紅い月と嘘

　三千世界の向こうでまた逢いましょう
　
　蝦蟇の喉元から浮かぶ言霊は
　イヤらしいほどに禍々しい紅
　
　淫靡なほどに微睡んで蒼い涎を垂らす口元
　濡れてだらしなく開いた茶色の歯が
　辻褄を併せるための言い訳を喋りだす
　
　あなたとまた逢えるなら
　私は罪業消滅の為にどんな事でもいたします

　屁の様な情けない理屈を推して
　そのまま地獄に堕ちればいいさ。

　お前の計り知れない罪業等知らないから。