ブランディングは採用に例えるとわかりやすい
こんにちは、riteの山本です。
世の中にブランディング論の本って無数にあり、名著もあればうーん?って首を傾げる内容のものもあるんですが、「結局ブランディングってどういうこと?」というのを端的に教えて欲しいと言われることがあります。
僕は「ブランディングとは?」を説明するときに、これって採用に例えるとすごくわかりやすいなと思ったので、今回はその話をゆるっとさせていただきます。
そもそもブランディングとはなんぞや?
ブランディングとは何かをできる限り端的に言おうとすると、「信頼と共感を伴うイメージ作り」になるのかなと思っています。
例えば皆さんはコンビニに行ったときにお茶・コーヒー・お水、何かしら買うと思いますが、「特に何も考えずに」商品を選ぶことが少なくないと思います。僕の場合だとサントリーの南アルプスの天然水か、特茶のジャスミンティーをほぼ無意識に選びます。
これは僕が他の商品に満足していないわけではなく、「この商品なら自分は満足できる」という品質への信頼が既にあるからです。また、特茶に関していえばダイエットをしたい僕にとっては「特茶を飲めば痩せるかも!」という期待と共感があります。けれども僕は自分の身体で「特茶を飲んで痩せている!」という強い実感があるわけではありません。もちろん特定保健用食品に認定されているので、科学的には実証されているのだと思いますが、体感はまだないという話です。しかし体感はしていないにもかかわらず、僕は他のお茶よりも少し高い特茶を買っています。これはサントリーさんの「ブランディング」の力です。
つまり、ブランディングとは「この商品は自分を幸せにしてくれる」という信頼と、「自分の価値観に沿ったストーリーのある商品だ」という共感があるからこそ、他の商品に抜きん出て選考される理由になります。
そして現在、商品はいわゆる「機能的価値」だけで差別化をすることは難しくなっています。だからこそ「情緒的価値」をはじめとするその他の部分でお客さんを引きつける「信頼と共感を作るイメージ作り」を通じて、お客さんに選ばれる存在にならなければいけないのです。
採用とブランディングの共通点
ここで冒頭に戻ります。何故採用とブランディングは似ていると僕が言うのか。それは多くの場合、条件面での圧倒的な差別化は難しいことが多く、ビジョンや価値観、環境やチャンスなどで差別化することが求められるからです。
例えば貴方が新卒採用を担当していて、とても優秀だと感じたA君にオファーを出しましたが、A君は同業界の大手企業からさらに100万円高い年収での内定をもらっていました。
このとき貴方はそのA君にどのようにアプローチするでしょうか。
もちろんここで、A君に対抗企業よりも高いオファーを出すと言う選択もあるかもしれません。もしA君をなんとしてでも採用したいと考えたならば、その手段も検討には入るでしょう。
ですが仮に年収を再度提示したときに、対抗企業がさらに良い条件を提示してくる可能性はないのでしょうか。そうなった場合に、貴方は何を武器にA君にアプローチするのでしょうか。
この場合、条件だけの勝負にならないように、まずは会社や業界の未来のビジョン、社会的な価値、提供できる環境や機会、そして自社に来た場合のA君の将来像を描き、そこに魅力を感じてもらおうと努力するでしょう。
そしてA君に貴方の会社で働いた方が、目先の収入以上に魅力がありそうだと説得していきます。
機能や条件だけで勝負はできない
現在は何か商品やサービスを出すときに、全くの競合商品がないブルーオーシャンというものはほとんどありません。仮に世の中に全くの新しい商品を出せたとしても、その機能的な価値は容易に模倣されてしまいます。
では価格で差別化をするのか?
NGではありませんが、競合企業も価格競争に乗ってきたならば、あとは泥沼の安売り合戦をするしかなくなるでしょう。
採用において競合企業と条件での競争をするのか?という先ほどのお話と同様です。
そのため、貴方はユーザーに伝えなければなりません。
貴方の企業は何を大事にしていて、どういうビジョンを掲げたブランドで、どういうユーザーに使って欲しいと考えていて、自分たちの提供する価値・世界観がユーザーに共感されるものだということをです。
これらを伝えていく過程がブランディングです。
採用で普段やっていることそのままではありませんか?
D2C企業の躍進の理由
弊社の提供するサービスfab.は企業様のD2C包括支援を行っており、ブランディングの戦略設計からユーザーとのコミュニケーションデザインまでサポートしております。
D2Cブランドという言葉は数年前からバズワード的に広がりましたが、こうした企業が成功している背景は、上記の「ユーザーに語りかける」行動を丁寧に素早く行い、自分たちのブランドを一緒に盛り上げていく「共犯者」としてユーザーを「採用」していったからです。
ユーザーはこれからただの「お客様」ではなく、SNSなどの様々な場所で貴方のブランドを紹介してくれるアンバサダーであり、自分たちの求める本質的なWANTを伝えてくれるパートナーになります。そうしたユーザーの力を数千人・数万人と積み重ねていった企業が、そうでない企業よりも大きく躍進することは特に不思議な話ではありません。
ユーザーに「共犯者」にしていくためには、まさに採用と同じく、自分たちのブランドが成長していくとこんな素晴らしい世界があり、そこでは貴方がどのような生活を送っているか、あるいは今までなかったどんな機会を得られているかを説得していくことです。
これ、明日からでも取り組んでみたいとは思いませんか?
最後に
今回はブランディングと採用というテーマでお話させていただきました。
実際に、今後はブランド担当を人事をされていた方が担当する、などのケースも増えていくのではないかと思っております。
これからはユーザーに支持され続けるブランドを作り上げていくことが事業成功の大きな鍵になると弊社は確信しております。一方でブランディングは短期間で成果が出るものではなく、継続して自社のビジョンなどを発信し続けることが大事な取り組みでもあります。そして弊社はそうした企業様の取り組み・挑戦を応援していくパートナーでありたいです。
ブランディング・マーケティングなどの分野でお悩みのある企業様、今後D2Cの概念を取り入れたブランド戦略を考えていきたい企業様は、一度ご相談を頂戴できれば嬉しいです。
弊社の提供しておりますD2C支援サービス「fab.」もよろしければご覧ください。
・fab. サービスサイト
・fab. プレスリリース(2020年11月11日)
よろしくお願い致します。