◆ 話のネタ ◆ No.48 半沢直樹の世界2:飲み屋編
親父が、九州男児だった為、2才の頃から酒を飲みはじめ(飲まされはじめ)、銀行に就職してからは、ほぼ毎日と言っていいほど、酒を飲み倒し、人から酒に誘われて人生において断ったことは1度しかありませんでした。
それが健康上の理由と金銭的理由で禁酒を開始し15年を越えました。
銀行員時代のハチャメチャな酒とのかかわりを思い出してみます。
過去に勤務したある支店時代の集まりがあり、大先輩が皆の前で話していたのが『銀行員時代アホ程、酒を飲んだ、自分の親友が大手商社に勤務しており、だいたい年収が同じくらいだったが、退職時の資産を比べると20百万円も違う、この差は、全部飲んだようだ・・・・・・』
という発言に、私も含め、全員が納得していました。 確かに、ボーナスで赤字が埋まりませんでした。
一番酷かったのは、大阪ミナミのスナックを上司と3人で一晩に5軒飲み歩き、タクシーで自宅に帰り翌朝出勤した時でした。銀行員に接待費は、支店長以外権限がなく、当然すべて自腹です。
なぜ、そんな事ができるかいうと銀行の名刺の信用力の強さで、ミナミや北新地(東京では、銀座に相当)の初めてのスナックやクラブでも銀行の名刺を出すと、こちらが
『ツケは、きらいだから現金で払う!』と言ってもママが、
『いぇいぇ、今日は忙しいのでツケにさせておいて下さいね~ 💛 』
とやんわり断られ、ドンドン店を回れることになるのです。
これを繰り返していると何が起こるかと言うと・・・・・私が、M支店に勤務していた時に、支店にスナックのママから、非常に上等で大きな、にいたか梨2個がお中元に送られてきたり、
『絶対支店に電話するな!』と言っていたのに、電話が閉店後かかって来て
女子行員が大きな声で
『Sさ~ん(私の事)、若い女性の方からお電話ですよ~💛(まず、銀行員
に若い女性から電話がかかることはない)』
『えぇ・・あの・・その・・(と狼狽する私に更に追い打ちが・・・)』 『どうも日本の方では、ないようですよ~ (ピンポン~♬ 正解、タイの
若い娘でした)』
そして、当時一緒に遊んでいたM副支店長からは、ボーナスの日に、
『あぁ、Sは、10万円でええわ』
『えっ、一体なんのことですか?』
『あぁ、飲み代のつけの支払』
『えぇーなんぼ何でもそんなに行ってません!』
『そう言う思うて全部手帳につけてあるのでこれ見てみぃ、おまけして、
1つのお店5千円で20店行っているので、10万円でええよ~♬』
『ガ~ン(当然全部自腹でタクシーで帰っているので、交通費が7千円かか
っているしスナックに行く前に焼鳥屋で一杯飲んで腹ごしらえしてくの
で、3~4千円別途かかっているのです)』
あげくの果てにM副支店長から、ある日別室にこっそり呼ばれ
『S、給料日に給料振込口座から全額引き出すのは、やめろ!』
なんと、仕事で、私の給与振込口座の出入りを監視しているのです。
すぐ、お金を右から左に移さないといけないような自転車操業では、悪くすると銀行のお金に手をつける可能性があると考えられるのです。
それ以降、どんなに苦しくても最低3万円は、その口座に残すようにしました。(途中から廃止になりましたが、当初給料が振込まれる口座は、『職員普通』といわれる特別な口座で福利厚生の一環で、入金は、できないのですが、普通預金に金利が4%つくという優れものでした)
クラブのママに、
『銀行員の名刺なんか簡単に手に入るのに、こんなん
で、ツケができたらみんなに悪用されて全部焦げつくんちゃうん?』
『それは、Sさん、我々もプロだからお客様が銀行員さんかどうかは、
分かりますわ🎵』
『そうなんじゃ・・・』
『でもね、どうしても、分からない時は、どうすると思います?』
『・・・・えぇ・・・どうするか分からん・・・・』
『それはね、チイママにも、ご挨拶に行かせて、私にもお名刺下さいと言わ
せ2枚出せたら本物』
『・・・・・・流石、百戦錬磨のプロ・・・(名刺で銀行員と確認できたら
踏み倒しはできないのでツケにする・・・となると支払の為に、2回目の
来店が確約されるビジネスモデル)』
課長となってからは、部下を連れて飲みに行く必要があり、1~2名の時は、全部おごり、それ以上多いと、数千円づつ負担してもらうというやり方でした。
これは、当行の伝統で、自分が若い時に支払おうとすると先輩が
『俺に任せておけ、その代わり自分が先輩になったらその分後輩におごってやってくれ!』と言われて、私は、多くの上司、先輩にかわいがって頂きました。
よって、北新地の新地本通りにあるスナックや、ミナミのクラブに自分の行きつけの店を持つ必要がありました。 当然普通に行ったら部下におごることができないので、ママと仲良くなり “超・超特別価格” にしてもらっていました。 例えば、北新地のスナックR(割烹 神田川の向かいのビルの5F)では、おつまみ持込自由(神田川の横の美味しいたこ焼きをいつも持ち込んでしました)、飲み放題、歌い放題、おつまみも出て、1人3,000円ポッキリです。
その代わり、現金払い、尚且つ、少し早めの20時頃に行って、すいている時に自由に過ごし、カウンターのみなので、他のお客様が、来たら端に寄る、それ以上お客様が来られたら、即帰宅、ママがビジネスチャンスを逃さないようにしてあげるビジネスモデルです。
結局10年以上スナックRには、お世話になりましたが、最後はママが、ステキな旦那様を見つけて再婚され店を閉めることになり、お礼とお別れのご挨拶のお手紙を頂きました。
考えてみれば、10年間でボトルをキープしたのは、2回しかなかったのです。 いつ行ってもママご好意の魔法のボトルにウィスキーがはいって
ました。
ミナミのクラブは、どんだけ飲んで、歌って、チークダンスを踊っても1回
5千円でした。 先輩が開拓した当行特別価格!! クラブなので横に女性がつくのですが、ママが中国の方で、ほとんどが若い中国の女性でした。
・・・もっとも、ママ以外、日本語は、ほとんど通じませんでしたが・・・
◆ おまけ:先週銀行の同期と1泊2日で旅行をしている時に、聞いた話
ですが、彼も若手の時、ボーナス時に、『君は、30万円で
いいわ』 『えっ・・・そんな行ってます??』
『はいな! 全部手帳につけてあるから見る?』
・・・・ほぼ毎日、上司と飲み歩き、上司がクラブに行く時に
かっこつけて、お花まで、購入して持って行っており、その
代金も驚くべきことに入っていたそうです(当然、負担割合の
傾斜はあるもののの・・・)
◆ 毎週、金曜日に発信予定です。
次回予告:No.49 こころに残る上司 O支店長 その2
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