貴方に遭うために！！

「ねぇ・・・・・・」

そばにいて

そんな言葉が空を切る

この寒空にスズメたちの
一斉に飛び立つ
羽音の重さが聞こえた

貴方に遭うためにだけ

貴方の声に遭うために

心を研ぎ澄まし生きてきた

聞き間違わないために

言葉を投げかけ

受けて答える

貴方の声の抑揚を聞き逃さない

こんなやり取りを

数多く経験を重ね

ようやく見つけた

矢張り、いたのだ

貴方は待っていてくれた

広い心と

穢れない生活を送って

求めるままの男になっていた

私だけの男

私は身をゆだね

その声に心の鎧が落ちていく

ありがとうございました。