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◆ 話のネタ ◆ No.47 お金持ち3:1,000万円のロレックスのすごい点
銀行員時代、様々なお金持ちとの出会いがありました。
今回は、当時担当していた支店のお客様で、個人定期を預けるだけで二十数年間 1度も出金されたことのないお客様の話です。
その人は、学生時代から水泳が得意で、オリンピックに出場が決まっていたのですが、戦争でオリンピックが中止となり金メダル獲得が有望視されていたのが、まぼろしに終わられた方でした。
戦後は、自分で会社を興され一生懸命働き大成功をおさめ随分と財産を築かれ、引退されて会社に顧問として出社されている80代前半の男性の方でした。
お歳は、取られていましたが、随分お洒落な人でした。 指には、自分でデザインされたかまぼこ型のプラチナの指輪に大きなダイヤモンドがはめ込まれていました。 同様にベルトもご自身がデザインされたプラチナのバックルに大きなダイヤがはめ込まれていました。
「顧問、質問があるんですが、よく銭湯に行かれるとおっしゃっていまし
たが、脱衣場で、ズボンを脱がれた時にそのダイヤ付きベルトもその
まま、脱衣かごに入れっぱなしですか?」
「あぁ、そうや」
「えっ~ だ、大丈夫ですか?」
「大丈夫やろう」
「う~ん・・・・・」
「顧問のロレックスは、いっぱいダイヤモンドがちりばめてあり、すごい
ですね! 一体いくらくらいするのですか?(銀行員の習性で価格が
気になる)」
「あぁ、これ、一千万円くらいかなぁ、それより、これクオーツなんや」
「え~、ロレックスにクオーツってあったんですか?」
「そや、しかし、この時計のすごいとこは、なんと、世界中で永久に電池交
換が無料なんや!」
『・・・こころの声:そこ感動します? 一千万円も払ってるのに・・・』
「すごすぎますね、ひょっとして、いまお掛けになっている金縁のシンプル
な眼鏡も、高価なんでしょうね?」
「いやぁ、これは、百万円くらいや」
「えっ~ い、いっ、一体、百万円の眼鏡ってどこで売ってたんですか?」
「あぁ、天六の商店街(大阪:アーケードが1.6kmで日本一の長さ、約300
店舗)」
すべての感覚が、私のような庶民とは大きく異なる豪快な顧問でした。
そんな顧問の趣味は、写真撮影で、いろいろな風景を撮影し引き延ばして
会社中に飾っていらっしゃいました。
「顧問、写真撮影は、シャッターチャンスを狙って、朝早くから、晩遅く
まで大変ですよね、そのかわり素晴らしい写真でいっぱいですね🎵」
「まぁ、時間かかるのは、しょうないわな~
わしは、写真撮りに行く時は、黄色いムスタングで行くんや、
ムスタングは、アメリカでは、女性向の車なんや」
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「そうなんですか、ムスタングは、女性向きなんですか?」
「そや、だから、小さくて運転しやすいんや、ただ、撮影用のカメラや
望遠レンズが、多くて重いんや!」
「そりゃそうでしょう、あんな大きな望遠レンズ、プロみたいですもんね」
「いちいち家から車に積むのがじゃまくさいんで、同じ物を2つ買って家と
車に積んどるんや」
「え~、それって、車に積んでるカメラ、望遠レンズでいくら位なるんでし
ょうか?」
「う~ん、三千万円くらいかなぁ~」
「小さめのマンション1戸購入できますやん」
「そ~やな~」
まったく、自慢されるわけではなく、普通にされているのにすべてが
ビックリするようなお客様でした。 よく、モーニングサービスをご馳走
して頂きました。 お金は、あまりあくせくしなくても、お金のほうから
集まってくるような人も世の中には、いるのだと感じました。
おまけ1: 顧問の話 北新地(東京でいうと銀座)に飲みに行って
お姉ちゃんをコンパクトカメラで撮ってあげたら、
「うわー綺麗に写ってて嬉しい💛」とみんな喜んでくれるんや
「顧問、そのカメラっていくらするんでしょうか?」
「50万円」
「えっ、コンパクトカメラで50万円!! どこのカメラ?」
「ドイツのライカ・・・」
おまけ2: 顧問が当時語った話で、「この前、車運転しててトラックに
横からぶつけたので、謝ろう思うたら、気が付かずに行って
もうた。」 「黄色いムスタングでぶつけたんですか?」
「そうや」
「それから、ホンダの車を運転してた若い兄ちゃんにも横から
ぶつけたんで、止めてお詫びし弁償しよう思うて近づいて行
ったら、突然、飛んで逃げよった! 弁償しよう思うたの
に、逃げたやつ捕まえれもんな~ 酒飲んだんがまずかっ
た・・・」
「えっ~顧問、飲酒運転だけは、お止めにならないと・・・」
(ホンダの兄ちゃんにしたら、走行中にド派手なムスタング
がいきなりぶつけて来て、車止めたら、中からド派手な老人
がフラ~と出てきたら、こいつは、普通の人ではないと
そりゃ~、思うわ・・・)
おまけ3: 別の支店で勤務してた時、自営業で高級婦人服、
コートを製造し百貨店に納められているお金持ちの社長
がいらっしゃいました。
背も高く、恰幅もいい60歳代前半で、スキンヘッドで
お顔が安田大サーカスのクロちゃんを更に濃くした感じ
でした。
社長は、アメ車が、大好きで大きな米国車に乗られて
ました。 衣服もド派手で、大型のアメ車、スキンヘッド
こわおもて、ガッチリした体格、どう見ても普通の人には、
見えない外観!
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しかしながら、実態は、きわめて穏やかな性格の方でした。
◆ 毎週、金曜日に発信予定です。
次回予告:No.48 半沢直樹の世界:飲み屋編
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