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昭和の夏休みを思ふ

暑い。しかしまだ、エアコンはつけていない。
数年前に買ったチャイナ製の小型エアコンと
壊れる気配のない扇風機と冷風機でどうにか生きている。

おっかないくらい年々暑さが増しているが、このまま将来
夏の最高気温が45度超えるのではないか・・
かりにそうなったら
自分は完全に蒸されて死骸と化しているだろう・・


幼少の頃の「昭和時代の夏」は
今のような異常な暑さではなかったため、
まだエアコンのないお宅もけっこうあって
我が家も扇風機だけで、事足りていた。

夏といえば、子供にとっての天国、夏休みだが
昭和時代の子供は、朝のラジオ体操からまず1日が始まる。
たしか6時半頃から各地域の定められたスペースで
ほぼ誰もやる気のないソレをおこなうのだが
ラストの日には、大人からアイスがもらえたため
自分はそれ欲しさに、日々休むことなく出席していた。


で、それがすむと、ふたたび「二度寝」はせず
研究用のアサガオの世話をし、朝食をすませ
流れるように「夏休みのとも」をやっていた。
今思うと、最高にマジメな奴である。
アニメ、ちびまる子ちゃんの「まるちゃん」タイプでは
なかったことは確かだ。


午前中に勉強を済ませ、昼ご飯を食べ
当時やけにテレビ放送していた
「心霊番組」を見て、体をヒンヤリとさせる。
そしてそれからは、完全な遊び時間である。
セミを取りに行ったり、スーパーにお菓子を買いに行く。
で、家に戻ると、
「手動かき氷機」でシャカシャカとかき氷をつくる。
イチゴ、メロン、ブドウ・・色々なシロップがあったが
やっぱりイチゴが最強だったような気がする。

夜には家の前のホタルを観賞したり、盆踊りに行ったり
花火をしたりと、妙にハードスケジュールな夏休みだった。


今のお若い人たちには、まるで想像できない
アナログな「異世界」だろう。

時を超え、更にデジタル時代へと世界は走り続けている。
それがよいのか、わるいのか、
人の体と心にどういった影響があるのか
みじんも抗えず、ただ時代の波に飲み込まれていくだけだが
時々、妙に「昭和の夏休み」が恋しくなる時がある。
エアコンもなく、ネットもスマホもなかった。
でも、今はもう無い尊いモノが昭和にはあった。
たぶんそれは、小さいようで大きな幸せ。





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