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洋式トイレと男性の苦悩

■はじめに

男性紳士諸君。小さいころ母親に「トイレを汚して」怒られた事は無いだろうか。
自宅の洋式トイレの周りに飛び散らせてしまい、「こらっ!」と言われた事はないだろうか。

逆に父親から同じ内容で怒られた事はあるだろうか。私は一切その記憶がない。

それはなぜだろうか。考えてみる。

それはおそらく「男性が洋式トイレを使う難易度の高さ」にあるのではないだろうか。

父親はその「難易度」を理解しているからこそ怒らないのでは無いだろうか(もちろん「掃除をするのが母親で~」とか「自宅にいるのが母親で~」とかそれぞれあると思うが今回主題はそこではない)。

■難易度の考察①

洋式トイレを利用する際の難易度を考察する。

まず、男性が洋式トイレを使う際、公衆トイレの様に立ってするのは難しい。なぜなら水面との落差で水がそこら中に飛び散ってしまうからだ。

また、仮にトイレの水面との落差を少なくしようとすると、昔のヤンキーみたいなうんこ座り。中腰の状態を維持しなければならない。

これは体力的に維持させるのも、エイムを安定させるのもかなり難しい。スクワットしながら編み物をするようなものである。
これを「スクワット編み物」方式と定義する。

「スクワット編み物方式」はかなりの体力と繊細な技術が必要となる。
よって大部分の人は必然的に座ってする必要がある

「スクワット編み物」方式

■難易度の考察②

次に体の構造上の問題である。

これはどんなトイレでもありうるが、「ホースを押しつぶした状態」になってしまう事があるのだ。
※便宜上ここから先はぞうさんを「水鉄砲」と表現する。

お庭のお花に水をあげる時をイメージしてもらいたい。水鉄砲の先が複数に別れ、勢い良くでる。どこに飛んでいくか分からないのである。
しかも、水が出てくるまでその事に気が付く事はなかなか出来ない。

回避しがたい事象である。
これを「フォースの力」と呼ぼう。

「フォースの力」

ちなみに、この勢いよく水がでる現象はベルヌーイの定理で説明できるらしい。
水の拡散範囲について考察したかったが、私には役不足なので水鉄砲専門家か流体力学の専門家の方にお願いしたい。

1. ベルヌーイの定理(流体のエネルギー保存の法則)とは

ベルヌーイの定理は、流体力学の中で非常に重要な役割を果たす原理の一つです。この定理は、流れる流体の任意の二点間でエネルギーの保存が成り立つことを示しており、流体の運動状態や位置、圧力といった要素間の関連性を明確にすることができます。

https://www.monodukuri.com/gihou/article/4618

ホースの先をつまむとなぜ勢いよく水が出るのか。原理をベルヌーイの定理で説明

■難易度の考察③

また、体の構造上の問題はもう一つある。それは「伸縮性」である。
水鉄砲には予期せぬタイミングで延長してしまう場合がある。それは限界までトイレを我慢したり、朝寝起きのタイミング等様々だ。

この時、水鉄砲の先端が伸びる事で問題が発生する。
座った場合、水鉄砲を下に押さえつける事が多いが、それによりトイレの中と接触するのである。

これは非常に気持ちが悪い。
適切な例えが見つからないが、強いて言うならばシンクに落ちた生卵をすすって食べるような気持ち悪さがある。

また、仮に接触しなかった場合であってもトイレ面と近く勢いで弾かれる。太ももから下に跳ね返りビシャビシャになるのである。

この現象を「シンク飛車」と呼ぼう。


https://jp.toto.com/support/tips/toilet/kaiteki/shikumi/

※「シンク飛車」は上図のトイレ底面と水鉄砲が近い事で発生する。

「シンク飛車」

■難易度の考察④

さて、最後は「トイレの構造上の問題」である。
先ほど引用した画像を見てほしい。

https://jp.toto.com/support/tips/toilet/kaiteki/shikumi/

座ってトイレをする際、水鉄砲の方向はトイレの構造上限りなく浅い箇所を向いている

これはどうしたって水鉄砲から水が出た時、淵から溢れたり太ももへ跳ねたりするのである。特に便器とフタの間からダムの様に排出される事が多い。

「トイレの深い所に向ければいいじゃない」とアントワネット風にあなたは言うかもしれない。

しかしそれは「口と片方の鼻の穴をつまんでランニングしてください」と言われてるくらい苦しさがあるものだ。出るものも出ない。

これを「浅滑りアントワネット」と呼ぼう。


「浅滑りアントワネット」


この「浅滑りアントワネット」は常に存在するが、思い出していただきたい。
そこに「フォースの力」「シンク飛車」が発生するのである。

どう考えても安心してトイレが出来るとは言い難い

■適切なトイレの形とは?

では、これを回避するにはどうしたらいいだろうか。

トイレの形状についてはその洗浄性、メンテナンス性、コスト、耐久度等様々な点を考慮して現在の形があると思うのだが、「跳ね防止」の機能をつけてもいいのでは無いだろうか。

と思ったら、アクセサリで販売されているようだ。

是非ともデフォルトのトイレにこの形状を反映させてほしいものである。

■終わりに

トイレの掃除をしていたら母親から昔怒られた事を思い出し、気が付いたら難易度の考察から形状の話まで発展してしまった。

とはいえ、考えてみると非常に難易度が高いと改めて認識する事が出来た。父親・母親諸君は如何に洋式トイレが難しい事かを理解してお子様のトイレをサポートしてあげて欲しいものである。

特に小さい頃は体の構造上「フォースの力」が発生しやすいのである。
無論、私は今は無い。無論だ。そんなことはあり得ない。断じてない。

良きトイレライフを!


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