モッコス

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初めての3Pそ〜ぷ感想序章「アベルとカイン編」

「戦いは、常に万全の状態で始まりはしない」 その日、私は師の言葉を思い出していた。 暮方の事である。一人のキモオタが、新宿の駅下で雨やみを待っていた。 何故かと云うと、この二三年、魔都新宿には、地震とか辻風とか火事とか饑饉とか云う災いが続いて起った。 洛中がその始末であるから、なんとなくマッチングアプリで会う約束をした女を待っていた私の元に来るのは最早狐狸や盗人ばかり。 そして待ち人はとうとう来ることは無かった。 焦躁と言おうか、嫌悪と言おうか。 酒を飲んだあとに

    • エノアちゃんと見るクライマキナはなまる感想会

      (ネタバレ注意!) まず初めに。 クライマキナ、ありがとう。 今日この日まで、泣かないと決めていました。 クライマキナのためにすべての感情を殺して死んだように生きていた私だが、実をいうと一抹の不安があった。それは、このゲームがもし納得ができなかったらどうしようということはなまる。 でも、そんな不安は杞憂だった。最後のあのエノアちゃんの笑顔を見た瞬間。これまでの仲間たちとクライマキナに費やした時間が報われたように感じた。 今これを書いている最中も耳元で「エノアのはな

      • 怪異人形開発部活動報告書

        こんにちは 部長の永見です。 我らが怪異人形開発部も今年で創立2000年を超える歴史あるサークルとなり、今回開発した怪異人形「めりいちゃん5号」はこれまでにない革新的な機能を備えてバージョンアップすることができました。 当初、家庭の悩みの原因である怪異人形を技術的な観点から再利用できないかという動機から発足したサークル活動は、興味・関心が共通している人同士が、サークルを通して呪術や神道をより深めながら活動し、会員はその活動をバックアップする役割がありました。この役割には、

        • 今までやったシナリオゲー評価一覧

          なんだかんだ結構な数をプレイしてきたのでここらで振り返りもかねて改めて51作品ごとの感想と超個人的なランキングみたいなのを書いていきます。ネタバレもあるので注意。 ・S評価(文句なしな上に個人的にとても刺さったもの) 1.「エヴァーメイデン~堕落の園の乙女たち~」 令和で発売した中でも素晴らしい完成度のゲーム。学園百合物という舞台設定を存分に活かした中で魅力的なキャラクターは終わった後も夢に出るほどのよさ。 こういった黒髪ロングのお姉様キャラの百合は昔から需要があり筆者

          はじめてのそ~ぷ「金色疋殺地蔵(こんじきあしそぎじぞう)編」

          童貞。それは純潔無垢。旧日本軍の旗振りは童貞であることを求められたし、古来から神やそれに連なる者もまた童貞であることを求められた。 自分もまたそうした「自覚」をもって生きてきたが、とうとうその誓いを捨て去る時が来たのだ。 きっかけはささやかな昼食時、共にラーメンを啜っていた友人のKに彼女ができたということから始まった。彼もまた12年間の男子校生活で半ば「化け物」と化した仲間だと思っていたなかで、この裏切りは衝撃だった。 負けるわけにはいかない。そうした得体のしれない不吉な

          はじめてのそ~ぷ「金色疋殺地蔵(こんじきあしそぎじぞう)編」

          永見稀世良について改めて考えてみる

           改めて彼女のことを書こうと思うと、いろいろある中でもやはりまずはその不遇さについて述べなくてはならない。Erewhon本編での彼女は最初はミステリアスな秘密のあるようなヒロインとして描かれており、その挙動一つ一つがなにかしらの思惑があるのではないだろうかと邪推してしまったが、結局のところ永見稀世良という個人にはなんの悪気や思惑もない純粋な恋心(憧れ?)が根底にあるだけなのだった、というのは筆舌しがたい感情になったのを覚えている。しかしそのあまりの純粋さと後半の出番の少なさか

          永見稀世良について改めて考えてみる