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介護士にいちばん必要なこと

「『介護の仕事はキツそう』と思う人も多いでしょう。しかし、実際はそれだけではありません。」

さまざまな場面で、人生の大先輩からの学びがたくさんあります。
そして、こんなにも「ありがとう」と1日何度も言ってもらえることはあまりないと思います。

これから介護士として働こうと思っている方やまだ迷っている方に、
20年近くこの仕事をしている私が、必要なことをお教えします。



施設の1日の流れ

午前の業務

  • 起床介助:朝食前に整容・トイレ誘導・更衣介助を行います。

  • 朝食:配膳・食事介助・歯磨き・トイレ誘導。それぞれの方に合った食事形態があります。

  • リハビリ:午前中に行う方もいれば、午後に行う方もいます。

  • 入浴:午前中に入浴があることが多いです。

  • 臥床:疲れた方や、休息を必要とする方はベッドで休んでいただきます。

午後の業務

  • 昼食:朝食と同じように配膳・食事介助・歯磨き・トイレ誘導を行います。 

  • リハビリ:レクリエーション・職員のお手伝いなどを行います。

  • 15時のおやつ:トイレ誘導・1日の水分量が足りない場合には促します。居室で休まれている方や起きてテレビやお喋りを楽しむ方など、さまざまです。

  • 夕食:配膳・食事介助・トイレ誘導・歯磨きを行います。

  • 就寝介助:トイレ誘導・更衣介助・歯磨きを行います。

深夜帯

  • トイレ誘導や起きてしまった方の対応があります。


質問形式で話を引き出す


介護士になりたての時は「何を話せばいいのか分からない」と思い
話題が思いつかないことが多いです。

話題に困ったときは、昔の話を聞いてあげてください。
「お仕事はされていたんですか?」
「お子さんは何人ですか?」
「お生まれはどこですか?」
「ご兄弟はいらっしゃいますか?」
「昔は旅行されたりしていたんですか?」

高齢者は昔の話になると多弁になる方が多いです。
仕事の話などを掘り下げて聞いてあげてください。
とても懐かしそうにお話されると思いますよ。

話を聞いて共感し、寄り添う気持ちがあれば自然に会話が弾み、信頼関係も深まります。

常に肯定的な姿勢でいよう


高齢者は時に、時間や場所など現在の状況がわからなくなり、混乱することもあります。
そんなときは頭ごなしに「違います」と否定せず、「今は朝ですよ」「昼食の時間です」「今日は、ここで泊まることになっていますよ」と優しく今の状況を伝えることが必要です。

時々「今は朝?昼?夜?」と入居者様に聞かれることがあります。私はそんな時には「今は、朝・昼・夜のどれでしょうか?」とクイズのように聞き返すことがあります。
わからなくなって不安になる気持ちが、クイズにすることで答えが間違っていても「間違えちゃったね」と笑って終われます。

なんでも否定から入ると、高齢者でも私たちでも嫌な気持ちになりますよね。
自分の発言が常に肯定的に受け止めてもらえることが、心地よさや安心につながります。


自分の私生活に余裕を作ろう


これはどの仕事にも共通することですが、自分に余裕がないと人に優しくする余裕はありません。

仕事だけではなく、自分を大事にする時間を作ってください。

⚫️休日は自分の身体の声に耳を傾ける:疲れているときはゆっくり休む。リラックスできる散歩や運動をする。

⚫️他人と比較しない:他人のペースではなく自分のペースで何事も取り組む。

⚫️気乗りしない付き合いを辞める:無理に参加する飲み会よりも、自分の好きなことをする時間を作る。

⚫️自分の時間の優先順位をつける:仕事後のリラックスタイムや、趣味の時間を優先する。

⚫️前向きな自己投資を始めてみる:別のスキルを身につける勉強をする。成長につながる活動をする。

職場を出たら仕事スイッチをオフにすることが必要です。
介護士としてのスキルは、働いていたら自然に身についていきます。
焦る必要はありません。

スキルよりも、心の余裕が介護の仕事において一番の強みになります。

まとめ

介護士にもさまざまな職員がいます。いつも愚痴ばかりの人・文句を言う人・高圧的な態度の人。
こんな人たちに共通するのは、余裕がないことのような気がします。

介護技術は必要ですが、それは少しずつ覚えていけば問題ありません。
技術がなくても、穏やかにコミュニケーションが取れさえすれば、むしろその方が効率的に物事を進められます。

高齢者の尊厳の保持は非常に大切なことです。
職員が意識的に心の余裕を持つことで、相手を敬い、人生の先輩として尊重する姿勢が養われると思います。

これから介護業界に飛び込もうと考えている方々は、高齢者との
関わりの中で「たくさん学ばせていただく姿勢」を忘れずに、自分の人生をさらに豊かなものにしていってください。







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