二年振りに実家に帰ったら、置いて行った植物達がジャングルと化していた。
はじめまして。最近はIT系への転職を機に、勉強と並行して身の回りの環境を整えようと日々奮闘中。
この様な記事を書くのは初めてなので、文字起こしをするにあたり最初こそ勉強の進捗なんかをアウトプットがてら記事にしたら良いのかな…なんて考えてたのですが、それはもう余りに味気ない記事になってしまった。趣向を変えて、趣味とか日常で思った事・感じた事なんかを勉強の息抜きに書いていけたら良いな。
⚫︎2024/03/01妹の渡新前、最後の家族団欒
仕事は休みを取り、久々に二人で食事と散歩。赤羽や谷根千界隈なんかを散策した後、家族四人で品川で夜食をした。もういつ振りなのかわからない。久々の再会ながら緊張は全く無しなかった。まぁ家族だし当然と言えば当然なのだろうけど。
親の開口一言目は「いつ振り?二年半とかだよね?」だった。いまの羽田空港の仕事を始めたのと同じ時期。思い出そうとしてもその時からプライベートの記憶がごっそり欠落している。紆余曲折ありそんな事になってしまったのだけどその事についてはまたいつか記事にしようと思う。
個人的に気掛かりだった実家の事が一つあったので、久々にその日は埼玉の実家へ泊まる事にした。
⚫︎2020/07/25 実家に身代わり設置
少し話が長くなりそうですが、四年前実家を出た頃に時間を戻します。
実家を出て今の大田区に住み始めたのは四年前の三月の事。あの忌々しい新型コロナウイルスが世界的に蔓延し始めた頃。新居にも関わらずトイレットペーパーが売って無かったり、その時の仕事はモロに影響を食う業種だった。新生活を始めるにはタイミングは本当に最悪、ハードモード過ぎる時期だった。
暫くして世間もコロナとの向き合い方みたいな記事がネットでは散見し始めてきたその年の夏前、親も初めて息子を送り出すという事で落ち着かなかったのだろうか、引っ切りなしに連絡が来た。その時は正直自分一人で何とでもなるし五月蝿いなぁ…と思っていた気がする。自分なりに何か良い方法は無いかと考えた。
生まれ育った埼玉県の川口市は昔から植木が盛んな街で、初等教育もかなり植物については力を入れていたし、実家の大家さんも当時の友人の中にも家が植木を生業にしている方が多かった。
その影響もあるのか、少年時代は植物に関しては超絶勉強した。存在する様々な種や系統の性質・特徴を調べたり、休日はホームセンターで球根を漁ったり意味もなくどんぐり集めまくったり、実際に育ててみたり。故に、植物の事に関してはかなり自信がある。その時身に付いた知識がまだ生き残っていたので「誰でも育てやすい観葉植物を自分の身代わりに置いていこう」と決めた。
少しだけ話が難しくなりますが、植物の分類体系を頭に入れてしまえば園芸は非常に簡単なんです。分類で言う所の「科」とその下位にある「属」に限定してしまえば、「種」として全く違う植物でも同じ条件で育てられるからだ。例えば、ナス・トマト・ジャガイモ・唐辛子の4つは全てナスの仲間なので同じ土で育てられる。同じ理由で、アーモンド・桃・桜・林檎もほぼ同じ条件で育てられる。つまり一度でも林檎の木を育てた経験があるなら同じやり方で桜も育てられるのだ。
ではどんな観葉植物が良いのだろうという話になる。小物か、大物か。成長が目に見えて早い物か、少しずつな物か。考えているうちに育てた経験のあるゴムの木の仲間が育て易く成長も早いし良いのでは、とざっくり絞る事が出来た。あとはどの種にするか。単にゴムの木と言っても配下には多種多様な種があり、色んな特徴を有す。
ハート型の葉を付けるウンベラータ、厚みのある葉のバーガンディ、葉脈が特徴的なベンガレンシス、小さい蔓性のプミラやシャングリラ。ガジュマルも同じゴムの木の仲間だったりする。
ここは捻くれ者の性分として、よくある物は被るし好きでは無いのだ。面白そうなレア種や変種を色々調べた所、ベンガレンシスの変種に「クリシュナボダイジュ」なる物がある事を知った。女神転生シリーズをプレイした事のある方であれば名前はご存知だと思うが、クリシュナとはヒンドゥ教の超絶イケメンの神様なので仏教の菩提樹との関連は疑わしいし、自分は単に「クリシュナ」と呼んでいる。葉脈が特徴的なベンガレンシスが突然変異を起こし、葉の根元が漏斗状に変化した種で、その姿が救いの手を差し伸べるクリシュナに例えられ付けられた名前だとか何とか…。因みにクリシュナは俗称ではなくちゃんと学名だったりする。(Ficus benghalensis 'Krishhnae')
「変な葉っぱを見て楽しんでこそ観葉植物、入れるならこれだ!」捻くれ者の自己満である。
しかしこのクリシュナ、余りにもレア過ぎて全然売ってないしネット通販でもすぐ売り切れてしまう。しかしそこは植木の川口市。地元の道の駅が植物取引センターが併設されている。
確かその年の六月くらいの事だった筈。この植物取引センターに出向いて相談する事にした。
自分「クリシュナっていう観葉植物を探してまして…」
職員さん「クリシュナ…聞いた事が無いですね、何かの品種ですか?」
自分「あっあっ…ベンガレンシスの変種らしいです」
職員さん「ベンガレンシスなら沖縄か九州辺りに農園さんが多いので探してみますね。一ヶ月程お時間頂けますか?」
なんてやり取りをして、それから一週間くらいで返答が来た。
職員さん「沖縄でクリシュナを作ってる農家さんを見つけました!株の高さもご希望通りみたいです。うちも気になったので、とりあえず二本入れてみる事にしたました。届いてから現物を見て購入するか決めて頂ければと思います。」
職員さん、仕事出来。
そこから一ヶ月程が経ち、クリシュナが入ったという事で見に行った。
冬場は室内で育成する事になるので写真では左の背は高いけど痩せている個体を選んだ。ベランダから出し入れする時に差し障り無い様にするためだ。「中々面白い物を見つけられたのでこれくらいは全然しますよ!」と購入後職員さんは実家まで運んでくれてまたも神対応。
ちなみに選ばなかった個体も後日即刻売れたとか。
沖縄に比べたら埼玉の気温は低い。気候に順応させる為に一ヶ月程置いてからワンサイズ上の植木鉢に植え替えた。またクリシュナ一株だけではインテリアとしては浮いてしまうので中くらいの観葉植物をさらに3つ、ネムノキ・アレカヤシ・モンステラも追加で入れた。それぞれ室内でも育ち易くなるように土と肥料を自分で配合して完璧な自分の身代わり達の完成。
そして家を離れる際に「俺だと思って大切に育てて下さい」と家族にお願いを残し、家を去った。
⚫︎身代わり達との久々の再会
バックの話が長くなってしまったが、時間を元に戻す。あれから数回は様子見で実家に帰ったりはしていたけれども、二年半前からは彼らの様子は何も知らない。自分の気にしていた事は、最後に帰った二年半以来放置されているであろう身代わり達の事だった。植え替えや剪定のやり方は親は知らないし、妹は留学だ何だで忙しい。その時唯一世話ができる自分は消息不明。うーん、家族が出来たとしても水やりくらいだし絶対放置されてるだろうな…。肥料の効果もとうに切れているし、弱っているか下手したら枯れてるのでは、という一抹の不安があったのだ。
夜食を終えて、二年振りに埼玉県へ越境。この数年の間でも地元は大きく変わったと感じた。川口駅前のそごうは無くなったし、地元の駅前には大きなマンションが建った。一方で何も変わってない所もあったりしたけど、二年という歳月の経過をひしひしと感じた。
品川から一時間以上かけて実家に到着。いよいよ身代わり達と久々の対面である。
明らかに色が濃くなった葉、樹形も二倍とまでは行かないけど明らかにデカくなった。というか、
前まで無かった枝がテレビスペースを侵略。これでは葉っぱに遮られてネトフリなんて出来る物では無い。座ってるだけでも鬱陶しいレベル。
しかもクリシュナだけではない。50cmもない中くらいだった他の三つの株はというと、
特に背丈30cm程しか無かったネムノキが2m並みになっていて、もはや何かのバグ。親に本当に水やりだけだった聞いたらそうだと言うし、外に出したりもしていないらしい。
本来であれば毎年植え替えを行い、成長期には外へ出し肥料を与え…というプロセスを行わないと、こうはならない筈なのである。自分の経験上だと室内で水だけでこの伸び具合はもうオカルトか何かを頼らないと全く説明が付かない。親の言う事が正しければ、自分の置いて行った身代わり達は底無しの生命力を備える完全生命体、もはや十分オーパーツと呼べる遺物と化していたのだ。
しかし流石に足掛け四年間放置されたダメージを受けている様な節の伸び方をしていたし、恐らく鉢の中では根っこもギッチギチに詰まっている事は間違いないだろう。
という事で身代わり達への恩返しの気持ちも込めて、鉢のサイズアップがてら植え替えと見栄えを整えるために剪定をする事にした。
(続く)
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