読んでいると寒くなる本


初めに

今回は読んでいると寒くなる本でいきたいと思います。作品の中で大雪が降っていると、真夏でも目の前が真っ白な雪に覆われた場所に立っているような気持ちになります。いつ読んでも体感温度が下がるような本を選んでみました。

氷/アンナ・カヴァン

タイトルが寒そうですよね。世界が氷に覆われてゆく、という話です。何かがきっかけで読んだのですが、わー寒い、と思いながら読んだ記憶があります。氷で覆われるほどの気候が想像できないですが、暮らしにくいでしょうし、冷え性の自分は真っ先に体調を崩すだろうな…と思いました。

街とその不確かな壁/村上春樹

今話題の村上春樹の最新作です。遅ればせながら最近読了しました。
なんとなく村上春樹の作品は雪が降るところにいることが多い気がしますが、これも壁の中の街で、雪の季節に過ごすシーンがあります。村上春樹は静かに雪が降っている情景が好きなのかもしれないです。そのせいか、村上春樹の作品のイメージは冬のものが多いです。ページ数が多く、重厚感のある内容でした。
(この本は既出の作品を膨らませたもの、とあとがきでも書いてありましたが、どこかで読んだ気がしてなりません。もととなった作品が出た雑誌を読んだりはしていないはずなのですが…)

犬物語/ジャック・ロンドン

この本を読んだきっかけは柴田元幸が翻訳していることでした。ジャック・ロンドンってよく名前を聞くなあ、というのもありました。タイトルの通り犬の話ですが、そりを引く犬の話が多いので、犬物語というよりは狼物語に近いなと思いながら読んだ記憶があります。
過酷な環境で働かされる(働いているという感覚は犬自身にはないのかもしれませんが)ので、暖かい場所で寝ころんで読んでいると、恵まれた環境でよかったな、と思うことになります。

終わりに

本当は一つくらい「背筋が凍る程怖い本」という目線で寒くなる本を選びたかったのですが、いかんせん私がホラー系統を読まないせいで思いつきませんでした。もし怖い本を思い出したら第二弾として書こうと思います。
現実の季節を無視してその世界に没入できるのが本のいいところです。冬になるから、寒い時期だから、とは言わず、季節にかかわらずぜひ読んでみてください。

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