ドッグ・ランの乱
やあ、最近どうよ? ふふ、もう今年も3ヶ月しか残ってないな?
一方、アルジは「まだ3ヶ月もある」と理由もなく楽観的だ。
今日は、そう、10月最初の日曜日。俺とアルジはドッグランに行ってきた。
俺の街には公営ドッグランが3つもあって比較的恵まれている。
ドッグラン=「近所の犬の愛好家が集まり、それぞれの愛犬が元気に走ったり、遊ぶ姿を愛で、和やかな会話が生まれる場所」・・・て思うだろう?
それは、とんだ思い違いだぜ。
犬種同様、飼い主も様々だ。会話が弾む人(どちらかというご婦人、若夫婦に多い)、弾まない人(アルジのように早く家に帰りたいオヤジタイプに多い。黙々と俺の後について落とし物でもしないか、落ちてるものを口に入れたり、他のワンコに悪さしないかギロギロ見ている。)
一度、こんなことがあったナ。飼主Aが、別の飼主Bの犬にオヤツをあげて口喧嘩になった(ドッグランの多くはオヤツ禁止だ)。怒ったAがBの犬の頭を叩くと、Bが犬の腹を蹴って、4人(匹)のバトルに展開してパトカーが来る騒ぎとなった。
また、犬同士必ずしも仲良く遊ぶとは限らず、時には喧嘩になることもある。そうなると飼い主同士が気まずくなり、多くの場合、ほんの少しだけ社交性の無い方(飼主&ワンコ)が疎外されてしまう。犬同士の喧嘩以外にも理由は、オシッコ処理、ベンチの場所取り、様々だ。
さらに、犬だけではなく、飼い主同士のマウンティングもしょっちゅう。特に多いのが、犬談義が昂じて、「アレが良い、コレがダメ」の一方的な説教だ。
本当に不思議だ。普通の付き合いでは起こり得ないことがドッグランでは茶飯事なのだ。気の毒なことに、アルジは還暦を迎えた冴えない学術・技術系オヤジであることもあって、何かあると疎外されたり説教される側に入ってしまう。
なので、アルジは誰もいない早朝に俺をドッグ・ランに連れていっては大急ぎで俺を遊ばせる。俺? アルジが気の毒なので、「ワーイ」とか言いつつ適当に走り回ってやることにしている。
早く家帰って、寂しく二人だけの朝飯にしようぜ。インフレで俺の餌も少しづつダウンしているな。たまには
ジャーキーでも貰えるとアリガタイ。