詩"僕以外
冷蔵庫にミルクはないし
暖炉に猫はくつろいでないよ
そんな靴だなの八方塞がりの壁に
村上春樹の本を並べたり
シャンソンのレコード飾ったり
僕なりに生きてきた
本当は僕という一人称も
エゴかもしれない名前も
今日という一日が終わる"晩年"らしき夜に
"僕"
"以外"の
人間、動物、植物、星々、神話の神様たちに
お疲れ様って言えたら
僕は僕のかごから抜け出して
宇宙に溶け込んで
一人じゃなくなる
一人じゃなくて
一つになるから
名前にも一人称にも縛られずに
夜に祈る
世界の全てに
僕が僕以外になるように
一人が一つになるように