noteを開設した

　noteを開設した。
　思い立って早3日、やっと登録をした。

　何か新しいサービス登録までに時間がかかるのは単純に後回し癖が私にあるからなんだが、私だってのべつまくなしに何もかもを後回しにしている訳ではない。
　あらゆる事に大なり小なり何かしらの理由がある。
　例えば夕飯を後回しにするのは食べるのがしんどいからだし、レシート整理を貴重な日曜に1週間分まとめてしまうぐらい後回しにするのは財布を鞄から出してレシートを日付順に並べ直して項目毎に電卓を叩いて家計簿的なノートに書き込むのが面倒だからでで、楽しみで買った筈の本を読まずに積んでいるのは時間が無いのと、読んでワクワクしたり考えたりニコニコしたり楽しくなったり『神よこの世にこの作品を生み出して下さってありがとうございます、美味しいごはんを食べて温かいお風呂に入ってふわふわのお布団でぐっすり眠って健康に過ごして下さい』と作者に祈り、作者を育んだ地球に感謝をし、地球を爆誕させた宇宙の偉大さと壮大さを感じたりするだけのエネルギーが私に残っていないからだ。

　それでこのnoteに登録するまでにも時間がかかった。
　これは『登録する為のメールアドレス、パスワード、名前などの最初の何かを考える思考力が残っていない』『パソコンを出して起動させるのが面倒臭い』『通常起動させるまでに過ごすノートパソコンが動かない(バックグラウンドで色々起動している)虚無の時間を過ごすのがマジで苦痛』『退屈な時間を過ごす苦痛に耐える体力と気力が無い』等の理由があったからだ。
　ちなみにこの虚無の時間、大袈裟に話を盛るなと思われそうだがなかなか大した虚無であり、実際に登録をしてこの日記を書くまでに普通に1時間半くらい掛かっている。
　この1時間半の虚無の間に私はﾕｰﾁｭｰﾌﾞを見てソシャゲを回してﾂｲｯﾀｰ(現X)を見て参考書を見ていたが、矢張りどんなに暇潰しをしても虚無は虚無だ。
　変わらない画面、終わらない更新、終わらないロード、ｴﾝﾀｰしてもクリックしても反応しない入力画面……マジ凄い……虚無だよ……このノートパソコン買って5年くらい経つからもういい加減寿命なのかもしれないし、Adobe製品が重いからなのかもしれない……要らんデータのゴミが溜まってるのかもしれない……しかしゴミを確認して消去するのもまた時間のかかる虚無…………つらい………………。

　ところで退屈は苦痛で虚無、辛いもの、という概念、皆様はお持ちだろうか。
　私がこの概念を得たのは『銀河鉄道999』だ。
　コミックスの中で、次の星に行く為に走っていた銀河鉄道999が、信号に従って宇宙のただ中で停止したエピソードがあった。
　どうして停止信号が出たのか、どのくらいこのままで居なければならないのか、解除されるのはいつになるのか、車掌さんでも分からない。
　地球を旅立ってからずっと乗車していた狭い列車の中では基本的に座るか眠るかビフテキを食べるかぐらいしかする事が無い、かと言って出かけて2分で窒息必至の宇宙へ散歩に行く訳にもいかない。
　終わりの見えない退屈を持て余した鉄郎は、本を読んだりビフテキを食べたり車掌さんとメーテルと創作ゲームをして遊んだり10時間くらい寝てみたり、実に様々な試みをして退屈を潰していた。
　最終的に鉄郎が寝て起きたら銀河鉄道は次の星への運転を再開していた。
　確かこの時に『鉄郎はテストに合格した』的な意味深な事をメーテルが鉄郎に言っていた様な気がする(記憶があやふやで申し訳無いけれど、最後に読んだのが15年くらい前なので許して下さい)。
　これを読んだ時に私は初めて、退屈が苦痛なのだという概念を得た。

　それまでの私は空いた時間があれば、本を読むかマンガを読むか、何かしらのしょうもない空想をして過ごしていたので、退屈を感じた事が全く無かった。
　学校の10分程度のトイレ休憩でも、出かける前に『ちょっと待ってて』と親に言われて謎に待たされた時間でも、田舎にありがちな『次の便まであと2時間』みたいなクソ本数の少ないバスや汽車を待つ時間もだ。
　だいたいこれで時間を潰せてそれなりに楽しかったあの頃の私は、一体とこへ行ってしまったのか。
　そして銀河鉄道999の結末はどうなったのか。
　実家には最後の方の数巻が無かったので、結末を知らないまま15年も過ごしてしまった。