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アルバム「ひなたざか」について

先日日向坂46初となるアルバムである「ひなたざか」が発売されました。
待ちに待ったリリースという事で早速聴きこんでいるのですが、感想が書きたくなり今こうして楽曲を流しながら書いています。

日向坂46は元々欅坂46のアンダーグループとして結成されたけやき坂46(ひらがなけやき)が前身となっており、発売する曲たちは欅坂46のシングル収録のカップリングとして発表されていました。
当時からバラエティに富んだ曲調と欅仕込みの精細なダンス、そして齊藤京子や加藤史帆、佐々木美玲に代表される歌唱力の高いメンバーと彩り豊かな声色を持つ面々の様々な表情に富んだ歌声がパッケージされており、非常に評価も高かったと記憶しています。
そんな彼女たちはある武道館公演を経て、それまでもとても人気がありましたが更に単独でも大変な人気を誇るようになり、けやき坂46としてもアルバムをリリースしそれを提げた東名阪を巡るツアーも大盛況、その後日向坂46に改名し4枚のシングルを発売、そこからの今までの坂を駆け上がる様子は敢えて説明する必要もないでしょう。

さて、今回発売したアルバムですがアイドルのアルバムらしくOVERTUREからスタートし、これまでリリースしたシングルA面が連なった構成となっておりますが、まずこの初めの4曲の並びが素晴らしいのです。

順を追って書いていきます。
まず1曲目の「キュン」。


爽やかでありながらも恋に翻弄される男の子のなかなか踏み出すことのできないメランコリックな気持ちを反映するかのようなすこしトーンを落としたEDMサウンド、印象的に挟み込まれるストリングスのおかず、日向坂46のデビュー曲として王道のアイドルポップにフックを入れるような楽曲は最高の1曲ではないかと思います。

曲中囁くような声で歌われる「カワイイ」や「好きだよ」はまさに声に出したいけど声に出せない男の子の胸の内を思わせ、それはそれはもどかしく、でも聴いてしまう、噛めば噛むほど味がするとはこのことでした。

次に2曲目、「ドレミソラシド」。

ドレミファソラシドと並ぶ音階のファを飛ばしているタイトル、元来音階というのは前の音に対する音程の開きに依存して存在しており、これが大自然の規則なのですが、それを無視してミからソに飛んでしまうほど、超常現象的な事象を恋に当てはめたこの曲は私個人日向坂46の楽曲で最も好きな楽曲でもあります。

爽やかな夏の日を思わせるような跳ねるようなストリングスにハードなギターとビートが乗った楽曲に、情景が浮かぶような美しい歌詞の数々、特に2番は夏の夜空を見上げながら並んで星空を眺める2人がありありと想像できるようで非常に美しく甘酸っぱい…たまらない…!
レコード大賞にも選出され、昨年の大晦日に披露されたのですがそのアレンジも非常に秀逸なのでぜひどこかで聴いていただきたいです。

3曲目は「こんなに好きになっちゃっていいの?」。

前回の曲とは真逆に恋することの高鳴りではなく、葛藤や苦しみを激しいダンスで魅せるバラード。
犠牲を厭わないある意味破滅的な愛をアイドルが歌うというこの楽曲はガツンとやられました。ストレートで顎を撃ち抜かれるような感覚です、それほど揺さぶられるものがありました。
これもモノにするか日向坂46と唸ってしまうような、彼女たちの表現力の高さが光る名曲です。

ラスト4曲目は「ソンナコトナイヨ」。


今度は歌謡曲チックなロックチューン、粗めのブラスと歪んだギターの音にシンセが踊る、インストver.もめちゃくちゃかっこいい楽曲。
君はカワイイ、たとえ前髪を切りすぎてしまっても気にするな、僕が全てを肯定してやると言わんばかりの想いを叩き込むように詰め込まれた歌詞、特に最後の息継ぎを忘れてしまうような歌唱にはまたしてもやられました…凄いぜ日向坂46。
MVもカメラワークが激しすぎて「これメンバー視認できる?」ってぐらいなのですが、分かるよ、こうやって撮りたくなるこれはってMVです。
一粒で三度美味しい楽曲です。

さて、先ほどラストと言いましたがここで忘れてはいけない曲が続きます。
それはJOYFUL LOVEという曲。

様々な恋や愛のカタチを歌った後に流れるこの曲、特に1番のサビの歌詞が好きで個人的にはこの曲の要がここに詰まっていると思っているので下に引用しておきます。

どんな悲しみだって そっと包み込んでしまうよ
理由(わけ)なんか言わなくても すべてをわかってくれる
君がしあわせならば そう僕もしあわせな気がする
風が木々を揺らすように 笑顔は連鎖して行く

しあわせの連鎖、人に恋をしたり愛することのとても根幹の大切な部分をファンタジーに描いた歌詞が押しつけがましくなくスッと入ってきます。
この曲は特に歌唱しているメンバーの声も柔らかく優しい、自然な伸びを感じます。

この曲はライブではメンバーの色とりどりの衣装に合わせて、客席を七色に染めるというファン主導の演出があります。
どんな会場でも、たとえ配信ライブでも、目の前を七色に染め上げるファンの皆さんは本当に凄いと思うし、メンバーは嬉しいだろうなぁ…。
メンバーとファンの双方の愛情の深さも感じることができる、そういった意味でも大切な1曲だと思います。

メランコリックなEDM、爽やかなポップソング、重厚なバラード、歌謡曲調のロックチューン、そして大切な1曲。
これだけ多彩な色を冒頭でここまで感じることができる、なんておいしいアルバムなんでしょうか。

そんなアルバムのタイトルチューンはごりっごりの王道アイドルソング、これまた可愛らしいんです。
それが「アザトカワイイ」です。

カーディガンの袖口を持つ、唇を噛むような仕草、小首をかしげるなどなど…分かっててもその可愛さに翻弄されてしまうのが男の子という生き物でありまして。
どこにいても見つけてしまう、目に付いてしまう、君がどこにいるのか自然と探してしまう、はい心当たりあります、はい。(キモチワルイとか言わないでね)
そうして恋をすることの螺旋に飲み込まれていく様をまぁ可愛く描いているのです。
多分この子はこれから「キュン」とか「ドレミソラシド」などここで紹介した曲たちで描かれていたいろんな感情を経験して最後に「JOYFUL LOVE」みたいな境地に行き着くんだとしたらこの単刀直入な歌詞がまた良いなと思う、むしろ小細工なしで聴かせてくるあたり勝負しに行ってるなぁと感じます。
ちょっとwowとかyeahとか多用しすぎじゃね…?と思うところも無くは無いけど、ほらそこはファンがコールやりやすいようにっていう忖度だと思いますので、実際声出したくなるしね。

他にも素晴らしい楽曲があるのですがそれはまた別の機会に。
多少のツッコミどころはご容赦ください。

以上お相手はふぁむでした、ではまたお会いできたら。

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