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モノの形に込められた思い
雨上がりお昼、散歩がてら道を歩いているとガードレールにカナブンがとまっていた。
ガードレールの斜面に必死でしがみ付くその姿は何とも人差し指で支えたくなってしまう程だった。
ここで「なぜガードレールはこんなに滑る斜面の形状なのだろう」と考えた。
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調べてみるとどうやらその蛇腹の構造は「強度」を高める為の様である。
衝突した車の衝撃に耐えうる強度を、その折り曲げられた構造から生み出しているのである。
ガードレールには、クルマが衝突する強さに応じていろいろな形状があります。ガードレールの鉄板を「ビーム」(横木)と呼びます。ビームは折り曲げていくつかの山が作られ、折り曲げが多いほど強度が高くなります。
ガードレールの強度は低いほうからC種、B種、A種、SC種、SB種、SA種、SS種の7種類に分類されます。一般的に、C種は市町村道、B種は県道や国道、A種以上は交通量の多い幹線道路や高速道路、自動車専用道路などに使われます。最も強度が高いSA種やSS種は鉄道の上を高速道路が通っているような跨線橋などに用いられ、線路にクルマが落下するような大事故を防ぎます。
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日々当たり前に目にする構造物も「その形である理由」があるのだろう。
逆に「構造から機能を想像する」と言った考えも持っていてもいいのではないだろうか。
例えば、よく知られているペットボトルの形状だが、軽量化と強度を上げるための構造、持ちやすさを兼ね備えた形になっている。
ペットボトルを軽量化するときに欠かせないのが、容器を薄(うす)くすること。ペコロジー®ボトルは、薄くても波型のデコボコ形状にすることで、荷重によるボトルが変形を防止しています。またボトルの底は、半球状の凹みをつくり、薄い平板部分の強度を向上させています。
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当たり前だが角が尖った子供用の学習机やランドセルはあまり見ない。そこには「怪我をしないように」といった思いが込められていると言えるだろう。
目の前にあるモニターは?スマホは?イヤホンは?果たしてどんな形だろうか。
「身の回りの物の形に込められた思い」がもっと可視化出来たらモノに対する我々の思い入れも変わるのかもしれない。
角が立たないよう生き、角が取れた今日この頃。私の強度はもうそんなに高くない。