に合わない」「スタジアムの売り場は混雑して並びたくない」こうした課題はファン体験を損なうものであり、ビジネスとしても大きな機会損失です。
そんな伸びしろしかない日本市場にファナティクスのビジネスモデルを浸透させられれば、単なるビジネスチャンスだけでなく、日本のスポーツMDのレベルを一段階上げることができるという確信がありました。
実際のところ、オリンピックや甲子園を見ても日本のスポーツファンが持つ熱量は、スポーツが盛んな欧米に比べてもひけを取らないものがあります。日常生活に浸透しているのであまり自覚はされていないですが・・・。
プレゼンの中では、日本のスポーツ市場の現状とポテンシャルについて年間観客動員数と売上規模について触れましたが、マイケルも日本のスポーツファンの規模と熱量には驚いてました。
――スポーツファンとしての思いもあったと。
私自身、大のスポーツファンでもあります。高校と大学在学中にマネージャーとして野球と関わり、マネジメントの楽しさを知ったことから、「見る側として、何かしらの形でエンターテインメントとしてのスポーツに関係する仕事に就きたい」という思いが在学時からありました。
プレゼン後はとんとん拍子で話が進み、2017年に買収したマジェスティックの日本法人・マジェスティック・ジャパンを継承する形で、2018年1月にファナティクス・ジャパン設立と代表就任に至ったというのがおおまかな経緯です。
【日本での活動】欧米の事業モデルを日本でどう展開?
ーーファナティクス流が、日本のスポーツファンにも受け入れられた?
大枠の「Vコマース」や事業基盤という点ではそうですが、もちろん日本の市場やファンの傾向に合わせた取り組みも必要です。
本国と異なる日本法人の特徴的な例が、チームとMD分野で密に連携するローカルビジネスです。
当初マイケルが想定していた日本市場進出は、あくまでMLBやNBA、欧州サッカ―クラブといった世界の著名チームのグッズを日本向けに展開するというものでした。
ジャパンではそこから一歩踏み込み、各チームの戦略的パートナーとしてMD事業を二人三脚で運営していく。こうした日本のスポーツシーンにローカライズした取り組みが、ファン体験向上に欠かせない要素です。
ーー日本ならではの形態だったんですね。
戦略的なパートナーシップ自体はグローバルで一緒ですが、スタジアム物販からオンライン販売、時には選手のユニフォーム供給まで包括的に行うというのは、ファナティクス全体を見ても珍しい取り組みでアメリカ以外では日本だけです。
日本では、日本法人設立間もないころにホークスとパートナーシップを結べたところが大きかったですね。優勝の瞬間に合わせたグッズ展開、他コンテンツとのコラボレーションなど、かなり攻めたグッズ展開が実現できています。
ーー優勝などの瞬間に合わせたグッズ展開はファナティクスの最大の強みですね。
はい、記録達成やイベントなどファンの熱量が上がるタイミングでのグッズ販売は「ホットマーケット※」と呼ばれ、われわれが真価を発揮する場でもあります。選手の初ホームランや初勝利、試合ごとのヒーローなど、シーズン中の各トピックにフォーカスしたグッズはファンからの反響も大きく、スポーツファンとしての体験価値向上にも結び付いています。
※ホットマーケット:スポーツチームの優勝タイミングなどで、ファンが盛り上がっているうちに間を置かずに商品を販売しようという取り組み、需要の大半は「48時間以内」。
われわれが販売しているものは決して生活必需品ではありません。だからこそ、ファン目線を忘れずに「あったら良いな」と思える商品を適切なタイミングで発信できることに重きをおいています。
ーーありがとうございました。
次回は、日本独自の活動の裏で起きていたエピソードや、まだ公には出ていない部分のファナティクスの中を探るべく、引き続き代表川名にインタビューを実施します、お楽しみに!
ファナティクスについて、スポーツビジネス、ファングッズ、マーチャンダイジングなど関心ございましたら、「フォロー・いいね」いただけると嬉しいです!次回もよろしくお願いします。