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夢を諦める
私は高校生のほとんどの間不登校でした。
中学卒業後、進学した高校はいわゆる進学校で、勉強、勉強、勉強!という風な学校でした。
個性的な生徒と先生が集まる学校で、適度な距離感を保ちつつ暖かく接してくれる周りの人々は、凄く自分に合っていて居心地が良かったです。
学校自体も個性的で面白くてとても好きでした。
勉強の仕方以外はとても過ごしやすくて自分に合っている学校でした。
私が不登校になったのは、勉強が原因でした。
毎日ハイスピードで進んでいく授業、向上心があり努力している友達、毎日の小テスト、大量の課題。
楽しかったはずの勉強はいつの間にかやらなきゃいけない、やらされているものだと感じるようになりました。
受験時は将来の選択肢のために進学校を選び、「青春を捨ててでも勉強を頑張りたい。」そう思っていました。
ですが勉強をする意味が分からなくなってしまいました。
勉強へのやる気が無くなり、授業には着いていけず、課題は溜まっていく一方で、
「やらなきゃいけない、自分はダメだ。」
という気持ちと、
「勉強はもうしたくない、辛い、苦しい」
という気持ちが混ざりあってぐちゃぐちゃになり、ストレスが溜まっていきました。
溜まったストレスが身体に現れ始め、
学校に向かっていると手が震え、涙が止まらなくて、過呼吸を起こすようになりました。
ストレスは酷くなっていき段々と学校を休みがちになり、最終的には1年生の秋に不登校になりました。
別室登校などを重ね、1年生の単位は何とか修めることが出来ました。
2年生になってからは教室に行くことを試みたものの、恐怖で出来ませんでした。
2年生の単位は取る事が出来ず、秋に通信制の高校に転学しました。
不登校になってから転学するまでかなり時間がかかりました。
全日制から通信制に転学することへの不安、
もう二度と戻ってくることができないということ、
ある程度名の知れた高校を辞めることへの勿体ないという気持ち、
受験生の頃から猛烈に行きたかった高校を辞めるという苦しさ、
色々な理由があり転学を決めるのに時間がかかりました。
転学する直前まで「やっぱり通いたかった、卒業したかった。」と思っていましたが自分の状態からして出来ないことはわかっていたので転学しました。
以前通っていた全日制の高校を卒業することは私の夢でした。
通信制の高校に転学することで私は夢を諦めたのです。
夢を叶えるために努力することより、夢を叶えるための努力が出来なくなった時、諦めることの方がずっとずっと苦しいことなのかもしれません。
私はもうすぐ転学先の通信制の高校を卒業します。
転学してからもパニック障害という新しい問題が出てきたことで精神的にも身体的にも不安定な日々が続いています。
少しずつ少しずつ元気になってきていますが、まだまだ一般的な日常生活が送れるような状態ではありません。
もう高校生が終わるというのにもかかわらず未だに前籍校を卒業したかったという気持ちは消えません。
これから先もずっと夢をあきらめたが故に生まれる苦しみや後悔は消えることは無いのだと思います。
いつか、16歳の私がした
“行きたい高校を卒業する夢を諦めた”という選択が間違ってはいなかったと胸を張って言えるようになるその日まで、私は何とか生きていきます。