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◆ 話のネタ ◆ No.27 『超能力は、存在するのか?』

 不思議な体験をしたことがあります。 

 銀行に入行して3年目に同期全員が関西にある研修所に集められ3泊4日の業務研修に参加した時のことです。 この研修は、特別な研修で今後の転勤先を含め銀行での仕事の方向性を人事部が見極める研修であり、非常に力の入った実践的な内容で、毎晩12時過ぎまで実施する研修でした。

 そういった主旨なので、当時結婚して1年半でしたが、妻にも実母にも、この研修は、今後の自分の方向性が決まるくらい重要と説明しておりました。

 研修内容は、同期163人が6人で1チームを作りその6人で1つの支店とし、支店長、副支店長、融資課長、取引先課長、融資課員、取引先課員に役割を決めて、講師達が演じる新規先企業を3日間かけて勧誘するロールプレイです。  

 よく考えられた内容になっており、勧誘に訪れる回数が多いほど減点になり、応訪時に、顧客に響くキーワードを出さなければ、突破口となる顧客ニーズの記載されたメモを貰えない仕組みになっていました。

 同期全員で3日かけての競争ですし、最少訪問回数で効果的な会話、セールスをしないとヒントも頂けず、提案による新規貸金取引開始ができず、
チームの評価が下がるので、全員3日間、必死で対応しました。 

夜は、19時に終了するのですが、明日どうヒアリングしてどのような提案をするかチーム一丸となって毎夜12時過ぎまで打合せをしておりました。

 そんな中、2日目の昼食時間、私は、何故か突然
あ! 妻に電話せんと! という強い思いが湧いてきました。 
しかし、用があったわけではありません。 

また昼休みのわずかな時間で電話できる場所は、研修所を出て少し先にあるタバコ屋の公衆電話しかありませんでした。

私は、12時半ごろ妻の実家(研修中妻は、中国地方の実家に帰省)に電話しました。 すると義母が出て来て、
「S(私の事)ですけどお母さん、K子いますか?」 
えっ・・・・K子は、Sさんの実家に行ってますが・・・・」 『・・・・・・(おかしいなぁ? K子一人で車で1時間もかかる私の実家に行っているなんて・・・・それにお母さんも随分、慌ててたなぁ?・・・)』 

 今度は、私の実家に電話をしたところ、電車と車で3時間くらい離れている伯父さんが電話に出て 
K,K、K子とお母さんは、今、買物に行っとる・・・
と言うではありませんか。普段、滅多に実家に来ることのない伯父さんが、何故、留守番してるのか?  疑問を持ったのと、伯父さんの慌てようも気になりました。 

しかし、昼休み終了時間となり研修に戻りました。


   研修が終了し、社宅に帰って分かったのですが、私が、電話した時、
一番かわいがってくれた祖母が亡くなり葬儀の準備をしている最中だったのです。 

私の母から『息子に知らせたら、重要な研修を止めて帰ってくるので、絶対に知らせては、いけない!』と緘口令がでていたそうです。

私が、突然電話をかけてきた話は、翌日の葬儀で、伯父から参列者に披露され、涙を誘ったそうです。

 私自身、今考えても、何故あの時、急に電話しなければと思ったのか分かりません。 夕食後であればまだ理解できるのですが、時間もわずかで用もないのにタバコ屋まで行って、硬貨を何枚も入れながら遠距離電話をしたのか?・・・とにかく、
『 電話をしなければ! 』 という強い思いだけで動かされました。



  それから十数年後、銀行の地方支店の取引課長時代に、新規で取引が、獲得できたH社(創薬の原料開発、製薬会社)に勤務されていた超ベテランの研究者(これ以降は、先生と表記)と直接お話をさせて頂く機会がありました。 

 その先生は、元阪大の有名な教授で、定年時、多くの上場企業からのフェロー就任のオファーがあったそうです。 その中で、地方ですが、H社が一番先生にとって自由に研究できる環境を整えてくれたので、再就職されたとのことでした。
 
 その大先生曰く 「随分前ですが、ユリゲラーとか関口 淳 君とか、
スプーン曲げをやり、超能力と もてはやされ、TVも大きく取り上げていたことがありました。 超能力の話題がどんどんエスカレートしてゆき、いくつものTV局で特番が組まれるようになりました。」 

「そうですよね、大ブームになり私もスプーン曲げに何度も挑戦しました、もっとも、1本も曲がりませんでしたけど・・・・」 

「あまりにTVでの放映が多いので私は、
公共性の高い電波を使って、このようなインチキを広めるのは、 
問題だ!』と抗議の電話を入れたのです。


すると、「あなたは、どなたですか?」 と聞かれたので
「阪大の教授で科学者」と告げると 
「それなら、超能力がインチキであるいうことをTV公開実験で証明して頂けませんか?」と言われたので、申し出を受けたそうです。


 先生が企画した実験は、直径70cmの透明なガラス球体の天井部分に小さな口を作り、その入口から、細い針金と目盛りを入れふたをし、針金に手を触れることなく、ガラスに手を当てて、超能力でその針金を曲げてもらうという公開実験でした。 目盛りは、わずか 1/1,000mm でも針金が動いたら
計測できる精度でした。

 いよいよTV公開実験当日、超能力少年が、ガラス球体の外から両手をあてて針金を曲げようと一生懸命、念じました・・・・・・・・・

・・・10分経過し、更に10分たち、必死に20分以上念じ続けました・・・


・・・結果は、針金は、曲がらず何の変化も起こりませんでした・・・・
 
  「ご覧の通り、超能力なんて、存在しませんから!!
   と先生は、満足顔で言い放ったのです。

 実験が終了し、ガラス球体をかたづけるために、先生が、
近寄った時、全身に戦慄が走りました! 

・・・・・な、なんと、針金が 3/1,000mm 曲がっていたのです!!
 

      先生は、その時から、 
   科学で何でも解明できると思っていたのは、大きな思い上がりで、
   まったくの間違いだと悟られたそうです。
 

 世の中の分からないことを科学で解明していくことは、できてもそれは、ほんのわずかであり本当に分からないものが世の中には、沢山あるんだという考えに至られたそうです。

◆ 毎週、金曜日に発信予定です。
    次回予告:No.28  ミッション・インポッシブル

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