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【リサーチ】グリーンウォッシュ

最近はグリーンウォッシュという文言を頻繁に目にしますよね。
主に批判的な記事などで良く見かけると思います。
何が問題なのか、調べつつ自分なりの考えをまとめてみました。


グリーンウォッシュとは

そもそもグリーンウォッシュの意味はなんでしょう。
多くの解説記事には
"うわべだけ環境保護に熱心にみせること"
と書かれています。

"グリーン(=環境に配慮した)" 
     +
"ホワイトウォッシュ(=ごまかす、うわべを取り繕う)" 
を合わせた造語で、主に企業の広告や企業活動などに対して使われる文言のようです。

歴史

グリーンウォッシュは、1970年代から始まったとされています。
この時代は人々の環境意識が高まり始めたころであり、「環境に優しい」イメージを訴求することで、企業のイメージアップに高い効果が表れるようになった時代でもあるようです。

問題点

グリーンウォッシュの最大の問題点は、「環境に良い」と訴求している商品が、実はそうではない点にあります。
購入者は「環境に良い」と信じて買ったのに、結果的に買えば買うほど環境を傷つけてしまう・・・
こうしたことが度々起こると「環境に良い」とうたう商品は消費者は信じなくなり、「本当に環境に良い」商品も売れなくなる可能性があります。
とんだ営業妨害ですよね。

IDEAS FOR GOODというサイトに、「グリーンウォッシングの7つの大罪」というものが紹介されていましたので、下記に添付します。

・隠れたトレードオフの罪:企業がアピールしたい一点のみに言及し、他で環境破壊が起こっていることや環境負荷が大きいことなどには言及しないこと。例えばファッションブランドの場合、衣服自体は「天然」または「リサイクル」素材でつくられているが、つくる過程ではCO2を大量に排出するなど、環境に大きく負荷がかかるのにそこを隠していること
根拠を示さない罪:何の証拠もなく「認証済み」「サステナブル」「エシカル」「環境にやさしい」と宣伝すること
曖昧さの罪:どの部分が、どのように良くなったのかという定義・数字・事実などを明らかにしないこと
偽りのラベル崇拝の罪:第三者機関が存在しない、またはまともに機能していないのに、そこからお墨付きをもらって説得力を持たせること
無関係の罪:事実かもしれないが、商品やサービスによる環境インパクトとは無関係の情報を「訴求ポイント」として提示すること。特定の化学薬品をつかっていないとアピールしているが、それは何年も前に規定で使用が禁止されたものであるなど
より大きな「悪」と比べる罪:良いことをしているわけではないのに、環境負荷を出す「より悪い」ものと比較して、まだマシだと宣伝すること
フィビング(不正確)の罪:単純に、間違った情報に基づいて商品・サービスをサステナブルだと主張すること

IDEAS FOR GOOD

ううむ・・・罪深い・・・・
企業としてもグリーンウォッシュを指摘されることは、イメージや売上の低下につながります。
しかし、いまだにグリーンウォッシュを疑われる事例は後を絶ちません。

なぜグリーンウォッシュは無くならないのか

企業イメージや売上が下がるリスクを抱えつつ、なぜそれでもグリーンウォッシュが無くならないのか。
自分なりに考えた結果、下記2タイプの人が存在するからではないかと思いました。

➀ リスクを知りつつも、目先の売上を重視したい人
➁ 販売している商品・サービスがグリーンウォッシュだと知らない人

➀はともかくとして、
➁のタイプの人なんている?!と思った方もいらっしゃるかもしれません。
でも、いるのです。

"いつの間にかグリーンウォッシュ"の例

例えば、最近J-クレジット関連で関心を集めているバイオ炭で考えてみましょう。

バイオ炭を作る際に使用する機械・製品はいくつもの種類があります。
それこそ野焼きのようなやり方でメタンをバンバン出しながらバイオ炭を製造している製品もあれば、二次燃焼器を付けてメタンを全く出さないでバイオ炭を製造している製品もあります。
(※ メタンは、二酸化炭素に次いで地球温暖化に及ぼす影響が大きいとされている温室効果ガスです。)
そのメタンをバンバン出してしまう製品も、現状、J-クレジットの申請を通すという点だけを考えれば、環境に良い製品(バイオ炭)を作るためのモノという扱いになってしまい、二次燃焼器を付けて環境配慮している製品と同等の扱いになってしまいます。
ただ、このメタンの部分に関して前者を販売している企業はどこにもその内容を記載していませんし、発言もしていません。
なので環境に悪いという意識も無くバイオ炭を製造している人もいると思いますし、販売している人もいると思います。
これが、先ほど述べた➁のタイプの人であり、"いつの間にかグリーンウォッシュ"の人であります。

自社で扱う製品・商品がどのような方法で生まれてきたのかを知ることは重要であるということが良く分かりますよね。
ただ、膨大な量の商品を取り扱っている企業だと全て追いきれないこともあるかもしれません。

グリーンウォッシュの見分け方

Sustainable japanの記事に、見分け方に関する記載がありましたので、
こちらも引用添付いたします。

企業や団体の持続可能な活動の広告等のコンサルティングをおこなう、英国に本社を置くFuterra社が中心となって2009年に発行した”Understanding and Preventing Greenwash: A Business Guide“には、グリーンウォッシングの定義、見つけ方、企業がそう言われない方法等が載っています。ガイドの7ページには、「グリーンウォッシングの10のサイン」が載っています。あいまいな言葉を使っている(例:エコフレンドリー)
開発、販売した企業が裏では悪いことをしている(例:電気効率の良い電球を作っているが、工場からは汚染物質が川に垂れ流しされている。)
何かを連想させる写真を使っている(例:煙突から花が咲いている合成写真を使い、環境に優しいイメージを訴求)
不適切な主張(例:環境に悪い企業活動をしているのに、小規模な環境活動を大々的に主張
同業者の中では一番だ、という主張(例:同業者や同じモデルとの比較で、他は全く環境に優しくない中、少しでも優しいことを大きく訴求)
信頼できない(例:タバコはそもそも危険なもので、エコだからといって安全にはならないのに「エコフレンドリーなタバコ」と訴え、安心感を打ち出す。)
専門用語の羅列(例:広告等に科学者、専門家にしか分からない情報を並べる。)
第三者機関を作りだす(例:第三者機関の認証に見せながら、実は自社で作り出した認証ラベルを使っている。)
証拠がない
にせ、でっちあげの内容


なお、同レポートのP28~30には、企業がグリーンウォッシュにならないためのチェックリストが載っています。気になる方はお読みください。

Sustainable Japan

くれぐれもグリーンウォッシュの疑いをかけられないように、グリーンウォッシュの疑いのある商品を取り扱わないように、気を付けていきたいですね。

本日もお付き合いいただき、ありがとうございました。


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