猫マタ折り返し日記24 水害とカワウソの話
ども。猫マタこと猫にマタタビです。
15年以上前の話になりますが、新潟県中越地区に集中豪雨が降り五十嵐川が決壊しました。
後に【7、13水害】と呼ばれる災害となりました。
私は当時、倒壊した堤防下の団地に住んでいましたので、家の中を川の水に押し流され住んでいた住宅は水没し家財道具一切を失ったという経験があります。
あの日の光景は、何年経っても忘れません。
戦争の起こっているさなかに言うのも不謹慎ですが、地獄絵図でした。
まあ、一度全ての道具が家の中から無くなったとはいえ、子供達が大きくなると共に家財というのは増えていきます。貧乏暮らしで高級家具などはありませんでしたが、安い家具を買い足していきました。
子供達が巣立って、私1人になってもリビングに置いたソファーや、食事を食べるテーブルや椅子が無くなるわけではありません。
洗濯機も60リットルの大きめサイズだし、冷蔵庫も大型です。ウチには買いだめ用の大型冷凍庫もありましたし(苦笑)
ですので、子供達が巣立った後も、3〜4人家族が暮らしていく程度の家財に囲まれて独り暮らしをしていました。
ある本で読んだのですが、私のように子供達が巣立って独り暮らしになった人の事を『シングルアゲイン』というらしいです。
そういう意味では夫も『シングルアゲイン』なのですが、家族と住んでいた家から離れて長い期間独り暮らしをしている彼は、『シングルベテラン』とでも言いましょうか(笑)
ずっと『シングル』の人と『シングルアゲイン』の人は、この家財の量や大きさが大きく違うわけです。
シングルアゲインの私はシングルベテランの夫との結婚を期に家財道具を沢山処分しました。
和服は市内のザGOLDに引き取ってもらいました。着物というのは需要が少ないのでしょうね。
購入時価格400〜500万円くらいの帯や着物はタダ同然で処分することになりました。
大型の家具も引き取ってもらおうと、2ndストリートのようなリサイクルショップに問い合わせしましたが、ほぼ新品の購入して一年以内の物だけでそれ以上の物は引き取りできない規則とのこと。
田舎なので、他に聞く宛もありません。
自分の手でどうしようもない家具や電気製品は、まだまだ使える物ばかりでしたが、自力で運び出せないことから業者さんにお願いしました。
「何でも承ります屋さん」独居老人の孤独死の始末や害虫駆除、住宅取り壊しなどをしてくれる業者さんです。
大型トラック1台10万円で粗大ゴミとして処分してもらいました。
人の力で家の中を空っぽにするには相当な労力を使います。何日もかかり、やっとこさっとこです。後半は、もういる物かいらない物かの区別すら、ちんぷんかんぷんです(焦)
あの日、水害で一瞬にして無くなった家財。
自然の力は恐ろしいパワーです。
どうあがいても、太刀打ちできません。
あの日から、しばらくの間は笑顔が作れなかった。
あの時から、しばらくの間は素直に人と話せなかった。
【お天道様は人間の心さえ支配する】と思わざる得ない体験をしました。
と言っても、スピリチュアルとか神様とかパワーストーンとかって全く信じていないタイプの人間です(苦笑)
どちらかというと、そんな経験があったからこそ『生きている人間だけが助けてくれる』と言っています。
心配してくれた友達や同僚、家族が復旧に手を貸してくれました。
そんなことがあっても、それでも私のメンタルは強く持ち堪えていました。
自分で言うのもなんですが気の強い女です。
新潟弁の古い言葉で「ゴータレオバ」です(苦笑)
そんなことがあった後も、精神疾患とは無縁に何年もずっと生きていましたから。
今でこそうつ病になり、人見知りで引きこもりがち、夫がいないとどこにも行けないような生活をしていますが、本来の私はメンタルも強いし、ポジティブで、行動的な男まさりな所があるのです。
話は戻りますが、それでもやっぱり捨てられない物というのはあるものです。
その中でも、どうでもいい物にぬいぐるみの類いがあります。
家族全員が可愛い物好きで、ぬいぐるみコレクションも多かった我が家。
ほとんどのぬいぐるみを処分したのですが、去年の母の日に娘からプレゼントされた『カワウソ』の抱き枕は捨てられませんでした。
新潟から香川に一緒に引っ越してきた精鋭部隊です(笑)
イケメンでもなく、どちらかというとブサメン。可愛いというよりも、抱きしめると安心するタイプです(笑)
男性とカワウソはそういう方が安心して好みなんです(爆)
先日、夫に四国水族館に連れて行ってもらった際に、我が家のカワウソと小型同一種が沢山売られており「あゝ、うちの子と一緒やん」と、めっちゃほっこり致しました。
私は現在、うつ病の治療中です。
うつ病のきっかけは、パワハラにあったわけでも、ブラック企業にいたわけでもありません。
病気の根底にあるものは、人より気が強く、自身の気の強さを過信し過ぎて、乱暴に自分の体を使いすぎた結果だと思っています。
そして今は、この使い古した私を大切に取り扱ってくれる優しい夫に出会いました。
私という人間を弱く可愛いもののように、壊さないように大切に扱ってくれる人です。
どんどん元気を与えてくれる夫に感謝しながら私は生きています。
夫、カワウソと私を一生大切にしてください(笑)
長々とお付き合いありがとうございます。
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