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【EVE】どうしたのですか?

生きていると考えもしない人に会うもの
ふと。私は座敷の端の女の顔に見覚えがありました

仲居さんの紺の着物を着ていた
信じられない人でした

資産家の嫁です

いつも私を見下していた女でした
あんたは人間の屑だとばかりに見下していた女でした

なぜ、こんなところに仲居なんて

私は楽しさ半分野次馬根性で行きました

「どうしたのですか?」

びっくりしていました
話しかけられたことに

私と言えばこれ以上落ちようがないところまで落ちていました
それさえ自覚はなかったかもしれません

ある意味深く考えない生き方だったのかもしれません

「あらっ、どうしたの?」

「でない、貴方はどうしたのですか」

目に前にいる人は名家の嫁と言われ、教育熱心な人でした

その人が仲居をしていたのです

「私、離婚したんです」
離婚???確かに離婚と言ったような気がしました

何故。この人が離婚をして、ここにいるのか?

まあいいか。
本来の野次馬根性のまま仕事に戻りました

翌日、私は面白さ半分で友達のところに行きました
あの話の続きを聞くためにです

かなり噂になったそうです

何が?  楽しい不倫の話です
というか女は本気だったのでょう
男はどこまでだったのでしょうか

この発端は社交ダンスクラブだったそうです。

子育てが終わり、
時間に余裕が出来たママさんたちが始めていた

社交ダンス!!!

教育熱心なママたちが息抜きで始める遊びでもあるまいにと
横目で見ていた社交ダンスです

ここはとかく噂はありました

で、離婚まで発展したのが資産家の嫁です

これは本当の話なので読んでくださる方は
心して読んでいただきたいと思います

自分への戒めと
男の狡さです

社交ダンス愛好会の発起人が
誰かはよく知っていた人でした

目的はあったのです
自分の商売販路開拓でした

私は気づかないふりをして誘われても
左足の手術を口実に断りました

強いステップは踏めないことは本当でした

と、私は男に触れられることも嫌でした

それでも暇と金に余裕のあるママたちは集まりました
亭主に満たされない男への欲望です

話はそれますが、これで儲けた人もいました

誰が? 書いた通り金と暇な女たちです
衣装に凝りだしたのです

仕入れ場所は同じ洋服屋

ここの女店主商売ピカ一でした
おだてるのと騙すことにかけては天下一品でした

お客の女たち間違えていたのです
女店主は女優並みのスタイルと美貌だったのです

この人が着せて見せたら、どんなものも素晴らしいのです

で、決め台詞。
「貴方のために仕入れてきたのよ」

甘い声で話します
確かに週一度は東京に出かけていました

「このあなたのために」

がカギのようでした

で、ママたちに高額で売り付けました

お値段をだれも知っているのですから
女たちの言葉にださない競争心をあおったのです

いつも見ていて
さすが、素晴らしい!!・・・・笑ったものです

ここは、離婚前の私の遊び場所の一つでした

話を戻します

資産家の嫁も、もちろん常連さん

嫁の自意識を満足させてもらう
お値段のものを身に着けていました

その衣装で社交ダンスの練習に行きます

もう一つ
社交ダンスは男は少ないのです
で、男が踊れないと面白くないのです

そこにやってきたのが踊れる男です

発起人が頼みに行ったそうです

こいつ、仕事の関係で皆様より遅くやってきていました

この男は身長もあり体型もそこそこだったようです

私があったのはこの騒ぎから随分すぎていましたので、

それでも、ああ、そうかという顔とスタイルでした

で、私は名乗りました。離婚前の名字を
瞬きが止まったのがわかったので

いつもの親切心で聞きました

「社交ダンス愛好会はいかがですか?」
「やめました」

「あらっ、・・凄い上手だって聞きましたが?
もったいないですね。
モテたでしょうに。」

こいつ慌てても遅い
忘れたい傷口を素手でえぐられてるようなものだ

私がどこまで知っているか?

これが問題だ

不倫をして見つかった女は
離婚して家を追い出されたのに

出ていった女を見捨てて、
自分は素知らぬ顔で生きてきたのです

見つかったのもドラマで出てくるようなものだったそうです

噂が広まり。
ママたちの妬み、嫉みで亭主に教えた人がいたそうです
亭主も気づき始めていたそうです
練習日の帰りが、日を超えていたからです

で、亭主は時間を図って練習を見に来たそうです

そこで、自分の女房が夢心地で男に抱かれて
踊っている姿を見ていたということです

この二人、自分たちの世界に飛んでいたので
入り口で見ている人に気づかなかったそうです

周りのざわめきに気づいたのは曲が止まったときとか

そこで嫁が見たものは亭主の姿だったそうです

慌てて家に戻った時には化粧台に離婚届が置いてあったそうです

彼女はその夜の内に荷物を片付け家を出て

男に一応連絡をしたそうでしたが着信拒否になっていたそうです

その時に私と会ったのです

女が言っていました
男って狡いのですね

信じた私は何だったのかな?

これが彼女とあった最後でした
そう、ここをやめていったのです

で、男は変わらず生きていました。

何も変わらずにです

これが男と女の現実の恋物語です

最後までお付き合いいただきありがとうございました

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