![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/156175347/rectangle_large_type_2_177a8d326d029d680e52673bc81dc89e.png?width=1200)
◆ 話のネタ ◆ No.40 緊急時、マニュアルは役立ったのか?
銀行員時代、地方で取引課長をしている時、重要なお客様のA医大病院さまで火災が発生しました。 その緊急時に、銀行のマニュアルは、役立ったかどうかのお話です。
<地元新聞より抜粋>
午後0時25分ごろ、A医大付属病院の本館東棟(鉄筋コンクリート17階建て)で、16階天井から煙が出ているのを職員が見つけ119番通報した。
消防車24台が出て消火にあたった。同棟5階から17階までの配管・配電線室内の電線などを焼いたが、約2時間後に消し止めた。入院患者ら約1,500人が屋外などへ避難したが、けが人はなかった。
A医大病院は、当時、5学校法人があり、医師・看護士・教職員だけで、2,000人というスケールでした。 当日理事長は、東京出張でした。
お昼のニュースでは、大々的に放送され、建物から黒煙があがる現場上空を、4~5台のヘリコプターが飛び回っていました。
この時、銀行のマニュアルでは、
『火事見舞い:お客様が火事にあわれた時の、お見舞いは、鎮火後、急いで
お見舞いに駆けつけること。 急ぎであるので、持参するものは、外部で
購入するのではなく、銀行粗品で利用できそうな、タオル等をお持ちして
お見舞いをすること。 決して、マッチは、持って行かない事。(そりぁ
そうじゃ、万が一持って行ったら、取引停止じゃ・・・・・・)』
となっていました。
当時の上司B支店長は、14時30分の鎮火を聴くと同時に、
『C副支店長、S取長(私の事)、今すぐ、近所の大きなパン屋2軒に行っ
て、全部パンを買って、直ちにA医大病院さまにお届けしろ!』
C副支店長と私は、2軒のパン屋でありったけのパンを買い、数百個をA医大病院の幹部の方にお届けに行きました。
ちょうど、幹部のところに着いた時、一足先に来られていた地元メイン
地銀の役員らしき3名が、火事見舞いにタオルを持参して来られており
『私たちに出来ることがあったら、何なりとお申しつけ下さい!』
とご挨拶をされている最中でした。 A医大の幹部の方は、やらなければならない事が、山積の中で、銀行役員の挨拶を当惑された表情で受けられていました。
私たちが、両手に沢山の袋をもちパンを山のように抱えて
『ちょうどお昼時でしたので、鎮火となれば、患者の皆様もお腹が減って
らっしゃるのではないかと思いお持ちしました』
とC副支店長がご挨拶すると。
『あぁ~、本当に、助かります、鎮火してすぐに、売店を空けたのですが、一瞬で食べ物がなくなり体育館に避難されている大勢の患者様にどうしょうと思っていたところです。 食事制限がある患者さまもいらっしゃいますので、私どもで確認しながら、早速パンを御配りさせて頂きます。 本当にありがとうございます!』
・・・ちなみに、このやりとりは、メイン行役員3人の面前で行われた・・
夕方になると今度は、B支店長は、リポビタンDを数百本買って、
運転手さんに支店長車運転してもらい自ら、A医大病院を見舞われ、職員様の激励として差し入れされていました。
マニュアルは、基本として活用し、緊急時は、特にお客様の立場になって、何をするのが、一番お役に立てるのか必死で考え素早い行動が、必要と実践で学びました。
おまけ1: B支店長は、総務部出身のエリートで最後は、銀行では、常務になられました。(銀行のエリート部門は、企画部、総務部、人事部)
総務時代の1994年1月17日午前4時31分にロサンゼルスで大地震が発生し、
『大都会で大地震が発生した時、銀行は、何をすべきか?』
を学ぶために、発生の1週間後には、リュック1つ背負って、ロサンゼルスに立っていたそうです。
![](https://assets.st-note.com/img/1727656975-oUlsZjRHFyhewvcb9dVNqLPm.png)
死者約60人、負傷者9,000人、被害総額350億ドル
その時、企業として一番最初にすべきことを学んで、1995年1月17日午前5時46分の阪神淡路大震災で、当行が、一番最初に実行しました。
それは、被災した地域に対して寄付を発表することでした。 当時一番最初に当行が1億円の寄付を発表し、その後、沢山の企業が寄付を続いて発表されました。
金額では、なく一番最初に被災地に向けてがポイントです。
当然、その後も更に寄付金を追加していきました。
おまけ2:9.11の米国同時多発テロの瞬間から、市場であるものがものすごい勢いで売れ始めたそうです。 当時、最も進んだPOSシステムを構築していたウォルマートでは、トップに瞬時にその情報が届いた為、一気にその
商品を買い占めたそうです。
その商品とは? 『米国星条旗です。 米国は、決してテロに屈しないという意思表示を多くの国民がしたそうです』 確かにその後の映像には、星条旗が至るとこに写っていました。
![](https://assets.st-note.com/img/1727657382-6Lx2yFRzGZWljmI1SCQ4BJaY.png)
◆ 毎週、金曜日に発信予定です。
次回予告:No.41 魔女 vs 魔法の杖
💛 よろしければ、スキやフォロー、コメントを頂けると幸いです ♬
<バックナンバー ベスト5>
【人気No.1】No.22 『愛はかげろう』人生で一番悲しかった時
【人気No.2】No.20 新入社員研修 新大阪駅 270人号泣:銀行
【人気No.3】No.21 スナックの料金に合理性は、あるのか?
【人気No.4】No. 3 時代の先駆者 !
【人気No.5】No.13 息子と自分の ”初任給”