たわらノーロードの信託報酬率が引き下げられたので、他と比較してみる
アセットマネジメントOneから販売されている投資信託「たわらノーロード」が話題になっているような気がする。
S&P500連動の「たわらノーロード S&P500」が新たに設定され、しかも信託報酬が安いのだ。
また、他のたわらノーロードシリーズの信託報酬引き下げも実施され、同じインデックス投資信託の中では最も安くなった。
これに伴い、手数料が最も安いことを売りにしていたeMAXIS Slimシリーズが、たわらノーロードに合わせて信託報酬の改定を余儀なくされている。
そこで、各社の信託報酬率がいくらなのか、連動しているインデックス別にまとめてみたい。
米国株式
米国株式と呼ばれているインデックスには、大きく分けて「S&P500」と「CRSP US Total Market Index」がある。
S&P500
S&P500は色々基準があるが、米国マーケットを代表する500社(正確には現在503社)で構成され、米国市場時価総額の約80%をカバーしている。
ETFのティッカーではVOOとなる。
CRSP US Total Market Index
CRSP US Total Market Indexは、米国株式のほぼ100%をカバーしている。
以下に比較した投資信託の中では、「SBI・V・全米株式」と「楽天」がCRSPに連動している。
ETFのティッカーではVTIとなる。
信託報酬率比較
楽天以外は信託報酬率がほぼ横並びになっている。
eMAXIS Slimとたわらノーロードが0.0008%安くなっているが、100万円投資したとして毎年8円の差なので、米国株式に関して言えば、あまり気にしなくてもいいのではないだろうか。
先進国株式
先進国株式の投資信託に連動するインデックスは大きく2つに分かれ、「MSCI Kokusai Index」と「FTSE Developed All Cap Index」がある。
MSCI Kokusai Index
MSCI Kokusaiは日本を除いた先進国で構成される。
韓国とポーランドは先進国扱いでないため除外されている。
小型株を含まない。
FTSE Developed All Cap Index
対してFTSEの方は、同じ先進国でも日本を含む。
また、韓国とポーランドも先進国扱いのため含んでいる。
小型株を含む。
信託報酬率比較
eMAXIS Slimとたわらノーロードが最も安い信託報酬率となり、最も高いニッセイと比較すると、0.00341%の差となる。
これは100万円投資すると、毎年341円の差になり、米国株式の8円と比較するとこの差は大きいと感じてしまう。
先進国株式ならeMAXIS Slimもしくはたわらノーロードにしておくのが無難だろう。
全世界株式
先進国と新興国を含むインデックス。こちらもMSCIとFTSEがそれぞれ算出しており、「MSCI All Country World Index」と「FTSE Global All Cap Index」がある。
MSCI All Country World Index(ACWI)
先進国株式と同様に、小型株を含まない約2,900銘柄で構成され、時価総額の約85%をカバーしている。
FTSE Global All Cap Index
小型株を含む約9,000銘柄で構成され、時価総額の約98%をカバーしている。
ETFのティッカーではVTとなる。
信託報酬率比較
SBIの"V"が付かない「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」が最も安い信託報酬になっている。
ただし、これはFTSE Global All Cap Indexに連動するETFであるVTに直接投資しているわけではなく、VTI・SPDW・SPEMに細分化して投資することで、FTSEへの連動を目指しつつ、手数料を下げているようだ。
とはいえ、大きく指数と乖離するとは思えないので、手数料を気にするのであれば、SBI・全世界株式インデックス・ファンドにしておくのがいいあろう。
次に信託報酬が安いのはeMAXIS Slimとなる。
たわらノーロードも信託報酬率を下げたものの、eMAXIS Slimが同じ信託報酬率に下げ、さらにeMAXIS Slimは純資産総額によって実質の信託報酬率が下がるため、eMAXIS Slimの方が信託報酬率が安いという結果になった。
実質コストは分からないが、おそらく大差ない
信託報酬率について上に一通りまとめたが、投資信託によっては、保有金額に応じてもらえる証券会社のポイント率に差があることがあるので、それを考慮する必要があるだろう。
例えば私が使っているマネックス証券では、SBIの投資信託はマネックスポイント付与対象外となっているので、あえて選ぶことは無く、eMAXIS Slimを積み立てている。
なお、上で比較したのは名目の信託報酬率なので、いわゆる隠れコストが発生し、最終的な手数料率は終わってみないと分からない。
とは言え、信託報酬率が著しく高いものでなければ、何を選んでもいいと思うし、迷ったら基本的には名目信託報酬率が低い投資信託を選べばいい気がしている。