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僕が観た佐々木朗希

メディアによる佐々木朗希バッシングが続いている。この国のマスコミはどうしようもない。球界OBの多くも佐々木朗希を目の仇だ。個人的に共感できたのは「里崎智也」。来年3月まで球団内部の人間だ。知りえることも多いだろう。千葉ロッテ2度の日本一を知るOB。立ち位置が抜群に良い。ただコミッショナーに対しての提言はない。力があるなら良い職場に転職するのは今の時代は当たり前だ。この問題を先送りし続ければその期間だけ日本プロ野球は衰退する。

僕はスポーツが好きだ。特にプロスポーツの経営と育成に関心がある。野球以上にサッカーの海外移籍は深刻だ。レベルの高いリーグが複数ある。見本市のようなリーグもある。だが日本サッカーの進歩は凄まじい。ただ世界のサッカーはそれ以上のスピードで進歩している。海外から学び、独自の路線を模索している。組織を運営している職員も若い。バットマンこと宮本が日本サッカー協会会長だ。選手ファーストただプロは仕事。そのバランスは難しい。選手ファーストはそのまま育成現場の発展に結びつく。サッカー、そしてバスケットは野球とは全く違う視点で組織が運営されている。

最近聴いた話。朝から快晴なのに体育が中止だという。理由は早朝に降った少量の雨でグランドの一部がぬかるみ靴が汚れるから。これは公立小学校の現状だ。この国の地方を含めた政治家、官僚はもはや手に負えない。どこの世界も向上心とお金があれば私立、その上は海外なのだ。当然政治家官僚のご子息は。。。野球界の根本はこれと同じではないだろうか。組織のトップが野球を愛していない。スポーツだけはどんな環境であれ這い上がることが出来る。それを体現しているのがサッカーでありバスケットなどのスポーツ。野球はその意識が薄い。筒香、宮城選手などその活動は個人が主だ。

肝心の佐々木朗希を観戦したのはプロ入り三年目からの計4試合。生で初めて彼のストレートをみた時は度肝を抜かれた。ボールが目で追えない。ダルビッシュ、大谷、山本のストレートは目で追う事は出来た。それが年々追えるようになってきた。同時にフォームの躍動感がなくった。観戦の楽しみは練習が観れる事にもある。ノックや素振り、キャッチボールなど。特にベンチ前のキャッチボールは調子のバロメーターとなる。そのキャッチボールでも相手の構えているところにボールがいかない。今年は去年より酷くなっていた。

僕はスライダーの習得が影響したと思う。早過ぎたのではないかと。吉井監督は入団当初ストレート、ホークだけで通用する。増やすならカーブかチェンジアップではないかとコメントしていた。スライダーとシュートは身体を横に使う。日本で唯一の完投となった完全試合。この偉業も影響は大きかった。3年目は吉井監督がピッチングコーディネーターという謎の役職。骨端線が閉鎖したのも3年目オフだった。吉井監督は当初から五年計画。1年目もオールスター前のデビューを予定していたそうだ。デビューした2年目で既に吉井さんの判断では投げさせ過ぎたのだろう(67回)。田中晴也は今シーズン20イニング限定(高卒2年目)だった。育成方針のズレが投手コーチ退任であり謎の役職就任だったのではないだろうか。球団は何をしていたのだろうか。

千葉ロッテ佐々木朗希の全盛期は3年目シーズン前半だった。来シーズンメジャーでは一からつくり直すはずだ。一年目からの活躍は本人も考えていないだろう。メジャー球団もそのつもりで獲得する。今は国際大会に出場したからメジャーにバレるような時代ではない。日本の選手ならアマチュアでも簡単に情報は手に入る。既に12球団の一部は選手のデータを売っている。仮に日本で戦力外になっても数値が良ければメジャーにいける。メジャーは30球団。リーグ内のチーム力の差は日本のプロと社会人くらいある。プレー環境はメジャーのほうが過酷だ。

入団時にメジャー移籍を容認したのは事実だろう。解説者に復帰した井口のコメントにはポスティングの莫大な利益を交えた冗談があった。ただ年齢をはっきり決めていなかったのが一連の騒動の原因だと思う。朗希本人も未知数であり成長過程の不安はある。ロッテは吉井さん頼み。吉井さんもこれほどの逸材を預かったのは初めてだろう。球団のサポートがあればもっと良い旅立ちを迎えられたはずだ。来シーズンは監督業に専念できる。

来シーズンの組閣が発表された。不安一杯の船出である。


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