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至高の思考を試行する嗜好~モノから「思い」を拾う~


■はじめに


ふとした日常。足元に転がっている意図に思いを馳せた事はあるだろうか。

ありふれた人工物であれば、そこに何かしらの「意図」が存在する。
ルーペで拡大する様に転がった「それ」にフォーカスすると、そこにある思いや背景が見えてくる。
「ただの人工物」から「ストーリーの証」に変える事が出来るのだ。

その想像したストーリーが事実であるかどうかは重要ではない。
私の人生において「意味が無いただのモノ」を「感情や思いのある意味があるモノ」に変える事が重要なのだ。

■軽い小石の思い


駐車場の横。石の囲い。
そこには一円玉がおかれ、その上に小石が置かれていた。

一円玉に置かれた小石

さて、この小石を置いた人はどんなストーリーがあるのだろうか。
想像してみる。

〇パターンA
まず、一円玉と小石を置いた人が同一であるパターンだ。
財布に余った一円玉を何気なく置き、その上に小石をおもむろに置いたのだろう。なんとなく、部活帰りに飲み物を買った男子学生の遊び心を感じる事が出来る。

〇パターンB
次に一円玉と小石を置いた人が異なるパターンだ。
道路に落ちていた一円玉に気が付き、石の囲いの上に置き、さらに風で飛んだりしない様、落とした人に返る事を思って小石を置いたのだろう。
清掃をしている中年女性が、そっと置いたのかもしれない。なんとなく、丁寧さと優しさを感じる事が出来る。

■パズルのピースをはめる


公園の端。植木の隅にスライドパズルの15だけが置かれていた。

公園の15

※おそらくだが、以下のようなスライドパズルの1ピースだろう。

「頭を使う脳トレーニングにお勧め 15ゲーム スライドパズル 15パズル」

さて、この15を置いた人にはどんなストーリーがあるのだろうか。
想像してみる。

〇パターンA
まず、15の持ち主と置いた人が同じパターンだ。この場合、暇つぶしに持っていたスライドパズルを公園でやっていたら、完成が出来なくイライラとして15だけを捨てた事になる。まぁ、中々そんな奇特な人はいないかもしれないが。

他は、子供同士で遊んでいたら「パズル隠し遊び」が始まった可能性がある。この場合公園に他15ピースが隠されている事になる。ワクワクさせてくる純粋な遊びである。

〇パターンB
次に15の持ち主と置いた人が違うパターンだ。既に捨てられていたスライドパズルが年月によって15のピースのみ残り、誰かが拾って公園の隅に置いた場合である。
この場合、昼休みに公園の隅に座って目に留まった15をおもむろに端に置いた会社員がイメージできる。
「なんだこれ?」「捨てるまではいかないけど見えない端に置いておこう」といった疑問と絶妙なやさしさを感じる事が出来る。

■終わりに


勝手な想像ではあるが、「ありふれたモノ」に対してその背景を想像し、あるかもしれない「思い」に触れる事が出来た。

もし、何も考えずに通り過ぎていたら、一生この小石ににもこのパズルのピースにも意味を見出す事は出来なかったかもしれない。
そう考えてみると我々の生活には「思い」があふれている。足元にあるそれをたまには拾ってみてもいいのかもしれない。

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