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月と森のサブマリン ⑮       設計アイデア編その③

(森でひとり潜水艦)

様々なスケッチを描くうちに、
いろいろな欲が肥大する。
だが、
私には建築士の資格が無い。
資格が無くても条件付きで可能らしい。
しかし、
描けば描く程、
造ってはいけないものが見えてくる。
夢は枯れ野を駆けめぐる。
そう、
多少変わった家を造ってみたい。
なら、有資格者に頼めば良いではないかと思われる、
が、
資金は細い。
細いにも関わらず野望に燃える。
メラメラ。
さらに、
建築士に頼もうかと、
一瞬思った時もあったが、
初っぱなから頼めそうな気がしない。
どうしてか?。
建築方法が一般と違うやり方を考えている。
それはどんなのかと言うと。
木造軸組工法においては、
柱と梁を接合するのに、
ホゾをホゾ穴に差し込んで組み上げてゆく。
この方法だと柱や梁に穴を開けるため、
木材に欠損部ができ、強度が落ちる。
さらに、
この赤松の森で極太の松を切り倒しながら思った事は、
一般住宅の10センチ角の柱ではなく、
キコリになって切り倒した赤松の丸太、
これを使わずしてどうすると思う。
この赤松直径30~40センチの丸太を柱にし、
梁も極太の赤松の丸太を使うのだ。
想像するだに、
ぶっとい丸太の骨組みが
縦横無尽に家の中に組み込まれているのだ。
アハハ。
すごいぞ。
金剛力士像だ。
…。
だが、
そうなると相当の重量物の接続となる。
となれば、
従来工法のホゾとホゾ穴では不安が過る。
ならばどのような方法で接続するのか?。
それは、
以前購入したあれだ。
田舎の畑に放置されていた鋼材の山。
それを大量に買い込み森の片隅に置いてある。
その鋼材だ。
それを丸太と丸太の接続に使うのだ。
…。
製材機作りで鉄の加工の技術はおおよそ身につけた。
ならばその技を使って、
丸太と丸太の接続金具を鋼材で製作しようと…。
となると、
自前の鋼材金具で組むという工法を、
どこかの建築士にお願いができるのだろうか?。
そう考えると、
一般住宅を設計している建築士に頼めそうな気がしない。
ならば構造中心の一級建築士か?。
まあ訳の分からん建築工法に渋るだろうな。
…。
モヤモヤしながら、
大工を自分でやるんだから、
設計も自分でやればいいんだよ…。
無資格で出来る範囲で…、
と、
胸に落ちる。
どうせやるなら、
できる限り自分でやるんだ。
それが面白いじゃないか。
…。
だが時に不安を人に話すと、
たいがいの者が言う。
そのスジの専門家に頼れと。
建築士に金払って設計してもらい、
節約するなら、
仲間集めて家を建てればいいじゃないかと。
確かに。
世の中広く見るとワイワイガヤガヤ、
友人知人と一緒に家を建てている人たちがいる。
だが、
船頭多くして船山に登る如く、
それぞれの夢や希望や欲が重なり、
俺のわがままな家造りが軋轢を生み、
違うんだヨ-。
そんな作り方は嫌なんだよー。
どうして、その方が楽だろ。
いやいや、そうじゃ-ね-んだよ。
楽する為に造ってンじゃーねえよ。
ざけんな、手伝ってンダゾー。
いらねーよー。
やがて、
トンカチが飛び、
酒ビンが割れ、
チェンソー持った奴と、
電動丸ノコ持った奴が、
おら~やんのか~。
と身構えたりして、
そこに、
だれかの嫁さんがあらわれて、
だめよ~。
あぶないわよ~。
止めなさいよ~。
とか仲裁が入り、
うるさい女はひっこどけ-。
で、
頭に来たその嫁さんがにぎり飯を投げつけた途端に、
ナタもった近所のおっさんが乱入して、
最近お前らウルサイんだよ-。
ガダガタ騒ぐな-
とかでおっさんのナタがブ~ンと振り回され、
だれかの首が飛びコロコロと転がり、
さらに首の無いチェンソー野郎の高速回転する歯が振り回され、
血だらけの手が天井に突き刺さり、
首の無い男が廊下を走り、
悲鳴が森の中を駆け抜けてゆく…
キャアアァァァ--
と。
こうなったら、
やばいな。
と…。
ならないように、
ひとりで造るのだ。
あはは。
まあ理屈はともかく、
できる事は自分でやると。
コツコツ。
焦らず騒がず。
この世の歯車から外れ、
森の中で、
家造り仙人となり…。
…。
少々話はそれたのだが。
いろんなアイデアの中、
資格が無いと出来ないアイデアが生まれた。
これがまた素敵なのだ。
将来、
お金が天から降ってきたり、
ビルゲイツが、
ミーがマネーをユーにあげるヨ。
とか、
時空が曲がり、
あのスペインのサクラダファミリアを設計した、
アントニオ・ガウディが現れ、
コレハ面白い…ワタシがイーロン・マスクに言ってアゲヨ-。
とかで…。
…。
これから作ろうとしている丸太骨格の家が出来上がったら、
生きてるかどうか分からんけれど、
未来の未来にその謎の建築物、
造ってみたい。
そのスケッチがこれだ。

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